爆速レビュー:ミュージック・マガジン4月号「特集 台湾音楽の30年」

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こんにちは、中の人です。2020年3月19日発売「ミュージック・マガジン4月号」の特集、『台湾音楽の30年』についてAmazonよりも速くwネタバレギリギリのレビューをお届けします!

 

 

特集「台湾音楽の30年」とは?台湾音楽のマーケティング活動もここまできた!

ミュージック・マガジンは、1969年創刊、株式会社ミュージックマガジン社が刊行する、私が説明するまでもないくらい(汗)権威のある日本の月刊音楽雑誌です。

 

今回の「特集 台湾音楽の30年」は、そんなミュージックマガジン編集部と、台湾メディア、TAIWAN BEATSが共に作ったもので、正直めちゃくちゃ期待していました。

 

これまで音楽雑誌やWeb媒体で台湾音楽について扱われることはありましたが、日台のメディアが本格的にタッグを組んで、体系立てたガチな特集を製作することは記憶にある限りほぼなかったからです。

 

そんな特集のボリュームは合計26ページ。

ミュージック・マガジン4月号全体が224ページですから、10%以上ものボリュームが台湾に割かれていることになります。多いか!

めっちゃ多い様子

 

私は2年前くらいからインターネットで台湾音楽について紹介する活動をはじめました。その動機は、もっと多くの人に「台湾の音楽がおもしろいんだよ、素敵なんだよ」と知ってほしいから。でも、私ができることには限界がある、というのを2年間で味わいつくしました。

 

だから、専門誌でこんなに大型の特集が組まれてめちゃくちゃ嬉しいです!

 

というわけで、早速内容を紹介します!

 

1.台日ミュージシャン座談会(6ページ分)

特集の冒頭は、台日ミュージシャンの座談会です。

メンバーは、

 

菅原慎一さん(シャムキャッツ)

Skip Skip Ben Benこと林以樂

洪申豪(透明雑誌)

ウェイアン(フレックルズ、EVERFOR)

エイミー(DSPS)

ユエ(イルカポリス)

テル(シリ―オレンジ)

アーネスト(アイムディフィカルト)

 

オルタナ、シティポップ、インディーポップの人気アーティストたちが、日本から受けた影響や、ミュージシャンとしての生活について語る和気あいあいとした座談会の様子が6ページにわたり綴られています。

 

 

2.台湾インディ・シーンの成り立ち(4ページ)

次は、シーンを支える音楽関係者たちにスポットライトを当て、「台湾インディ・シーンの成り立ち」をテーマとしたインタビューです。

 

歴史を語るのは、

Brien John(Taiwan Beats編集長)

馬世芳(音楽評論家)

任將達(水晶唱片 クリスタル・レコーズ創設者)

小樹(StreetVoice 音楽ディレクター)

 

こういう歴史観とかシーンの成り立ちについてまとめるって難しいんですよね…(人によって見てるものが違うし)

 

でも今回のインタビューからは、戒厳令が解除された1987年前後の動きや、台湾語の位置づけ、台湾インディーズシーンの幕開け、グローバリゼーションの流れなどについて詳しくわかりました。

 

 3.台湾インディの100枚(14ページ)

今回の特集で最もボリュームが大きいのは、ディスクガイド「台湾インディの100枚」です。

 

台湾の音楽関係者たちが選んだ台湾インディーズのCD100枚に対し、日本の音楽ライター、ミュージシャン、音楽関係者、台湾音楽愛聴家の方たちがレビューをする形式でまとめられています。

 

ジャンルは、ロック、フォーク、オルタナ、ジャズ、ヒップホップ、エレクトロニック・ミュージック、原住民音楽、その他と幅広く、ジャンルごとにまとまっているので見やすいですし、好きなジャンルから探して聴けるのもありがたかったですー!

 

 

すごいなぁと思うのは、日本のレビュアーさん達の深い知識です。

たとえば90年代後半に台湾のヒップホップファンが交流していた掲示板のこととか、普通知らないだろ…という知識が満載。音楽+背景が伝わってくるところもいいなーと思いました!

 

内容めっちゃ言いたいんですけどネタバレになるので我慢…!! 

 

4.中華圏を牽引した台湾のスター・シンガーたち(2ページ)

音楽評論家の関谷元子さんによる、台湾のスター・シンガーたちを紹介するコラムです。

 

今回のメインコンテンツ、「台湾インディーディスク100枚」がめっちゃインディー寄りですが、このコラムにより、ジェイ・チョウ、ワン・リーホン、デイヴィッド・タオをはじめとした、メインストリームのシンガーたちの動きについてわかりました。

 

中華圏のスター・シンガーの魅力が伝わってくる熱いコラム。インディーズファンの方にもぜひ読んでもらいたいです!

 

5.融化橋インタビュー(2ページ)

特集の締めくくりは、台南のエクスペリメンタルなアンビエントデュオ、「融化橋」へのインタビューです。音楽性はこんな感じ。

 

www.youtube.com

 

環境音や幻想的なサウンドと、民族楽器の音など、さまざまな要素が取り入れられた音楽がどうやってつくられるか、いつも何を考えているかなどが伝わってきて良いなーと思いました!

 

というわけで買いだと私は思います

というわけで今回は簡単に、ミュージック・マガジン4月号「特集 台湾音楽の30年」についてお伝えしました!

 

個人的には、マニア向けと初心者向けの内容が程よくミックスされていて、台湾についてこれから知る人もギリギリついていけて、知識も深まるバランスの良い特集だと思います。

 

ぜひお近くの書店でお求めになることをおすすめします!

 

また、本日の23時59分まで、日本在住の方向けに、TAIWAN BEATSの公式アカウントにてプレゼントキャンペーンもやっているようなので、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか?

 

 

それでは、再見!