純日本人が台湾人の仕事仲間と付き合うには?失敗談や考え方など参考になる本を紹介!

 

純日本人が台湾人の仕事仲間・上司と付き合うための本紹介アイキャッチ

 

みなさんこんにちはー!中村めぐみ(@Tapitea_Rec)です。この記事では、台湾人の仲間との仕事をはじめたばかりの純日本人が、台湾社会と上手にお付き合いするために役に立つ本を、私の失敗談と絡めてご紹介します。

 

 

この記事が、台湾とビジネスをこれから始めたい方台湾と関わることになったけど、どうしよう…と思う方、そして、台湾人とビジネスを始めたけど、色々とモヤっとするー!という方のお役に立てましたら幸いです。 

 

本の紹介の前に、君、誰よ?

私は会社員兼フリーの越境コンテンツライターです。

 

2019年の4月より、台湾の企業と協力し、台湾の音楽文化やトレンドを日本の方に見てもらうためのコンテンツ作りをお手伝いしています。なので台湾とのビジネスを始めてまだ半年と、まだまだヨチヨチ歩きの身分です。

 

(これまで書いた記事をTwitterのモーメントで紹介しています)

 

台湾の方とビジネスでご一緒するのは、私にとって一つの夢でした。台湾が好きだし、台湾に限定せず、言葉や文化の異なる相手と取引するのに憧れがあったからです。

 

とはいえ、生い立ちに台湾とのルーツがあったり、関わりを持っていたわけではありません。

 

日本の家庭で育ち、日本の学校へ行き、日本の会社で働き、とあるきっかけから台湾企業のお手伝いをするようになりました。

 

ゼロから人間関係を構築し始めたので、台湾社会との考え方の違いに違和感があり

 

「やっぱ仕事で関わるのは無理だった...!台湾は好きだけど、このままだと好きなものが嫌いになってしまう…!(後悔はしてないけど、今後はもうちょっと考えないと)」と思い、友人に愚痴を聞いてもらったこともあります。

 

しかし、「私はフリーランスだから、愚痴を言ったところでコトが進展しない。責任を分かち合う日本人はいないんだ」と思い直し、関連しそうな本やインターネットの記事をたくさん読み、自分なりに発言や考え方を変えることで、気持ちを立て直しました。

 

そのなかでも、とある一冊の本が特に役に立ったので、ご紹介します!

 

その本とは…?

 

失敗のしようがない 華僑の起業ノート(大城太 著/日本実業出版社)

失敗のしようがない華僑の起業ノート 大城太

 

失敗のしようがない 華僑の起業ノート」は、大物華僑のもとでビジネス修行をした著者の大城氏が、「起業」について華僑がどのように考え、どう行動しているかを紹介する本です。全124項にわたり、華僑の考え方や、そのもととなる諺についてわかりやすく、熱量も高く書かれています。

 

タイトルを見て「おや?」と思った方もいると思います。華僑(かきょう)とは、主に「本国の国籍を持ちながら、海外に住む中国人や台湾人」を言います。華僑=必ずしも台湾人、台湾出身者ではありません。

 

しかし、海外に住み、海外社会と関わりながら生きる「華僑」と、仕事上、日本人と関わる台湾人(つまり、海外志向がある台湾人)には、「海外と少なからず縁がある」という点で共通していると私は考えます。

 

他の自己啓発本と被る内容もありますが、「華僑」を切り口に、その背景や考え方を紹介しながら、日本文化とのギャップにも触れられているため、起業にとどまらず、中華圏の方と仕事をする方の役に立つ内容です。

 

実際、この本を読んで、台湾の仕事仲間の「え、それどういう意味?意地悪なの?」のような発言や、イマイチ腑に落ちていなかったけれど、「まあ、そういうもんか」と流していた行動について、謎が解けました。

 

全124項目のうち、特に参考になった項目や、それを読んで、私の考え方がどのように変わったかについて、(著作権侵害にならない程度に)ご紹介しますね!

 

P99 失敗した本人を悪者にしない(相手の面子を大事にする)

メンツ主義の華僑は、失敗した本人を直接責めることはしません。本人を責める代わりに、自分たちから遠く、かつ個人批判にならない「業界の慣習」などを悪に仕立ててその場を収めるのです。

(失敗のしようがない 華僑の起業ノート P99より引用)

 

このページには、華僑の面子文化や、その活かし方について書かれています。

 

私が仕事をする上で、戸惑ったのはこの面子文化に触れた時でした。日本社会にも面子はありますが、中華文化の面子とは全然違います。いまだに「これこれこういうものが面子」という全体像を説明できません。

 

ただ一つだけはっきりしているのは、個人の失敗を面と向かって責めてはいけないということです。このことは、今回ご紹介した本だけではなく、中華の考え方を紹介する多くの書籍で触れられています。

 

このことを知るまで私は、相手が失敗した事実については、そのまま「間違ってるよ~」と指摘していました。責めるというよりも、ただ、「あなたの書いたドキュメント、ここが間違ってるよ」と伝えるくらいのニュアンスです。

 

これまでの経験上、日本人相手だったら「申し訳ございません!こちらのミスです!修正します!」か~ら~の~「いえいえ全然大丈夫ですよ!^^私も時々間違いますから(笑)」のテンプレ会話で終わる話です。

