現在、台湾ではバンド・フェスブーム。大小さまざまなロックフェスが毎月のように行われ、インディ・シーンの個性的なバンド・アーティストたちを目当てに来場する、多くのオーディエンスで賑わいます。
そういったなか、異色の存在と言える「台湾・高雄発の"電子音楽ユニット"」が2018年に結成されたことをご存じでしょうか?
その名も、「シンセ組04 (英:SYNTH GUMI 04)」。
シンセ組04は、台湾の名電子音楽プロデューサー・MAD(マッド)がプロデュースする、「台湾の若者たちが、モジュラーシンセのいろはを1から覚えて、エレクトロサウンドをライブで奏でる」というコンセプトのもとにあつまった4人による、モジュラーシンセユニットです。
SYNTH GUMI 04 - Dance on a Cliff Edge
※「モジュラーシンセ」とは?
モジュラーシンセサイザーとは、シンセサイザーの一種で、音を出したり、調整したりするための機能を持つ「モジュール」(機械)をケーブルで繋ぐことにより、音作りができる電子楽器です。
そんなシンセ組が今回、6月中旬に来日ツアーを行うとの情報をキャッチ。「なぜ電子音楽をはじめたのか?」「恋人とシンセサイザーどっちが大事?」など、いろいろと前のめりに聞いたところ、無事取材が成立したので、ご紹介していきます!
それでは本編へ。
- PROFILE:シンセ組04(SYNTH GUMI 04)メンバーと好きな台湾グルメ
- 彼氏と彼女とシンセサイザーと猫
- モジュラーシンセを通して、見つけた「自分」
- 台湾の電子音楽シーン情報と来日ライブへの気合
- INFORMATION:シンセ組04 来日ツアー・出演情報
PROFILE:シンセ組04(SYNTH GUMI 04)メンバーと好きな台湾グルメ
Sever(セーバー)です。タピオカミルクティー、日本でも流行ってるんですよね?
Reila(レイラ)と言います!同じく、タピオカミルクティー派です
Shufan(ス―ファン)です。台湾グルメといえばやっぱり小籠包ですね
Rere(レイレイ)です。辛い臭豆腐が大好物。もちろん、煮たやつ!
彼氏と彼女とシンセサイザーと猫
シンセ組04のみなさん、初来日ツアーおめでとうございます!モジュラーシンセと、みなさんのかわいらしさが良いギャップ。というわけで、まず、簡単な質問からお聞きしていきますね。
みなさんにとって「シンセサイザー」と「彼氏」。どちらが大切ですか?
攻めますねえ(笑)
うーん、シンセサイザーのほうが大事かな~。
私も、シンセサイザーのほうが…あ、彼氏がこのインタビュー読むかも。どうしよう…
Reilaの彼氏は、日本語できないから(笑)大丈夫そうじゃない?
……私の彼氏は音楽をやっているので、きっと、このインタビューをチェックすると思うんです。なので…シンセサイザーと彼氏は同じくらい大事です!
ありがとうございます。Severさんはいかがでしょうか?
あの、私は、彼氏ではなく、彼女なんですが…。
わ、そうですよね。このご時世にすみません。(※台湾では、5月24日に同性婚が合法化されたばかりです。)
シンセサイザーと恋人って言われたら、選べないかも。あえて言うなら、うちの猫が一番大事ですね(笑)
ありがとうございます。今、台湾ではバンド活動をしている若い方もずいぶん増えましたが、どうしてシンセサイザーをはじめようと思ったのでしょうか?
最初はプロデューサーのマッドさんから、「電子音楽ユニットのプロジェクトのために、シンセサイザーのレッスンをはじめたので、もしよかったら来ませんか?」と誘ってもらったことがきっかけです。
Severさんは、電子音楽の経験はありましたか?
いえ、ありませんでした。でも、なんだか面白そう!と思って、加入しました。最初は「本クラス」のメンバーの枠が埋まっていたので、私はサブメンバーとして加入したのですが、そんな矢先、本クラスのメンバーが次々と離脱してしまい、グループはいっとき、解散の危機に陥りました…。
危機的状況だったわけですね。マッドさんの指導が厳しかったとか?
…はい、厳しい先生です!(笑)そこで、Shufanが加入してくれたので、すごく心強かったです!「一人じゃない!助けられた~!」って。
皆さんにとって、お互いの初対面の印象はどんな感じでしたか?
私は、Reilaを見たときに すごい驚いたんです。というのも、私は身長が150㎝とちょっと低めなのですが、同じくらい身長が低い人にはじめて出会いましたよ。
私、150㎝じゃないです。153㎝ありますよ~!!
