渋谷に台湾の音楽シーンを率いる3アーティストが集結!2018 TAIWAN BEATS

f:id:guguco:20180822155247j:plain

TEXT By Megumi.N

Photo on stage by  Viola Kam (V'z Twinkle) 

 

みなさんこんにちはー!Tapioca Milk Recordsです。

 

今回は2018年8月20日(月)に開催された台湾音楽好きのための音楽イベント「TAIWAN BEATS」の様子をNHKさんよりちょっとだけ詳しく!(笑)お届けします!

 

「TAIWAN BEATS」って何?

「TAIWAN BEATS」は2014年よりはじまった台湾のカルチャーを体感できるフェス「TAIWANDERFUL」をリニューアルした音楽イベントです!

 

これまでには台湾を代表するアーティストであるCHTHONIC、APHASIA、Elephant Gym、Sorry Youthらが出演。まさに「リアルタイムの台湾ミュージックシーン」が体感できるイベントと言えるでしょう!

 

イベント公式サイト:Taiwan Beats 台ワンダフル

 

さて、リニューアル後初開催となる今年も台湾国内にて高い人気を誇る落日飛車 Sunset Rollercoaster滅火器 Fire EX.盧廣仲 Crowd luの豪華3アーティストがそろいぶみっ!およそ500人もの台湾音楽ファンを前に個性があふれるステージを披露しました。

 

しかも~~!?な、なんとこのイベント。これほどの豪華アーティストが出演しながら、なんと無料ライブだったのですよ…!!!

 

この情報をいち早く聞きつけた台湾音楽好きリスナーにより、チケットの事前予約枠は瞬く間に埋まり、各種SNSからは惜しくも見逃した方による「もっと早く知りたかった~!!!」との悲鳴も聞こえてくるほど。

 

さらに当日はNHKさんの取材も入り、改めて台湾カルチャーへの注目度・関心が年々高まっていることを実感致しましたっ!

 

このイベントの様子をViola Kam (V'z Twinkle)さんのステージフォトとともにレポートしていきます!それでは本編へ。

 

 

 

 

 

2018 TAIWAN BEATS at Shibuya WWWX

 

f:id:guguco:20180822191602j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

2018年8月20日。 東京都内には暑さが戻り蒸し暑い一日となったこの日、渋谷WWWXにて「TAIWAN BEATS」が開催されました。

 

会場周辺にはオープンの1時間ほど前からイベントへのお客さんと思われる姿もちらほらと見られ、会場前で写真を撮影するなどこの日を楽しみにしていた様子も伺えます。

 

まずはせっかくなので物販の様子を眺めてみましょう!

 

台湾ならではの物販も!これは見逃せない!!

f:id:guguco:20180822081857p:plain

(著者撮影)

 

こちらはSunset Rollercoasterの物販コーナーです。

これまでにリリースされたアルバムのほか、今後来日ライブが予定されている台湾のバンド「森林 Forests」や「雀斑 Freckles」の情報が記載されているフライヤーなども設置されています。台湾アーティストの貴重な来日情報がフォローできるのもこういったイベントならでは!

 

 

f:id:guguco:20180822082255p:plain

(著者撮影)

 

Fire EX.の物販コーナー。

写真右側に見えるのは西日本豪雨災害の募金箱です。この募金箱は8月6日、7日に行われた広島公演の際、実際に被災地を訪れたメンバーが自ら設置を決めたものとのこと。

 

Fire EX.公式Twitterによれば65,000円あまりもの募金が集まったとの報告もあり。台湾と日本を繋ぐ友情に感謝いたします!

 

f:id:guguco:20180822083412p:plain

(著者撮影)

 

台湾の「太子玩具廠」による物販コーナー。写真右手前に見えるのは台湾の伝統的な民間芸能「布袋劇(プータイシー)」の人形です。

 

f:id:guguco:20180822083013p:plain

(著者撮影)

 

布袋劇といえば最近では日台合同映像企画「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」が2016年にTV放送されたことが記憶に新しいことでしょうか。なおThunderbolt Fantasy 東離劍遊紀は2018年10月よりTVシリーズ2期が放送されるとの情報もあり、こちらもマストチェックですね!

