台湾にて大人気のインディーズロックバンド、Mary See the Future(先知瑪莉/xiānzhīmǎlì)が5月11日(金)にアジア巡回ツアー「梅雨季」として来日公演を行う。
彼らの来日公演は2010年の「沖縄国際音楽祭」以来約8年ぶり。今回は日本の流行発信地である東京、新宿のライブハウスへの進出だ。
これまで台湾の最大の音楽賞である「金曲奬(Golden Melody Awards)」にノミネートされた実績もあり、数々のライブや国内外のイベントへの出演をこなし、
台湾インディーズシーンを実力で牽引してきた彼ら。
6月に台湾の首都台北で行われるワンマンライブは発売後わずか数日でsold outとの情報も有り、シーンの枠を飛び越えてメジャー級の人気を誇っている。
彼らの流行に左右されず、多くのファンに愛され続ける音楽性は明らかに「本物」で
一曲一曲が「特別」。言葉の壁をいとも簡単に溶かしていく魅力がある。
そんなMary See the Futureの来日公演と聞いたら、もうとまらない!?私たちタピレコ編集部。
「彼らは何を考え、どんな人物なのか…どうして日本に来てくれるのだろうか?
そして…どういうキャラクター!?」
すごく気になる…!
ということで…
「私たちは、Mary See the Futureをもっともっっと知りたい!
そして日本のたくさんの人たちに知って欲しいんです!」
と、突発的にメールインタビューを申し込んだところ、なんとお答えいただけた!ので、みなさんにご紹介させていただきます!!
Interviewee:Mary See the Future
【メンバー】(画像左より)
Josh (Josh Ba) Vocalist / Guitarist / Producer
Roger (Roger Hsu) Guitarist
Fish (Fish Liu) / Bassist
Eric (Eric Fang) / Drummer
2007年結成、台湾を代表するインディーズロックバンド。代表曲は「Cheer」「Hellow」「The Loner」等。楽曲ごとに彩り豊かな表情を見せるロックサウンドが台湾国内を中心に高い支持と評価を受ける。Facebookのイイネ数は現在5万件以上にもおよぶ。
LIVE INFORMATION
「Start Trip Trip 梅雨季 -追憶の約束に擊て、雨の魔法を-」
2018年5月11日(金) 18:30開場 / 19:00開演
会場:東京 新宿 Marz
出演:Mary See the Future(台湾)/ She Her Her Hers
前売りチケット:¥3,000- イープラスより購入可能
当日チケット :¥3,500-
ーーこのたびは、来日公演を開催してくださりありがとうございます!日本でMary See the Futureのライブを観られるのがとても嬉しいです。さて日本でのライブ出演は、前回から約8年ぶりですよね。今回アジアツアーの開催地のひとつとして、東京を選んだ理由をお聞かせいただけますか?
Mary See the Future(以下、MSF):数年前に「沖縄国際音楽祭」に参加させてもらって、それから機会があったら日本でまたライブをしたいと思っていたんです。
私たち世代の台湾人は、子供の頃から常にたくさん日本の音楽を聴いて育つので、東京に行って、東京の舞台に自ら立ってライブをしたいと思うのはある意味当然なんですよ。それに加えて「Joshの歌声は日本語で歌うのにとても相応しい」とFishは思っていたんです。
--なるほど。素晴らしい詞を手掛けるFishさんならではの視点ですね!Fishさんが詞の創作をはじめたきっかけは何だったのですか?
Fish: 高校時代に思いついたフレーズを書き始めました。当時は「歌詞」という形にしようとは思わなくて、ただ自分で書いた文字や、フレーズを読むのが好きでした。こういう始まりから少しずつ歌詞に変化していくことになり、今思い返せば結構面白いものですね。
ーー「言葉」を綴る喜びを感じた原体験が、現在の活動に繋がっているのですね。ちなみに、最近の愛読書がありましたら教えてください!
Fish :最近読んでいる本は「銃・病原菌・鉄 - ジャレド・ダイアモンドによる本」で、ブックフェアでかなり安い値段で購入した本なんです。とてもいい本で、深く考えさせられます。
ーー「なぜ西欧人が人類の発展において優勢だったのか?」というテーマについて書かれた本ですね。日本語にも翻訳されていて、難しいテーマを興味深く掘りさげられていると評判なんですよ。次に、Joshさんにお聞きします。フロントマンとしてステージに立つときに心がけていることはなんですか?
