こんにちは!Tapioca Milk Recordsです。「台湾のインディーズ音楽が気になるけれど、どこから聴けば良いかわからない」「だから詳しい人のおすすめが知りたい」と思いますよね。
そんなみなさんの疑問におこたえすべく、タピレコが今年の現地取材にてリサーチしてきました。情報の鮮度がばつぐんです!
今回お話を伺ったのは、台湾のインディーズレーベル「White Wabbit Records/小白兔唱片」(以下WWR)直営ショップの店長William Wongさん。
WWRではアーティストマネジメントのほか、CDショップの運営や海外アーティストの音源流通、あるいは音楽雑誌「WWR Express」を発行するなど幅広い業務を手掛けているインディーズレーベルです。
現地の音楽関係者のオススメだからこそ、きっとあなたのツボにはまる音楽が発掘できるはず!珠玉の5アーティストをご紹介していきまーす!
1.仙樂隊 Xiān yuèduì
ジャンル:ポストパンク・サイケデリックロック
まずはじめに名前が挙がったのが仙樂隊(Xiān yuèduì)。ポストパンク・サイケデリックロックバンドです。
2001年活動開始。バンド名の「仙」にはimmortal(不滅の、不朽の)という意味が込められているそうです。
2018年に1st album「SEN」をリリース(9曲入り/¥1,500-)。筆者のお気に入り曲は8曲目に収録の「衝動」。「快樂 快樂已經來了(意訳:幸福は、幸福は過ぎ去ったのだ)」と繰り返される歌詞が紡ぐ退廃的な世界観に没入していくことでしょう。
Official Facebook:https://www.facebook.com/senband.tw/
2.阿飛西雅 APHASIA
ジャンル:ポストロック・インストゥルメンタル
ベテランポストロックバンド。2007年に前身バンド「妮波寺」のメンバーにて結成されました。また女性ベーシスト葉宛青はWWRの設立者でもあります。
これまでに3枚のフルアルバム「The Crocodile Society of Aphasia
失語的鱷魚社會(2008年)」「Take it, You Need Medicine. 提去買藥仔(2012年)」「Known Rock 知覺的礁岩(2017年)」をリリース。
またディーン・フジオカが出演していることでも知られる台湾映画「
サマーズ・テイル~夏のしっぽ~(原題:夏天的尾巴)」のOSTにも参加するなど、その活躍はインディーズバンドの枠にとどまらないものとなっています。(豆知識:このOSTには日本でも活躍の幅を広げるパンクバンドFire Exも参加していますね。)
参考リンク:『夏天的尾巴 SUMMER's TAIL』が『サマーズ・テイル~夏のしっぽ~』の邦題で9月にDVD発売!: アジアンパラダイス
Official Facebook:https://www.facebook.com/APHASIA.band/
3.川秋沙 Goosander
ジャンル:シューゲイズ、オルタナティブロック
川秋沙は2011年結成のオルタナティブロックバンドです。Official Facebookによれば、バンド名の川秋沙(カワアイサ)は北欧やシベリアを中心に生息し、冬季には台湾でも越冬する渡り鳥から名づけられているそう。別名は秋沙鴨/英:Mergus squamatus。
これまでに「Drift along in a Lingered Spring 春日遲遲 EP (2011)」「Artificial Shoal 人造沙洲 (2012)」そして「White Noise 白噪音 (2015)」をリリース。
音楽性はシューゲイズ、ドリームポップ、オルタナロックと呼ばれるもので、日本にも幅広く生息するシューゲ・オルタナファンにもたまらないのではないでしょうか。
また2015年にリリースされた白噪音の1曲目のタイトルが「籤詩 Omikuji」など日本に親しみを持ってくれていそうなところも気になる…!
これまでのアルバムがbandcampから試聴もできますのでぜひチェックしてみてくださーい!
Official Facebook:https://www.facebook.com/goosandertw/
4.Selfkill
ジャンル:ポストロック、インストゥルメンタルロック
2002年結成のポストロックバンドSelfkill。
2006年に彼らのデビューアルバムでもある「The moment that the rain stops? 雨停了之後?」をリリースすると、2007年には台湾のインストゥルメンタルロックバンドとしてははじめてGolden Melody Awardsの最優秀バンド賞へノミネートされるなどの快挙を成し遂げました。
2012年にアルバム「Highway Dawn 公路白」をリリース。憂いを帯びたサウンドはアイスランド等の北欧のアーティストにも通じるものがあり、とても耳なじみが良いです。まずはホームリスニングでじっくり味わいたいアルバム。
Facebook:https://www.facebook.com/selfkill/
5.妮波寺 Nipples
ジャンル: ポストロック
No.2で挙げた阿飛西雅 APHASIAの前身バンド。1999年にオリジナルメンバーは蔡宜銓(Dr)、KK(Bass)、吳逸駿(Guitar)の3人で結成。その後メンバーチェンジもありつつ甜梅号(Sugar Plum Ferry)のドラマー祐子氏がサポートに入るなど、さまざまなミュージシャンが関わっているのです。
このバンドを押さえておきたい理由は、音楽性の多様さ。冒頭に挙げた「King of Comedy」なんかはまさにAPHASIAの素が詰まっているザ・インストゥルメンタルロックだし、あるいは「花的小白兔」なんかはインディーポップ。掘れば掘るほど新たな発見があるバンドです。
台湾のインディーポップの源流が詰まっていると思います。ぜひチェックしてみてくださいね。
いかがでしょうか
今回はWWRのマネージャーWilliamさんへオススメを伺いました。まとめながら感じましたが、Williamさんのオススメのバンドはそれぞれ個性が際立ちつつ「憂い」がひとつのテーマとなっているように感じます。
今回の記事をきっかけに「台湾にはこんなバンドもいるんだ~!」という発見があれば幸いです!それでは再見!
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