 

さて物販を一通り観察したところで開演時間が近づいてきました。ここからはお待ちかねのステージの様子をお届けしていきましょう!

 

技巧と哀愁、Sunset Rollercoaster

f:id:guguco:20180821190356j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

「みなさんこんにちは、私たちはSunset Rollercoaster。よろしく…ありがとうございます!レッツゴー!」

 

トップを飾ったのはAOR(Adult-oriented Rock)と呼ばれるSunset Rollercoaster。ボーカル國國がオーディエンスへ日本語で挨拶すると、早くも歓声と拍手が飛び交いました。

 

f:id:guguco:20180821192645j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

この日は最新アルバム「Cassa Nova」収録曲の「Almost Mature」からスタートし、新旧のアルバムから8曲を披露。細部まで整え抜かれた演奏に会場は感嘆のため息に包まれます。

 

f:id:guguco:20180821191648j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

ステージを観ていて思ったのですが…ちょっとひねくれた話をするけれど、Sunset Rollercoasterの良さってすぐに理解できる類のものではないのかもしれません。

 

たとえば飴細工を見たときにまずは「わ~スゴイ!精巧~!」って思うじゃないですか。でも本当の凄さって職人さんがじっくり観察してこそわかるという類のもので。

 

Sunset Rollercoasterの紡ぐ美しさや悲哀は、頭で理解する前に観ているこちら側の心に伝わってくるものがあり、そして細部を観察しはじめたときに、改めて完成度の高さに驚かされます。そして、そういった緻密さにこそ、音楽的な美しさが宿ると思うのです!

 

今回のイベントをきっかけに、この魅力がより多くの日本の音楽好きのリスナーの心に届くことでしょう。

 

f:id:guguco:20180821192802j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

  

- SET LIST -

1. Almost Mature
2. Burgundy Red
3. Greedy
4. Summum Bonum
5. New Drug
6. Slow
7. My Jinji
8. I Know You Know

 

Cassa Nova

Cassa Nova

  • 落日飛車
  • ロック
  • ¥1500

 

Fire EX.の徹底された仕事ぶりに感動

f:id:guguco:20180821191817j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

続いては台湾のパンクシーンを代表するFire EX.が登場。

 

演奏開始前のSEにはGive&Take(Netskyをチョイスし雰囲気をガッツリ盛り上げ、そのまま冒頭から「基隆路」「Don't You Fight」などの人気曲を次々と投入。フロアの熱量を着実に上げていき、ライブバンドとしての存在感を感じさせるものとなりました

 

また「残像モーション」ではゲストとしてHUSKING BEEの磯部正文氏が登場。熱いコラボレーションとなり日本の音楽ファン(つまり私)も大喜びです!

 

f:id:guguco:20180821191844j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

台湾音楽シーンの中でもとりわけ日本のミュージシャンとの交流も深く、日本への愛情を見せてくれるFire EX.。ステージ中盤ではより深い想いを伝えたい!と、通訳を介してMCを披露する場面も。せっかくなので全文を書き起こしお伝えいたします。

 

「毎回の日本公演ではいつも緊張していて…でも今は緊張しなくなりました。知ってる顔も増えてきています。お会いできて本当に嬉しいです。ここ数年間、日本でのライブも増えてきています。友達もたくさん、できています。」

 

f:id:guguco:20180821192135j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

「ミュージシャンにとって一番幸せなのは、歌っているときに聞いてくれる人がいることです。皆様が楽しんでくれていることに気付けたら、私たちも、もっと幸せになります。いつもサポートしてくれて、受け止めてくれている日本、ありがとうございます。ここにいるととっても楽しいです。」

 

f:id:guguco:20180821192053j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

こないだ、広島で西日本豪雨災害の状況をたくさん見てきました。今回は台湾から少しばかりのお金(寄付)を持ってきていますが、今日私たちの物販スペースにも募金箱を設置させていただきました。

 

今日のチケットも無料ですので、もしよろしければお帰りの際に少しだけでも募金をいただけたら助かります!お願いします。日本と台湾の間のこういう感情が好きで、これからもずっと頑張っていきます。

