【全曲レビュー♪】(ポストクラシカル)Cicada‐不在的你們都去了哪裡(White Forest)の台湾盤

こんにちは~、估醬※ことぐーちゃんです♪

 ※台湾では日本の「~~ちゃん」のことを「~~醤」と表記するんだって。

 お友達が、私のぐーちゃんという名前に漢字を当ててくれました(*'▽')

 

先日、クリスマスにかこつけて(笑)台湾の友人とクリスマスプレゼント交換をしました♪

私からは、横浜DeNAベイスターズのグッズ3種類をプレゼント。台湾の男友達はみんな野球好き・・・!

そして、友人からは「ナミヤ雑貨店の奇跡」の中国語翻訳版と

11月23日発売のCicadaの「不在的你們都去了哪裡(White Forest)」の台湾盤をプレゼントしていただきました~(*^^*)

 

 このアルバム、日本盤も発売されていますが、どうしても台湾盤が欲しかったのです・・・!

せっかくお気に入りの一枚ですので!ぜひ、この感動をお伝えしたく、アルバムの紹介をさせていただきます(*^^*)

 

 

アルバム・アートワーク。

ジャケットはこんな感じ。

写真からは伝わりにくいのですが、アートワークがとても凝っていて、

中央部分のうにょうにょしている部分は光に当てると金色に。

右下のアルバムタイトルの「不在的你們都去了哪裡」は銀色にそれぞれ輝きます。

このアートワークは朱疋によるものとのこと。

 

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裏面には、トラックリストが中国語と英語でそれぞれ表記してあります。

 

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そして中をオープンするとこんな感じ。なんとステッカーつき。もったいなくて使えませんな!

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アルバムの紹介。

Cicadaのニューアルバム、在的你們都去了哪裡(White Forest)は彼らの8作目となる作品で、これまでと同様に「海」や「自然」をテーマにしながら、音楽的にはかなりの進化を遂げている一枚となっています(*'▽')

私自身、4年前にリリースされた「邊境消逝」を聴きましたが、「邊境消逝」のトラックはあくまでアコースティックメインであるのに対し、今回の「不在的你們都去了哪裡」ではエレキギターを取り入れたりなど音的にもかなり面白くなっていて、それがこれまでの彼らの本質的な魅力である「静謐さ」や「穏やかさ」を変えることなく、更に挑戦的な一面、進化的な一面が添加され、ますます魅力的なサウンドに仕上がってきているのです・・・!

 

アルバムアートワークの裏面に書いてある彼らのセルフノートによると、このアルバムは珊瑚や、ウミガメや、イルカたち、あるいは街角の猫や山に住む鳥たちに捧げるとのこと。

そしてトラックリストからも読み取れる通り、ポジティブなテーマだけでなく環境破壊といった重いテーマでも曲が作られています。(トラックリストは次の項目で解説します!(*'▽'))

 

これらの進化により、アルバム自体に起承転結がわかりやすくなっていて、一つの物語のように感じられ、グループとしての面白さや、魅力が着実に増しているなぁ・・・と感じるのです。

 

トラックリストと曲のレビュー♪

ここからは全曲レビューをさせていただきます♪♪

なお、彼らのことやメッセージをもっと知ってほしいため、タイトルリストを翻訳させていただきました(*'▽')

日本盤にはプロの邦題がついているのでしょうか(*'▽')でもいっか(*'▽')えへへ

 

#1 等待再一次躍出水面(Dolphins Leap)

 タイトル邦訳・・・もう一度ジャンプするのを待ってる

 

www.youtube.com

 

こちらの記事でレビューさせていただいていますが、改めて。

タイトルやMVからもう一度イルカがジャンプするのを待っていることを連想させる一曲です。

跳躍するようなミニマルなピアノのフレーズで始まります。Cicadaの魅力のひとつってこのミニマルさだと思っていて、これは単に繰り返しというだけでなく、たくさん音を重ねながら展開していき、技術的にも音的にもで聴いていてとても心地が良いのです。

