3年前の今ごろ、会社を辞め、台湾に約2週間滞在しました。台北Revolver、Wakeup Festival、高雄WAREHOUSEなどはじめて訪れる場所に行って、はじめて会う人とたくさん話し、はじめての記事をたくさん書いて、ドラマみたいな2週間を過ごしました。
「台湾の音楽について、もっと世の中に広めたら、面白いことになるだろう」
そんな確信だけが、灯っていました。とはいえ、音楽活動を中途半端に終わらせてきた私に人脈や実績はなく(笑)。頼りにできるのは、「センス」だけでした。
誰と会い、何を話すか、何を書いて伝えるか、といった意思決定を、短い時間の中で、その場でし続けることは、それまで経験がありませんでした。
自分の頭で企画を考え、判断して、効果を測定し、次に生かす。ただそれだけのことなのに、こんなに難しいとは…。
でも、ここで経験したことは、確実に人生を前に進ませてくれました。
不器用でもいったん自己ベストを尽くすこと、一人ひとりと話すこと、センスに最後まで賭けること、どんな結果が来ても逃げないこと。
タピオカミルクレコードのスタンスは、あの台湾での時間を経て、カタチになったような気がします。機能としての不器用さを受け入れてくれる周囲に感謝をしながら。
「本当の自分で生きる」ってなんだろう、とよく思います。
やりたいことを我慢しても人生は続くし、好きなものを好きと言わなくてもやっていけるし、本音を言わなくても人間関係を築くことは一定可能です。
むしろその方が穏やかで、波風が立たないかもしれない。
さみしいときも辛いときも、安定してニコニコしていたほうが。。。
でも…。。。だけど。。。
でもやっぱり言っておいた方がいいんじゃないか。
いやでも行動を起こしたら気まずくなるんじゃないか…
でも、たとえ気まずくても、これだけはやっておいたほうがいいんじゃないか。
そう思いながら、企画や記事を書き続けてきました。
3年前の今ごろ、思っていたことや感じたことは殆ど、事実としてアウトプットし、伏線をあらかた回収し尽くしたと思っています。
一方で、本当に大事なことは、まだ何も伝えられていないような気がします。
お元気ですか?
私はずっと、あの時の共感と、少しの痛みの中で、生きています。