知ってるようで知らないTPP
2015年にTPPが大筋合意に至り、先日のG20首脳宣言では安倍首相がTPPについて力強い発言をされていました。
そして、私もちょうど最近、JETROアジア研究所によるTPP分析レポートを読もうと思ったところ、基礎知識が無さ過ぎて何が書いてあるかほぼわからず困っていました。
そこで、まずは図書館でTPPに関連する本を借り、まとめて読みましたので、備忘録がてら一言感想を記します~。
私自身の読む前の知識としては「なんか関税撤廃されて・農業がやばいらしい」程度の知識しかありませんでしたので、かなり低いレベルの感想であることをおことわりしておきます(*‘∀‘)
1.TPP亡国論/中野剛志著
・TPP超反対・大反対派
・TPP交渉よりもデフレ脱却が優先でしょ~みたいな経済論もたくさん含まれていて参考になる
・TPP交渉参加国のGDPを合計すると日本アメリカで9割、中国も韓国も参加を表明していない(知らなかった)
・輸入品に頼りすぎた場合、異常気象の際の食糧確保が難しくなるよ!というのが色々タイムリーだった
2.TPP参加なんて怖くない!食糧危機なんか任してくれ-提案食糧自衛隊の創設私案/伊東春海 著
・TPP賛成でも反対でもない気がする。日本と世界における一次産業のお話。
・前半はほぼ引用で、数字が多くてちょっと心折れた
・本題の「食糧自衛隊の創設」は大胆でユニークな発想でありながら、その根拠には精神論も多く含まれており、内容としてはやや浅いと思った
・しかし「食料を輸入するということは、他国の資源も輸入しているということ」みたいな新しい切り口も得られて良かった。なので資料集として良いかも
3.恐るべきTPPの正体/浜田和幸 著
・「TPPには24の作業部会がある」(知らなかった)
・TPP議論に対し、幅広い問題提起。また1と比較し、メリットも述べつつデメリットにも触れられている
・関税撤廃の部分のみならず、サービス業や医療にも触れられているのが良い
・国内のみならず各国の反対派の意見や動きもまとめられている
・反対派入門書としては良いかもしれない
恐るべきTPPの正体 アメリカの陰謀を暴く<恐るべきTPPの正体 アメリカの陰謀を暴く>
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4.アベノミクスとTPPが創る日本/浜田宏一 著
・TPP賛成派(内閣官房参与を務めた方)の先生。読みやすかった
・前半はアベノミクスについて、後半でTPPについて触れている
・反対派から良く取りざたされる問題点に対して丁寧な否定
・特に3の恐るべきTPPの正体~で指摘されたいくつかの問題について、しっかりした根拠を以ってあっさり否定されてたのは良かった
・たしかにさー、農業に対して過保護にするんじゃなくて、農業自体を魅力的な産業にするように知恵を絞らなきゃだよねー。
まとめ
ここまで4冊を一気読みしてみて、大変個人的なことなのですが、TPPがどう・・・っていうニュースを見た時に、なんとなく心の底から湧き上がってくる気持ち悪さ?おそれ?みたいなものが解消されて良かったです。また賛成派・反対派・どちらでも無い派の著作を読んだので、どちらかに偏ることなく知識を得られたことにも満足しています。
これで安心してJETROのレポートにジャンプできそうです。
TPPを取り巻く環境は日々、と言わずとも数ヶ月単位で変わっているものと思います。あ、ちょっと失敗したかなーと思ったのは、今回読んだ本は2011~2013年末に出版されたものということです。次に読むとしたら、最近出版されたものを読みたいなぁと思います(*´ω`)