冒頭のピアノはきっとイルカがジャンプする光景を、そして伸びやかな弦楽器のフレーズは美しくどこまでも広がるおだやかな海を連想させます。

 
#2 飛往山的另一頭(Fly)
タイトル邦訳・・・たった独り、山へ。
 
一曲3分以内のコンパクトなスケールだけれども、聴きごたえがあり面白い作品です。
特に冒頭のピアノとアコースティックギターが高い音域で絡まっているところなんて、タイトルの「Fly」をまさに体現しているみたい。
 
#3 不在的你們都去了哪裡(White Forest)
タイトル邦訳・・・彼らはどこに消えたの?
アルバムタイトルでもある一曲。
#2のポジティブさや高揚感を残したままおだやかに展開していきます。
しかしながら、中盤(3:00以降)より電子音が入り、穏やかさや命の芽吹きの勢いが徐々に失われていくように感じられます。
私としてはこの電子音は、海や自然に対する人間による開発であり、人間の手で失わされてしまう環境を表しているのではないか、と感じましたがいかがでしょうか(ご意見お待ちしています) 
 
#4 原本是家的地方(Used to be Home)
タイトル邦訳・・・かつて家だった場所
 
チェロ・ヴィオラがメインで進行します。アルバム最長の9分近くあり、メッセージ性の強い大変重いテーマの一曲です。
#1~#3の明るさ、穏やかさから一転、帰る場所を失ってしまった不穏さや重さ、哀しみや怒りが伝わってくるようです。特に2:30からのヴィオラ(バイオリン?)のソロパートは技術的にもすばらしいものがあり、かなり聴きごたえがあります。
後半に展開するにつれどんどん重さ、激しさが展開されていき、聴いているこちらが息苦しくなってしまうくらいです。例えるならそうだなぁ・・・となりのトトロでメイちゃんが行方不明になって全然見つからないあの感じ・・・?を思い出しました。
 
 
#5 游向那片被丟棄的海(Swimming in the Plastic Ocean)
タイトル邦訳・・・プラスチックの海を泳ぐ
前曲の不穏さ、重さを引き継ぎながら、音楽的には変拍子の要素も加わり。海の底にひたすら潜っていくかのようです。
曲の最後、弦楽器隊のクレッシェンドは家を失った生き物たちの声なき鳴き声でしょうか。
 
#6 鯨(Whale Family)
タイトル邦訳・・・鯨の親子
#5の息苦しさから立ち直り、拍子が安定していて、#1のような安心感を感じることができます。サウンド的にも冒頭の明るさをとりもどしていますが、一番目と比較してもたとえばピアノの高音の「ピロリン♪」により、煌めきを感じることができます。更にアコースティックギターがテンポのよいリフを奏でており、曲全体を悲しみも含めた前向きに感じることができます。
ここまでのアルバムの流れを考慮すると、家を失いながらもそれでも命をつないで、たくましく生きる鯨の親子を連想させます。 
 

#7 竹圍小貓(The Stray Cat in Zhuwei)

タイトル邦訳・・・竹圍の子猫

ここまでは海をテーマとしていますが、最後のトラックは猫をテーマにした楽曲。背景を少し説明すると、 竹圍は台湾北部にある港街で、野良猫も住み着いているらしいのです。たとえばこちらのWebサイトでは、野良猫や野良犬を保護する動物病院で働く女性の紹介がされています。竹圍流浪貓守護者-「帕子媽」專訪 | 竹圍工作室家を持たず不安定ではあるけれど、温暖な海沿いの町で穏やかに暮らす猫の一日を描いているのでしょうか。

 

まとめ。
はりきって全曲レビューさせていただきましたが、いかがでしょうか。

私はこのアルバムを聴いて、ますますCicadaが大好きになりました。

台湾の枠をはみ出て世界に羽ばたいていくこと間違いなし、のCicadaですが、ますます魅力的になりながら、温かみのあるサウンドは失わないことを願って、これからの活動を楽しみにしたいと思います!

よろしくお願いいたします(^^)/
 
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