 

f:id:guguco:20180821192237j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

演奏はもちろんのこと、ここまで徹底してメッセージを伝える誠実さに大いに感動しました。

 

f:id:guguco:20180821192427j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

終盤では2014年のひまわり学生運動のアンセムソングとなった「島嶼天光(この島の夜明け)」そしてラストには故郷への想いを紡ぐ「長途夜車(夜行バス)」を披露。今日まで一歩一歩着実に歩んできたFire EX.の熱さと強さが伝わるステージとなりました。

 

f:id:guguco:20180821191942j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

  

- SET LIST -

1.基隆路
2.Don't You Fight
3.Pass Away
4.Keep On Going
5.残像モーション(ゲスト:HUSKING BEE 磯部正文氏)
6.南國的風
7.憂愁戀歌
8.島嶼天光(この島の夜明け)
9.長途夜車

 

REBORN

REBORN

  • 滅火器
  • ロック
  • ¥1800

  

Crowd Luの天真爛漫さにするすると巻き込まれていく

f:id:guguco:20180822085920j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

「1、2、3で一緒に笑お?」

 

ラストを飾ったのは中華圏にて絶大な人気を誇るCrowd Lu。1曲目「再見勾勾」ならびに2曲目「別在我睡著的時候打電話給我」はジャズ風のアレンジも加えられ、実験的でありながらのびのびとしたステージを披露しました。

 

f:id:guguco:20180822090002j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

 

その後のMCでは「みんな、今日、笑った?」「じゃあ、1、2、3で一緒に笑お?」と呼びかける場面も。この天真爛漫さにフロア全体が暖かな笑顔に包まれました。

 

f:id:guguco:20180822090024j:plain

Photo by  Viola Kam (V'z Twinkle)

   

このまま「你是我的水」「只有夜來香」をしっとりと歌い上げ、また今年のGolden Melody Awardsの「年度歌曲獎(ベストソング賞)」 ならびに「最佳作曲人獎(最優秀作曲賞)」 を受賞した「魚仔」ではファン有志により配布された応援グッズも活躍。

 

f:id:guguco:20180821135702p:plain

(魚仔うちわ。著者撮影)

 

改めて中華エンタメファンからの熱い支持を感じる空間となりました。

 

その後「我愛你」「口水流下來」「Oh Yeah!!」をたっぷりと披露。そして最後にアンコールで「慢靈魂」で締めると会場は大きな喝采に包まれました。

 

f:id:guguco:20180822090138j:plain

Photo by Viola Kam (V'z Twinkle)

  

さてCrowd Luの今後の予定ですが、11月のワンマン公演がsold outしたことを受け追加公演の開催が発表されたばかり。日本における中華エンタメシーンを牽引する活躍ぶりに大いに期待が高まりますっ!

 

- SET LIST -

1.再見勾勾
2.別在我睡著的時候打電話給我
3.你是我的水
4.只有夜來香
5.魚仔
6.我愛你
7.口水流下來
8.Oh Yeah !!!
-Encole- 慢靈魂

 

魚仔 - Single

魚仔 - Single

  • クラウド・ルー
  • マンドポップ
  • ¥200

 

いかがでしょうか。

さてここまでとても充実した3時間の様子をお伝えしました。

今回出演した3組はそれぞれ違った個性があり、台湾という国の音楽シーンの懐の深さを改めて実感致しました! 

 

これを機にシーンを牽引するアーティストの活躍の幅が広がるのはもちろんのこと、「日本や欧米ではめったにお目にかかれない音楽性」を持った若手アーティストもどんどん日本に伝わってくると良いなぁと思うし、当サイトでもたくさんプッシュしていきますっ!

 

それでは、再見!

 

 

 

▼おすすめ記事:タピレコが台湾の音楽の現場に潜入!?大好評連載です。

【現地潜入レポート】台湾ロック VS 私の3万円♪ vol.1 -両替と冒険とオシャレと

 

▼おすすめ記事:おすすめ台湾バンド、No Party For Cao Dongインタビュー

ただ好きな人を探す冒険ーサマーソニック出演。No Party For Cao Dong(草東沒有派對)インタビュー!

 

▼おすすめ記事:大手メディアが(それほど)取り上げない台湾インディーズアーティストおすすめ10選。

台湾現地のリスナーさんとセレクト★おすすめ台湾インディーズ音楽10選。