Josh:主に心がけていることは音についてのことですね。僕は普段自分たちの楽曲を聴いていないので、「音源の枠」というものに深くとらわれていないのです。
ーー「自分たちの音源をあまり聴いていない」とは、少し意外です。
Josh:「ライブ」とひとことで言っても、シチュエーションはそれぞれ異なりますよね。そのシチュエーションの違いから得られるさまざまなインプットやあるいは心と体の状況さえもが僕自身の曲に対するイメージを変えるんです。
ーーつまり「音源を忠実に再現すること」よりもライブごとに得られる感覚をリアルタイムで反映することを重視しているんですね。
Josh:音楽の聴き手が演奏を聴きながら自分自身の世界にも没頭していくように、パフォーマー自身もライブに夢中になることでその都度異なる喜びが自然と発生するんですよ。
ーーそれではRogerさん、ギタリストとして愛用の機材を教えて下さい!
Roger:今使っているエフェクターはLine 6 Helix LTで、よく使うアンプはMesa Boogie Mark V 25です。2015年に20,000台湾元※かけてFender Deluxe Lonestar Stratocaster※を一本買いました。でも、それからも次々とお金をかけて、ギターのパーツとピックアップを変更しました。
もともとあった木のボディー部分以外は全部変えたんです。
※20,000台湾元=日本円で約73,500円(4月11日時点のレートに基づく)
※Fender Deluxe Lonestar Stratocaster フェンダー社のギター。
2018年4月現在の日本国内市中価格は10万円前後。
ーーかなりこだわっておられる。
Roger:これが今では唯一、しっかりと把握できるギターなんですよ。
ただ、実際「愛用している周辺機材」は特にないんです。というのも僕のプレイスタイルっていうのはギターとアンプの反響するダイナミックレンジを頼りにしているんです。このプレイスタイルによって、ステージ上で自分も思いつきもしなかったリフや音色ができますし、僕はこの感覚が好きなんです。
ーーJoshさんのスタイルと共通するところがあるんですね。Ericさん、ライブ中、ギター・ボーカル・ベースの3人は前に出ますが、自分も前に出たい!と思いますか?
Eric :僕は内気な性格で、舞台の後ろの方にいるのが結構向いているんだと思います。
ーーありがとうございます。皆さんのキャラクターがとても伝わってきて、親近感が湧きました!それから、私たちが一番気になること…「Mary See the Futureが音楽を通して本当に伝えたいメッセージ」を教えていただけますか?
Fish :心残りはあっても、後悔に溺れないで。
Roger: 一人きりで未知と立ち向かうことはもうしないで。音楽はいつもそばにいてくれる。
ーー今回の来日公演に向けて、ぜひ日本のリスナーにチェックしてほしいYoutube動画を教えてください。
MSF:もちろん、私たちのYoutube Channelを全部ご覧になってください!
ーーはい、これはもうマストチェックですね!ちなみに今回のライブでは「梅雨季」ツアー限定のEP「You Will Know」を発売するとのことですが、「これまでに発売された音源」の中で、おすすめのアルバムやシングルを教えてください!
Fish:僕たちを初めて知るリスナーさんには「My Fake True Love」っていうフルアルバム、あとシングルの「Hellow」と「星夜裡的人(The Loner)」をおすすめします。
編集部:公式Youtube channelよりFishが挙げてくれた2曲を引用します。
Hellow…男らしさあふれるザ・ロック。
星夜裡的人…繊細な心情描写にうっとり。
彼らの音楽性の幅広さをお楽しみください!
ーー日本ではMary See the Futureのアルバムを購入できるところはまだまだ少ないですから、物販も絶対見逃せませんね!
さて、ここからは音楽以外についてもお聞きしますね。実は最近、多くの日本人が台湾旅行に行っていて、先日発表されたJATA(日本旅行業界)の統計によると「ゴールデンウィークの海外旅行先人気ランキング1位」も台湾なんです。よろしければ、皆さんのこだわりの「観光スポット」や「おすすめのレストラン」を教えてください!
参考URL:GWは沖縄、台湾が人気トップ JATAの旅行動向調査 | 旅行業:本紙 | トラベルニュースat
Roger :個人的にはマリンスポーツが好きです。台湾の東部にはとてもきれいな海岸線があって、そこでしばらくぼーっとすると過去も整理されて、乱れた生活ペースが整えられますよ。
普段時間があればいつも夜明けに宜蘭(ぎらん/ Yílán)の蜜月灣(みつげつわん/ Mìyuè wān)でサーフィンしたりしています。
参考URL:2018年 大溪蜜月灣へ行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー
ーー蜜月湾、本当にキレイですね……!こんなキレイな風景を見てゆっくり過ごしたら、開放的な気持ちに浸れそうです。
Roger: 現在宜蘭の各地と往復する交通はまあまあ便利で、道はそんなに遠くはないんですよ。あるいは東部幹線(とうぶかんせん/ Dōngbù Gànxiàn)の電車に乗って、一気に花蓮や台東の方に行くのもおすすめです。
ーーグルメ方面ではいかがでしょうか?