なるほど(笑)では、153cmのReilaさんから見た、Rereさんの印象は?
はじめて会った日に、Rereの家に遊びに行きました。その日はごみの収集日だったのですが、Rereのゴミ出しに間に合わなくなりそうで。ゴミ袋を持って、私とRereとでゴミ収集車を、一緒に追いかけました(笑)
そんな初対面もあるのですね(笑)Rereさんから見たSeverさんの印象はいかがでしたか?
Severをはじめてみたときに、『こんなにカワイイ女の子がいたのか!?』と思いました。それは今も変わっていませんよ~。
えー、お世辞じゃない?(笑)
お世辞じゃないよ!今も変わってないよ~。
モジュラーシンセを通して、見つけた「自分」
みなさん、シンセサイザーは未経験からはじめたとのことですが、実際に触れてみて、いかがでしたか?
私は主に映像(ビデオ・シンセサイザー)を担当しています。自分で作ったビデオシンセが、実際にライブで投影されるときに、手ごたえを感じます。
私は昔、よく絵を書いていました。驚くべきことに、シンセサイザーを実際にはじめてみると、絵を描くのと、よく似ていることに気付きました。シンセサイザーで音色をいじる感覚が、絵の構図を考えたり、色を混ぜたり感覚とよく似ているんです。
(以前、Rereさんが書いた猫の水彩画)
私はこれまで、ギターをやっていて、バンドとしても活動していたのですが、正直、そんなに長くは続いていなくて…。そこで曲作りのほうにも興味が移り、編曲について学びたいから、という理由で、シンセサイザーをはじめました。私にとって、ギターは、筋肉と技術を鍛えるものです。一方、シンセサイザーは、頭で考えて鳴らす楽器なので、もし両立できたら無敵になれると思います!
私は、もともとパソコンとかも得意ではないし、そんなに頭が良い方ではないと自分では思うので、シンセサイザーは難しいですね。仕組みもすぐにわからないっていうか、苦戦しますね…。
先ほど、Severさんの先輩たちは次々と辞めたと聞きましたが、どうして続けられているのでしょう?
やっぱり、他の3人のメンバーと助け合ったり、フォローしあえたりできることで、心細くないからです。「できないことを、そんなに怖がらなくてもいい」って前向きな気持ちになれます。
本当に仲がいいんですね…。みなさん、普段はどんな音楽を聴くんでしょう?
実は、私、電子音楽ってあまり聞かない方だったんです。最近は、ノルウェーのシンガーソングライター AURORAをよく聞いています。AURORAはThe Chemical Brothersの2019年4月に発売された新作「No Geography」にフィーチャリング参加したんですよ。
素晴らしい歌声だ…。皆さんはどうやって音楽の情報を手に入れているんですか?
本の中でおすすめを探します。シンセサイザーを紹介する英語の本があって、そこで見つけた「autechre」が好きですね。
カッコイイー。「最強」をめざすReilaさんらしいチョイスですね。Rereさんはいかがでしょうか?
以前マッドさんに教えてもらった「Kiasmos」が好きです!
アメリカの前衛芸術家、Laurie Andersonが好きです。高雄の芸術祭で、台湾のアーティストと一緒に作品を発表したのをきっかけに知りました。
よく音楽を研究されていることが伝わってきます。先ほどSeverさんから、シンセサイザーは難しいという発言もありましたが、他にも難しさを感じるのはどういったときでしょうか?
まだ、はじめて1年くらいなので、「なにごとも挑戦」という感じはあります。しかし、意外なことに、シンセサイザーを触りながら思い出すのは、以前舞台劇に参加したときの思い出です。
舞台劇とシンセサイザー。一見共通点が少ないように思えますが…。
はい、その時は、「絵を書いていることを想像しながら、声を出す」、という演目がありました。
シンセサイザーも、『自分の中にあるイメージを、音にアウトプットする』ものなので、そこに共通点を見出せます。シンセサイザーをいじっていると、ときどき、過去の経験が蘇ってきます。
私はビデオ・シンセサイザーを担当しているので、音楽と映像を融合するのは難しいと思いますが、シンセサイザーと好きな映像を通して、音楽と会話できるのがすばらしいです。実体をともなわない「ビデオ」が自分の楽器のようになります!
