台湾の最も権威ある音楽賞、金曲獎 Golden Melody Awards のノミネートリストが5月16日に発表されました。以来、中華圏のエンターテイメント界隈はこの話題でもちきり。私も台湾好きとして、ノミネートリストや受賞予想などの情報を楽しくチェックしています。
その一方、音楽好きとしてはこうも思うのです。
金曲獎だけではなく、独創性に富んでいて、尖った感性のアーティストもぜひチェックしていただきたい…だって普通にオシャレだし、ワクワクするし、カッコイイから…… と…!
というわけで今回は、最近リリースされた台湾発信の素敵な楽曲や動画をオススメします。
この記事をご覧いただいて、こんな素敵なアーティストが現在の台湾のシーンにいるんだ!と、楽しさを分かち合っていただければ幸いです。
Go Go Machine Orchestra
2017年結成のGo Go Machine Orchestra 。ピアノ・エレキギター・エレクトリックノイズ・パーカッションで構成されるエレクトロニカ性やノイズを活かした音楽グループです。
こちらの動画はチェコのAl Yakubouskaya とコラボレーションしたステージのもの。
VIDEO www.youtube.com
基本フレーズを繰り返しながら音に厚みが増していくいわゆるミニマル・ミュージックスタイル 。少し風変りで、実験的でありながら聴きやすいところが良いですね。ギターの音量ちょっと大きいけど。感受性の豊かなあなたには彼らのやりたいことが伝わるはず。
普通にクールだし、東京だったら渋谷エリアで流行りそう。地方だったら新潟の古町エリアとか、あるいは仙台、京都辺りで人気の出そうな音楽性です。
実験的なのに、聴きやすいです。(大事なことなので2回言いました。)
Facebook:https://www.facebook.com/GoGoMachineOrchestra/
AKNIT
AKNIT 。
まずは2018年4月16日に公開されたばかりのmodern loveをお聴きくださいませ。
最初は
Street Voice という音楽配信サイトのSong of the day(本日の一曲)でおすすめされていたことがきっかけでmodern loveを聴いて。
曲が本当に良いし、なんか日本語うまいなぁ……と思って調べたところ、笛岡俊哉さんという日本のミュージシャンの方のソロプロジェクトということを知りました。
笛岡さんは2002年よりmondialitoというユニットで日本から音楽活動を展開、現在は台湾で活動中。魏如萱 waaweiの1stアルバム 《La Dolce Vita 甜蜜生活》にはプロデューサーとして参加した経歴もお持ちです。
以下、modern loveに込められたメッセージを楽曲紹介より引用します。
「this song is from new first album that will be released.
this album's concept is A.I. . made by A.I. point of view to look back human's world.near future,human and A.I. will be crossing more.we faced to this issue.」
(意訳:この曲はファーストアルバムに収録予定です。 アルバムのコンセプトはA.I.。A.I.の視点で人間の世界を振り返ったものです。近い将来、人類とAIはもっと交わるようになり、私たちはこの課題に直面するでしょう)
引用元:modern love - AKNIT | StreetVoice
優しい響きで覚えやすい歌メロ、アコースティックギターと機械音のようにも聴こえるノイズ音?(これが「A.Iの視点」?)が同居しています。音数は少なめ、というか引き算得意すぎでしょ!? っていうレベルで音数が少ない。それでいてこの繊細な世界観を成立させています。すごい。
なおAKNIT名義としては、現在modern loveのほか、二十四節季をテーマとした楽曲を季節に合わせて目下リリース中だそう。
bandcamp より試聴できますのでぜひ。
緩緩 Huan Huan
緩緩 Huan Huan は2015年より活動中のシューゲイズ・ポストロックのバンドです。
バンド名を冠した「緩緩 」は全編英語詞。「Dying Love」「A waste of time」の二曲入りEPとなっています。英語の発音も綺麗で違和感なく、普通に洋楽として受け入れられる作品です。
では、彼らの自己紹介から、どんなコンセプトの音楽が発信されているのか?チェックしてみましょう~。
眷戀著海洋的溫度, 卻無法適應潮汐的洶湧, 他離開後, 緩緩的生活在失速的列車上。
海のような温もりに 恋焦がれた
でも、潮の満ち引きのような感情には 耐えられなかった
彼がいなくなった後、
失速した列車で、ゆるゆるとした生活を送った
(意訳:Tapioca Milk Records)
文学的。
こういう世界観は内省的でナイーブな性格の方に刺さると思うんですよね。
また音楽性についてですが、一般的に「シューゲイザーのバンド、浮遊感推しがち」なところ、緩緩はしっかりとボーカルを聴かせるスタイル 。歌うまいし。浮遊感というよりも地に足がついてる印象がちょっと異色です。
そして、彼らのFacebookのおすすめアーティスト欄にはexplosions in the sky,sigur rós,mogwaiなどのワールドフェイマスなアーティストが挙げられています。これまでのアーティストに敬意を払ったうえで、やりたいことをやっているところが良いなぁと思いました。
いかがでしょうか
この記事をご覧の皆さんにとって台湾発信の音楽といえば、いわゆる中国語で歌われるポップスのイメージをお持ちでしたか?
しかし21世紀の今となっては、このようにヨーロッパのアーティストとコラボレーションしたアーティスト や、あるいは台湾発信の日本のミュージシャンの作品 、そして洋楽の影響をがっつり受けたアーティスト もいて、音楽文化が本当に豊富な国なのだなぁとひたすら感心しています。
これからは台湾だけでなく、クールなアジアのバンドに出会えたら良いな。そのように思います。
では今日はこのへんで。
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www.tapiocamilkrecords.jp
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