【ライブレポ】君たちは草東沒有派對(no party caodong)がもっともっとスゴいことを知っていますか?(7/13 Same Old, Same Old 2018 Tour in TOKYO)

Text&Photo by Tapioca Milk Records ぐーちゃん
 
 2018年7月13日(金)。台湾のロックバンド草東没有派對(Cǎo dōng méiyǒu pàiduì/no party for caodong)が来日し、彼ら初となる東京公演にて熱気あふれるライブを繰り広げた。チケットは事前にsold outし当日券の発行はなし。2016年リリースの1st albumn《醜奴兒》(Chǒu nú er)収録曲ならびにツアーにてリリースされた楽曲を含め約2時間のステージにて圧倒的な世界観を披露した。
 
 この日は今回の来日ライブ公演を心待ちにしていた日本のオーディエンスのほか、台湾からも多くのファンが詰めかけている様子が伺えた。しかしギターボーカルを務める巫堵(Wū dǔ)からは「今日はMandarin(中国語)がわかるお客さんも多いってことを理解してるけど、できるだけ英語か、日本語で話すようにするよ」との発言(英語)もあり、この日のために練習してきたと思わしき日本語で簡単なMCを披露するなどファンとのあたたかい交流も見られ会場を沸かせた。最後にアンコールにて彼らのリード・タイトル「山海」ならびに新曲を披露すると、会場は熱気と喝采に包まれたまま幕を閉じた。(文:Tapioca Milk Records)
   
…と従来の音楽メディアのような切り口で書くのは非常に簡単な話なんですけどね。
 
 
"Same Old, Same Old" 2018 Tour in TOKYO
13th July,2018
 

 
こんにちはーTapioca Milk Recordsです。いつもお世話になってます。
 
おかげさまで最近はアジアのアーティストにロングインタビューに応じていただいたり、フェスレポートを宇宙人さんの日本公式facebookにてシェアいただいたりするなどこれまでより多くの方にお読みいただける機会も増えた当媒体。
 
ここで正直に告白するが、最初は編集長のただの雑記ブログとしてはじまりました。
 
 
こちらは最初に書いた記事。文章量はたった5行、200文字。小学生の夏休みの日記かと思うくらい短い。しかも内容は「facebookこわいからやめてブログに来ました」という身も蓋もない愚痴である。この小娘、本当コミュ障にもほどがありますねぇ…。やれやれ。
(その後facebookは復活し今ではタピレコのファンページも運営できるようになった。)
 
というわけで今日は初心に戻り個人の感想や主観にかなり寄ったものを書かせていただきます。
 
 
7月13日(金)、渋谷WWWでの草東沒有派對のライブパフォーマンスを見て彼らに魅了された皆さんにお伝えしたいことがある。
 
ハッキリ言おう。草東没有派對はもっとスゴい。
 
先におことわりしておくが、これは「文句」ではないし、あるいは「ファン歴が長いことを活かしたマウントポジションを取った感想」でもない。
 
ただ私が体験した事実に基づくものだ。
 
たしかに昨日の草東没有派對は良かった。
日本のライブハウスへの出演ということで何かと不慣れな点もあっただろうが、特にインターバルを置いたあとの後半からは外音も安定し、ライブのクォリティは加速度的に上がっていったと感じた。
 

アルバムリリースされている曲ばかりでなく、筑筑(Zhù zhù)がメインボーカルを取る「白日夢」(Bái rì mèng)は琴線に触れるものがあったし、

 
 
またアンコールの「山海」(Shānhǎi)では会場全体を巻き込むほど、そして個人的には我を忘れるほどの世界観を見せてくれた。 この過程を日本のライブハウスで目撃できたこと自体が稀有な体験と言えるだろう。
 
 
一方で、私はこれまでに台北Legacyならびに高雄WAREHOUSEでのライブ公演を見たことがあるが…そこで見たものは昨日のステージをはるかに凌駕する凄まじい音楽体験だった。それらは具体的にどのようなものだったかというと…
 
まずは一音目から鳥肌の立つ草東没有派對タイム
そこから二時間ずっと草東没有派對タイム
音楽を通して徐々に濃くなっていく闇、衝動、カオスにオーディエンスの内面をも巻き込み会場には"草東没有派對の世界観"以外のものが入る余地は無い
 
次はどうなる?どう展開していく?と迫力に身を任せているとあっという間にライブが終わっている。
さいしょからさいごまで狂おしいほどのカオスにその場の全員を閉じ込る才能があり、その中心がたった4人の若者…それが草東沒有派對の底力と感じている。
 
またMCの分量は基本的に少なめでファンサの味付けは塩味が引き立っているところも特徴のひとつと言えるだろう。今年の高雄公演で実際に見た風景だが、巫堵はアンコールで巻き起こる恒例の情歌コールに対して「不要(ブーヤオ)w」と応えて会場を笑わせていたからね。そういうとこも、めちゃくちゃ好きです
 
それほどに「草東沒有派對」は圧倒的に音楽で語ることのできるバンドということをお伝えしたい。
 
だから、昨日のライブ公演では彼らの魅力や底力はまだ半分も伝わりきっていない。草東沒有派對は、もっと凄い。
 
でも仕方のない話だ。昨日のステージは京都に続き日本公演としては第2回目。本来人柄の良さそうな彼らのことだから、日本のお客さんに少しでもサービスしようと色々と考えてくれたんだろうな。ファンサにステ振りすると、音楽に100%集中できないのは当然のことである。だって彼らはアーティストなのだから。
 
今回彼らの公演を目撃した方も、残念ながら見逃してしまった方もある意味幸運と言えるだろう。次の来日ライブではもっと場慣れした彼らの凄まじいパフォーマンスを見られるだろうから。
 
さて彼らの今後の日本における活動だが、8月18日(土)にSUMMER SONIC billboart stageへの出演が決定している。昨日のパフォーマンスを見て草東沒有派對に衝撃を受けた皆さんは、ぜひライブに通い続けることをおすすめしたい。だって、もっとスゲェから。
  
さいごに、ここまで約2000文字を使っていろいろと感想を述べたものの、筆者自身はしっかりと演奏に没頭し、全力で楽しませていただいたことを付け加えさせていただく。
 
フロアで頭を振りすぎたものだから、現在日本の黒松沙士*ことサロンパスを首に貼りながらこの原稿を書いている。
 
 
では再見。