Text by Megumi N
Photo by BOLIN photography
みなさんこんにちはー!2週間ぶりの更新となりましたタピレコです、いつもお世話になってまーす!
台湾の音楽がお好きなみなさんにおなじみの音楽賞といえば、そう台湾のグラミー賞とも呼ばれる金曲奨 Golden Melody Awards。
今回は今年のGolden Melody Awardsにて最優秀新人賞ならびに1st Album「卡通人物」が最優秀台湾語アルバム賞に輝くなど、2018年に大躍進を遂げたEggPlantEggを紹介……と、本題に入る前に先に個人的な思い出をお話しさせていただきたい。
(前置きはいいからインタビューへ!という方はコチラからお進みください。)
さて、EggPlantEggといえば日本国内ではなにかとリード曲「浪子回頭 Back Here Again」のイメージで語られることも多い印象である。
懐かしさと新しさの両方があり、とても良い台湾語のオルタナティヴ・ロックのアーティストである。台湾語で歌われていることから、とても勝手ながら彼らが想定しているリスナーさんはあくまで台湾国内であって海外への展開はあまり考えていないのかも、と捉えていた。
さてそんな彼らの1st album「卡通人物」の実物がコチラである。
アルバム購入時の記事:【現地潜入】最終回! 台湾ロック VS 私の3万円♪ vol.5 - お宝さがしならWhite Wabbit Recordsへ。
パッケージに凝ることも多い台湾のインディーズバンドの中では、どちらかといえばシンプルな印象もあるが…?早速中を確認してみよう。
オープン!パカリ。
ん?
おおおおおーーーーーーーー!!!!なんと、全曲分、歌詞の英語訳カードが封入されていたのである!!!東京オリンピックのボランティア人材もびっくりのおもてなしマインド。EggPlantEggは明確に海外リスナーを意識していることが伺えるっ!
このことをとても新鮮に感じ、彼らへの接触を独自に試みたところ、快くインタビューに応じて頂けたので紹介していく。お待たせしました、それでは本編へ。(笑)
Interviewee:茄子蛋 EggPlantEgg
Profile:2012年結成。2017年に1stアルバム「卡通人物 Cartoon Character」をリリース。2018年に台湾にてもっとも権威のあると言われる音楽賞 「金曲奨」にて最優秀新人賞、最優秀台湾語アルバム賞へ輝く。またインディーズを中心に贈られる「金音創作獎」の4部門にもノミネートされている。(結果発表は10月末の予定)。
詞に載せた想いを届けたいから
(2018年2月のライブの様子)
ーーまずはグループがどのように結成されたか教えていただけますでしょうか。
EggPlantEgg:EggPlantEggはメインボーカルの阿斌と高校の友人たちで結成しました。2012年に元ベーシストの杜遠朋が加入してから正式に活動を開始し、2013年には現在のドラマー小賴が加わり、 2014年に現在のギタリストである阿任と阿德が参加して今のかたちになりました。
ーーなるほど。今の体制になってからは4年くらいということですね。早速本題なのですがなぜ歌詞の英訳カードを封入したのでしょうか。
EggPlantEgg:International!国際化のためです。海外のリスナーさんたちにも、僕たちが何を歌っているか知ってもらいたいと考えたんです。
ーー歌詞の内容も直感的に理解できとても助かりました。ちなみに、以前から台湾のバンドにとって国際化をすることは必要と考えていたのでしょうか。
EggPlantEgg:音楽は世界に通じる共通言語のひとつです。ただ、歌詞に載せた想いをもっと広範囲に知ってもらうためには、やはり翻訳の力も必要と考えています。
ーー主に作詞・作曲を手掛けるボーカルの阿斌が影響を受けたアーティストは?
EggPlantEgg:伍佰& China Blueですね!
ーーなるほど!伍佰の作品には台湾語で歌っているアルバムもあるけれど、それでEggPlantEggも台湾語で歌ってみることにしたのでしょうか?
EggPlantEgg:そういうわけでもないんだけれど…ただ一つはっきり言えるのは、もし母語で歌うバンドが他にも現れたら、僕たちはとても嬉しいし、そのアーティストの音楽を素晴らしい!と受け入れるということなんですね。
ーーフルアルバムを通して聴いたところ、海外の影響も受けているように感じますが、いかがでしょうか。
EggPlantEgg:ギタリストのふたりは、海外の影響を受けているかもしれません。たとえば、阿德(謝耀德)はザック・ワイルド、ジョー・ボナマッサ、ジョン・メイヤー、ゲイリー・ムーア、ジョン・ペトルーシ。阿任(蔡鎧任)もチャック・ローブ、ガスリー・ゴーヴァンそれからジョン・メイヤーの影響を受けていますよ。
ーーリスペクトをひしひしと感じます…。ちなみに、代表作の「浪子回頭 Back Here Again」は金曲賞を狙って製作したのですか?
EggPlantEgg:もちろん違いますよ!この曲は21歳の時に作ったもので、友達と約束するために作った歌なんですよ。
ーー賞狙いとか言ってすみませんでした…。ええと、その約束の内容というのは…歌詞の英訳カードを見たところ、「いつか髪の毛の灰色になったときも、ここに戻ってきてまた必ず会おう」というような意味で良いのでしょうか。
EggPlantEgg:そうそう、少年の時の約束が老いてからもし実現したら、最もロマンチックじゃない?
ーーとても”男子”的なロマンを感じます…!
ーー実は台湾で活躍しているDJのケン・ウーさんが日本へ来たとき、EggPlantEggのことを「次世代を牽引するアーティスト」としても紹介していたのですが…。将来的に台湾のミュージックシーンがこうなっていったらいいなぁ、というイメージはありますか?
EggPlantEgg:台湾語にかぎらず、母語で歌うアーティストがもっと多く現れてステージに上がり、皆がそれぞれのふるさとや、家庭・家族への愛情が深まるといいなぁと思っています。
ーーありがとうございました!
【編集後記】
さて今回はショートインタビューをお届けしましたがいかがでしょうか。ちなみにEggPlantEgg、2018年9月に新曲「浪流連 Waves Wandering」がリリースされましたので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね~!
音源はiTunesからも試聴&購入ができます。
それでは、またお会いしましょう!再見♪
公式情報
Facebook:https://www.facebook.com/EggPlantEgg/
Youtube Chanel:茄子蛋EggPlantEgg - YouTube
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