 

しかし同じことを台湾相手にすると、かえってヒートアップし、収拾がつかなくなるんです(涙)

 

え…日本人だったらサクッと謝って終わる話なのになんで逆切れするんだろう……一言すみませんって言ってくれれば終わる話なのに、話が業界の慣習に反れていく……(ドン引き)

 

しかしこの本を読んで、相手の面子を守る言い方を私ができていなかったからと気づきました。

 

今となっては、「間違っていますよ」ではなく、「あれれ~?(名探偵コナンばりの演技力)ここがちょっとおかしいみたい!」と遠回しに伝えることで、場をなんとなく丸く収めるのができるようになりました。

 

※緊急時は別

 

 

P165 ビジネスの話ができるのが「友だち」

『在家靠父母,出外靠朋友』。これ中国の諺です。家にいる間は親に頼る、大人になって外に出たら友だちに頼る。外で頼る友達がいなかったらビジネスも上手くいかない。

(失敗のしようがない 華僑の起業ノート P165より引用)

このページには、華僑社会では、遊ぶのが友だちではなく、ビジネスの話をできる友だちをとにかく大事にすると書かれています。

 

私がここにピンときたのは、『在家靠父母,出外靠朋友』という諺を、台湾の友達から聞いたことがあったからです。本書には中国の諺と書かれていますが、台湾にも伝わるメジャーな諺なんだなと思いました。

 

私はそれまで、台湾の仕事仲間から、

 

「彼は友達なんだ」「彼女と親しいんだ」

と聞いた時、素直に、

 

なるほど~、仲良しなんだな!休みの日とか何をしてるんだろう^^

 

と思っていました。なので反応も薄かったです(雑談程度にとらえていた)

 

しかしここでいう「友だち」とはこういうニュアンスだったんです。

 

「彼(彼女)は友達だからな。(ビジネス上、不利益なことはしないでね!できれば協力してあげてね!!)

 

なので、この本を読んでからというもの、私はこういう風に変わりました。

 

なるほど~!友だちなんだ~~~!!彼/彼女はどんな活動をしてるの?私に力になれそうなことがあったら言ってね!(Facebookで、すかさず名前を検索ポチ―、経歴などチェック、脳内の名簿にインプット)

 

ちょっと面倒なようですが、そんな台湾人から「あなたと私は友達」と言われたら、ビジネス上、結構助けてもらえることになります。逆にこちらが協力するのにも期待されます。

 

それをどうとらえるかは個人の感性ですが、この「友だち」の捉え方の違いを知っているだけでも、心持が変わってくると思うので、紹介致しました^^

 

P23 動き出してからの修正はミスではない

日本人で「修正」という言葉を前向きに受け止める人は少ないのではないでしょうか。...日本人は事前にしっかり計画を立てるがゆえに、動き出してからの修正は計画のミスだと考えるのですね。

(失敗のしようがない 華僑の起業ノート P23より引用)

このページには、キチンと計画を立ててから動き始め、修正するのは悪や計画のミスとみなす日本人に対し、華僑流では動きながら準備を進める、走りながら修正するのは当たり前という内容が書かれています。

 

個人的にめちゃくちゃ腑に落ちたのはこの項目です。

 

というのも、この文化の違いを体験した経験があったからです。

 

以前私は、台湾の会社へとある計画を提案しました。それを仮に「A計画」とします。私は、「A計画」をするなら自分の能力の範囲で、実行できる勝算がありました。台湾の担当者は検討すると言いました。

 

そして数か月後、この計画で承認がもらえたよ!と返答があり喜んだのですが、ふたを開けてみると、「A計画」がアレンジされ、方向性は違わないものの、「A計画+B+C」くらいの修正&大ボリュームになっていたんです!(笑)

 

「マジかよー!!!(心の声)」

 

私はすごーーーく戸惑いました。

 

たしかに、A+B+Cでも、すごーーーく頑張ればできないこともないのですが、内容うんぬんより、計画を変更するなら、承認をもらう前に、事前に相談してほしかった(涙)と思い、

 

「あのさ~~~、予め組んでた計画を変更するならちゃんと相談してよね!」

 

と厳しく当たってしまいました。自分が信頼されていないと感じたのです。

 

でも今なら、計画の修正は当たり前で、更に良い計画になった!というつもりで、連絡をくれたのだと察することができます。

 

 

 

 

まとめ

今回は、台湾人と働きはじめた純日本人の方向けに、考え方の理解に役立つ書籍と、体験談をお伝えしました。

 

私は、台湾とのビジネス最高と思っているわけではありませんが、経験としてやってみる価値があると思います。

 

相手の文化や背景への理解をして、お互いに歩み寄る努力をしたり、気持ちに余裕を持てば、イラっとしたりもやっとしたりする機会も減らせると思いますので、ぜひこういった書籍を参考に、ご自分の行動や考え方に活かしてみるのをおすすめします!

 

本稿では3項目ほどのご紹介になりましたが、「失敗のしようがない 華僑の起業ノート」にはそんなビジネスをうまく行かせるためのヒントが全124項目にわたりつづられています。ご興味のある方はぜひチェックしてみてはいかでしょうか?

 

 

 

 

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