【注目】台湾でヴィンテージサウンドを追求するYufuの新作が日本の界隈でバズっているらしい

 

どうもです。中村です。

「台湾の音楽が好きです」と言い続けて、気づけばもう7年近く。でも、ひとくちに「台湾の音楽」と言っても、その中にはR&Bやロック、ポップス、フォーク、クラブミュージック、そして台湾独自の伝統やルーツを感じさせる音楽まで、実にさまざまなジャンルがあります。多様で、奥深くて、とても一言では語りきれません。

 

もちろん、私自身まだまだ勉強中。語彙も知識も追いつかず、魅力をうまく言葉にできないことも多く……。そんなもどかしさを感じれば感じるほど、「“台湾の音楽”って何だろう?」という問いは、自分にとってますます重く、そして面白いものになっていきます。

 

だからこそ、自分が応援してきた台湾のミュージシャンが、日本のリスナーや専門家に見つかって、正当に評価され、その魅力がちゃんと伝わっていると感じられる瞬間は、何よりもうれしく、心からホッとするんです。

 

前置きが長くなりましたが、最近、そんな安心感と喜びを与えてくれたのが、台湾でヴィンテージサウンドを追求し続けるアーティスト、Yufu(ユフ / 陳郁夫)の最新作『Heal Me Good』。今年1月3日に台湾で先行リリースされ、1月24日には全世界でも配信がスタート。レーベルはオランダのZip Records、日本では名門・Jet Setが流通を担当しています。

 

 

Yufuの音楽は、60〜70年代のソウル、ファンク、R&Bなど、いわゆる“古き良き”サウンドへの深い愛情とリスペクトに貫かれています。彼のバンド、CROCODELIA鱷魚迷幻やYUFU & the Velvet Impressionismを聴いたことがある人なら、その一貫した美学にうなずけるはず。

 

そんなYufuの『Heal Me Good』が、日本でも徐々に“届き始めている”のを感じたのは、今年の3月。香川から世界のソウルミュージックを紹介するJimmie Soulさんの番組にYufuが出演し、老舗のBLUES & SOUL RECORDSウェブサイトにもインタビューが掲載。続いてSpincoasterでも深掘りインタビューが公開され、日本のソウル/ネオソウル愛好家の間で話題に上り始めました。

 

そして、JET SETでの初回入荷分は、なんと数時間で即完売。収録曲のうち「Honey If You're Extra / Heal Me Good」の7インチ・シングルも発表され、予約がスタート。これはもう「届いた」と言っていいはずです。

 

 

『Heal Me Good』は、Yufuが困難の中で時間をかけて丁寧に仕上げたフルアルバム。その背景には、孤独な創作と、彼を支えるマネジメントチームの献身があります。Yufuはインタビューで「自分はひとりぼっちだ」と語っています。台湾にはヴィンテージ・ソウルを演奏する仲間がほとんどおらず、プロダクションの話を共有できる相手もいないと。

 

でも、そんな「孤独」から生まれた音が、国境を越えて誰かの心に届いたとき、それは孤独ではないのかもしれません。

 

Yufuはこれからも「ひとりぼっち」なのか。それとも、同じ音の温度を感じ取る仲間が少しずつ増えていくのか。その行方に、大いに期待したいところです。ヴィンテージ・サウンドの魅力をもっと深く理解しながら、Yufuの次なる一歩を見守っていけたらと思います。

 

『Heal Me Good』 - Yufu 

1. Are You Elevated?

2. 2nd Dose of Love

3. 3rd Dose of Your Mystic Drug

4. Heal Me Good

5. Searchin’ For Some Lovin’

6. I Got A Taste of My Own Medicine

7. Honey If You’re Extra

8. Envy and Jealousy

9. When?

10. In Search of A Cure 

Produced and mixed by Yufu, mastered by Doug Krebs

 

JET SET オンラインショップはこちら。

ディスクユニオン オンラインショップはこちら。