Fish:寧夏夜市(ニンシャー・イエスー/ Níngxià yèshì)に馥陽ボウギョウ(棒餃子)を食べに行く日本の方は、ぜひニンニクソースをお試しください!
ボウギョウ(棒餃子)をこのソースをつけて食べると超うまいんですよ!
参考URL:「馥陽鍋貼・水餃専売店」http://4travel.jp/overseas/area/asia/taiwan/taipei/restaurant/10387798/
ーー寧夏夜市は台北市内ですし、アクセスも便利ですね!ほかにおすすめのスポットはありますか?
Eric:うちの故郷の風景はめっちゃきれいなんです。いつかAirbnb向けに改造すれば、宿泊できるようにもなりますよ。
ーーええっ!?ゆくゆくはEricさんのご自宅に宿泊できるようにもなるということですか!?もしそうなったら我々にも教えてくださいね。ちなみに、最近愛用している身の回りのグッズはありますか?
Roger :コンバースのスニーカーです。一番好きな色は赤と黒の二つ。一番古くて汚い状態まで履きこんだ靴が好きです。その靴で歩んできたところを思い出させてくれます。
Fish:この一年間はライブ以外あんまりお酒を飲まないんだけど、
たまに何か飲む時はキリン一番搾り、最高*!
(編集注:最高は元から日本語で書いてありました。)
Eric:雪肌精 (コーセー)の洗顔クリームめっちゃいい!
ーーそれでは最後に、日本のファンへ一言ずつコメントをお願いします!
Roger:日本は音楽文化がとても豊かな国です。
違う言葉で話していても、私たちはライブを通してみんなと交流することを楽しみにしています。その一つひとつの反応が心に大切にしまわれるでしょう。とても得難いものです。
Fish:これまで、長年のライブにわたって、しばしば日本から来てくれたファンの方もいました。わざわざ日本から足を運んできてくれて苦労をかけました。ありがとうございます。今回は私たちが行く番です!東京のライブがすごく楽しみです!
Eric:音楽で言葉の壁を越えて日本の方々と交流したいんです。
ーーたくさんのご質問にお答えいただき、本当にありがとうございました!
さて、ここでお知らせです。
冒頭でもお伝えしましたが、こんな素敵な台湾のロックバンド
Mary See the Futureが5月11日(金)に新宿にてライブを行います。
LIVE INFORMATION
「Start Trip Trip 梅雨季 -追憶の約束に擊て、雨の魔法を-」
2018年5月11日(金) 18:30開場 / 19:00開演
会場:東京 新宿 Marz
出演:Mary See the Future(台湾)/ She Her Her Hers
前売りチケット:¥3,000- イープラスより購入可能
当日チケット :¥3,500-
彼らが語ってくれた通り、Mary See the Futureのライブは音源にとらわれないスタイルが魅力のひとつ。
また、今回翻訳協力をしてくれた台湾在住のカリンさんによれば
「Maryのライブは音源と大きく違って、アレンジ次第では全く別のものに聞こえる」
とか…!?
この貴重な機会を見逃すわけにはいきません!!
本格ロックサウンドがお好きな方、台湾がお好きな方!
チケットもお値打ちの価格ですし、
ぜひ今すぐ前売り券の購入をオススメしまーす!
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【編集後記】
ここで正直に告白すると、我々はこの企画を発案した時
彼らに受け入れてもらえる自信が無かった。
というより、お返事を頂けるかどうかの確信もなかった。
だって、Mary See the Futureは台湾のインディーズ界では知らない人がいないくらいのアーティスト。
一方我々は、やっと「メディア」として一歩を踏み出したばかりの存在だったから。
今回お聞きした質問は基本的なことばかりで、奇をてらったものではない。
以前からのファンや、台湾のファンにとっては当たり前の質問ばかりかもしれない。
それでも、これから彼らのことを知る日本人にとって、「そういえば2018年に台湾のバンドが日本に来たよね」だけで終わらないように…次回につながりますように。という想いを込めて、厳選した質問だ。
これらに最大のサービス精神をもって答えてくれた彼らへ感謝の気持ちを示したい。
本当にありがとうございました!!
2018年5月11日。
Mary See the Futureの音楽を全身で受け止められるのが待ちきれない。
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