Reilaさんはいかがでしょうか。
シンセサイザー、超~~~難しいですよ!これまでに経験のあるギターやピアノは、「押せば音が鳴る」、直感的に演奏できる楽器です。でも、シンセサイザーは直感では乗り越えられないし、操作を間違えると、音が聞こえなくなってしまうこともあります。頭の中に、しっかりと電路を描いて、設計して…を自分でやらなければならない。
でも、だからこそ、ロジック面が鍛えられます。電子音楽とシンセサイザーを知ることによって、音楽の創造性も高まると思っています!
台湾の電子音楽シーン情報と来日ライブへの気合
『シンセ組04』の活動を通して、今後こうなりたいな、という目標はありますか?
かつての私のように、これまで電子音楽に触ったことが無い人に、「電子音楽って楽しそうだなあ」って思ってもらえるきっかけを作れたらいいなあと思います。
今は、これといった目標はなく、音楽を極めるのが楽しい!という感じがします。音色の豊かな電子音楽を使って、台湾の中で最高のシンセサイザーユニットになりたいです!
私も、大きな目標は特にないかな。日本のお客さんに、映像と音楽が融合する私たちのライブを観て欲しいです!
今の台湾音楽シーンとは、ちょっと違うものを出せたらいいなーと思っています。
今、台湾のインディーズバンドシーンが盛り上がる中、こうして電子音楽ユニットとして活動するシンセ組04は、異色の存在だと感じます。シンセ組が今後、「こういう存在になりたい」という理想はありますか?
台湾では今、電子音楽を発表する場所はどんどん増えています。ロックフェスなどでも、電子音楽だけのステージができ、日本のDJさんを台湾に誘って発表する場も増えています。
なので、私たちが活躍することで、台湾と他の国の音楽交流をもっと増やしていけると思います。台湾と、ほかの国の電子音楽シーンの交流をもっと活発にできるといいなあ…。
たくさんの質問にお答えいただき、ありがとうございました!それでは、今回、日本のツアーに遊びに来るお客さんへ、おひとりずつメッセージをお願いします!
私たちの音楽を聴いて一緒に踊りましょう!
聴覚と視覚のパーティーを体験しに来てください!
台湾のかわいい女の子を見に来てください!(笑)
今年1月に、日本のバンドPeople Jamと共演しました。今回のツアーもPeople Jamとまた共演できるから、すごい楽しみだなあって思っています。
皆さん、ぜひ台湾のこの新しい、シンセサイザーグループを見に来てください!
ありがとうございます!横浜が近いから、横浜に行こうかな。東京にも行きたい!迷ってしまいます。お会いできますことを楽しみにしています!
INFORMATION:シンセ組04 来日ツアー・出演情報
■6月13日(木) 19:30~ 世田谷Webテレビ『クリエイターズ。リンク』インタビュー出演
YouTube online Interview 視聴URLはこちら
■6月14日(土) 横浜・アソビルB1
「Pitch Club」
開催時間:22:00~3:00
チケット料金:¥2,000(1Drink込み)
出演者:シンセ組04 / YOHEI(ex.JABBERLOOP)/ ネムキナ / The Flash Knobs / People Jam /TAKASHI+TAB from o’l lazy sou
住所:〒220-0011 神奈川県横浜市西区高島2丁目14−9 アソビル
詳細:https://www.facebook.com/watch/?v=343637812966921
■6月18日(火) 東京・吉祥寺 NEPO
「SYNTH GUMI 04(from TAIWAN)JAPAN TOUR」
開場 17:30 / 開演 19:00
前売り:¥2,200- / 当日:¥2,500-
出演:シンセ組04 / Taro Aiko(ENDON / M.A.S.F.) / Hello1103/ ilyons
住所:〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1丁目17−4
詳細はこちら:
吉祥寺NEPO「SYNTH GUMI 04(from TAIWAN)JAPAN TOUR」イベントページ
SYNTH GUMI 04(from Taiwan)Japan Tour(Facebookページ)
■6月19日(水) 17:00~ 『POWWOW TOKYO』出演
YouTube online Liveで、ご自宅からシンセ組04のライブを視聴できます。
詳細はPowcademy Tokyo Official Facebookをご覧ください
■6月21日(金) 東京・神楽坂 神楽音
「Tonight, Tonight Feat.LEF!!!CREW!!!」
開場:18:30-
チケット料金: ¥2,000
出演:LEF!!!CREW!!! / シンセ組04 , MADZINE (From 台湾、高雄) / Yumi Katayama / Daliepy
Vj: VJ Bori(音景-Onkei-) DJ: KST Shop:osc兄弟
住所:東京都新宿区神楽坂6丁目TOMOSビルB1F
詳細はTonight, Tonight Feat.LEF!!!CREW!!! Official Facebookをご覧ください