番外編:兼業台湾ラバーのキャリアを考える!(タピレコのオフレコ #5 書き起こし)

 

2022年4月28日配信、【タピレコのオフレコ #5 番外編:兼業台湾ラバーのキャリアを考える!Kalialan Craft Worksの亜美さんとリアルを語ってみた(guest:@plumbloomtw)】の書き起こしをお届けします。

 

 

タピレコのオフレコ #5 番外編:兼業台湾ラバーのキャリアを考える!Kalialan Craft Worksの亜美さんとリアルを語ってみた【guest:@plumbloomtw】

 

今回は大ボリュームの50分!ご意見、ご感想をぜひ、Twitter ハッシュタグ #タピレコのオフレコ でお寄せいただけますと幸いです!

 

 

全文書き起こし

兼業台湾ラバーが2人集まりました

ぐ: タピオカミルクレコードの中村によるアジアと音楽にまつわるストーリーを発信するPodcast、「タピレコのオフレコ」へようこそ。

 

あみ: ようこそ!

 

ぐ:いえええーい!!はい、というわけでですね、今日はゲストとして、台湾のクリエイティブな雑貨を日本で広める、Kalialan Craft Worksの亜美さんにゲストとしてお越しいただきましたー!亜美さんよろしくお願いします!

 

あみ:お願いしまーす!Kalialan Craft Worksの柘植亜美です、よろしくお願いします!

 

ぐ:今日はねテーマありきの雑談トークということで兼業台湾ラバーってどうよっていう話をしようと思っております

 

あみ:はいはいあのさはいはいあのさ、兼業台湾ラバーってどういう意味!?

 

ぐ:www いや、そこなの。そこなんだけど、結論言うと、台湾と一見関係ない仕事をしていながら、実は台湾のことをやっていて、発信していて、仕事になるみたいな。
ブランディング上は、発信する内容において、ほぼそのすべてが台湾の話題であり、なおかつ発信頻度が高い人をざっくり専業とすると、その対になる概念が兼業ラバーかなと思っております。で亜美さんも私も、日本の会社で働いていて、日本に住んで、結構会社の仕事こととかも発信するじゃないですか。

 

あみ:そうだね、ざっくりとしてね。

 

ぐ:なのでお互い兼業ということで、時間の使い方とか、どんな感じなのかなって聞いていけたらと思ってます。因みに、自分が兼業っていう意識ってありますか?

 

あみ:そうだね、言葉で出したことはないけど、逆に言うと、会社員に専業って思ってないかもしれない。どっちも同じ温度感でやってるから。あえて兼業とも言ってないけど、言うなら兼業ですね。

 

ぐ:見え方としては兼業ってことね。なるほどね。そもそもなんだけど、亜美さんが台湾雑貨のお仕事をはじめた経緯を聞けたらと思うんですけど。…wwwwちょっとまってwwため口に戻そう。集合してから4時間くらい経ってて…www

 

あみ:いやもっと…wwww

 

ぐ:6時間くらい!?収録になると、ためぐちが消えるっていう病気ww

 

あみ:急に距離感www

 

ぐ:いつも通りで…

 

あみ:OK!

 

ぐ:でなんだっけ・・・wはじめた経緯を改めて。

 

あみ:はじめた経緯ですよね。そうですよね。それまでずっと正社員で働いていて、あまりネガティブな理由ではないんだけど、なんとなく正社員っていうものを一旦やめたいと思ったことがあるの。別にその会社が嫌だったとかそういうことじゃなくて。一回自分のキャリアをリセットしたいと思うんだよね。

 

ぐ:わかるぅ~!!

 

あみ:その時1回リセットするんだったら、面白いことやりたいし、それまでの正社員の仕事がずっとバックオフィスだったから、直接お金を稼ぐ部門にいたことがなくて、事業としてやるみたいなのもなくて。やりたいっていう憧れもあったし、どうせやるなら、精神的にコミットしたかったから、時間数とかお金とかは置いておいて、脳をコミットさせたかったから、正社員やりながらだとちょっと無理だなと思っていて。

 

一旦アルバイトとかでもしながらでもいいからやろうみたいな感じで思って、台湾好きだし、雑貨も好きでと思ってて、台湾に雑貨結構いいものあるんだよないっぱいなみたいな感じで「すっごい安直にじゃあまあ雑貨でいっか★」みたいな感じ。

 

台湾との出会い

 

ぐ:そもそも台湾を認知したのはいつごろだったのかな。

 

あみ:初回渡航が2013年。けっこう最近。

 

ぐ:最近言うても9年前だね。普段ガチ勢を見すぎているせいでww

 

あみ:全然お客さんとか、台湾仲間、仕事仲間の人の方が全然昔から行ってらっしゃるの20年とか普通に言ってるじゃん。全然ひよっこよぉ。

 

ぐ:でそれで、台湾に行ったんだっけ、1か月くらい。

 

あみ:2013年には行ってない。

 

ぐ:正社員やめての本格渡航?

 

あみ:2013年に初めて行って、そこから台湾には、1年に1回ペースでしか。会社員辞めたのは2018年だから、5~6回目くらいかな。

 

ぐ:1年に1回台湾に行ってた理由っていうのはどこにあったのかな。

 

あみ:ほんと当時の成り行きで本当は国内旅行計画して、毎回。国内旅行計画したんだけど毎回ちょっと時期が悪かったのか国内の方が高かったんだよね。そのとき。福岡とかいきたかったのよ。福岡6万ぐらいその当時ね。多分なんか使い方も悪かったかもしんないけど。カウンターみたいなのに言っちゃってたから。で、毎回カウンターで「台湾の方が安いですよ…!」って謎のおすすめを受けるっていう。

 

ぐ:引き寄せられてるwww

 

あみ:それで台湾行くみたいな。3回目までは毎回成り行きだった。

 

ぐ:なるほど

 

あみ:ちなみにぐーちゃんは?初回。

 

ぐ:なれそめは、高校生の頃に入院してて、退院してすごいヒマだった。で、やることないからネトゲやろってなって、国別対抗のネトゲだったんだけど。

 

あみ:へーーーー。

 

ぐ:台湾の戦略は台湾の掲示板のPTTでやってるらしいって聞いて。突撃しよみたいな。

 

あみ:あははwww

 

ぐ:そうやってネットでつながって、PTTって真っ黒な画面なんだけど、ハンドルネームありきの掲示板で「日本人でぇ~す!☆(ゝω・)vキャピ」って行ったんだけど、めちゃめちゃ歓迎されて、すげー、めっちゃいきたいー、って思ってたんだけど。実際行けたのは、専門学校行って、会社員なって、2回目の転職の後とかだったな。実際は2015年とか。新参です。笑

 

あみ:一緒だね。

 

内側からのかっこいい!かわいい!で進路が変わる

 

ぐ:からの~、仕事化、発信する人化するのはもうちょっと先なんだけどあみさんは会社を辞めたタイミングで渡航してからも仕事化してる感じだよね。

 

あみ:そうそうそうそう。売るものとか何も決まってなかったんだけど、その時コーチング受けてて、今も受けてるけどコーチの人から「なんか別に売るものとか別に決まってなくてその台湾が好きって言うことは別にアピールしたって別にいいじゃん」みたいな話になって。まあ確かにねってなって。

 

ぐ:まちがいねえわ。

 

あみ:一か月行くんだったら別にその一か月の様子を何となくInstaとかでやっとけばいいんじゃないのみたいな感じで言われてても確かに。別にまいっかと思って。当初もなんとなくぼんやり、私取り扱いたい物っていうのが、いわゆる文創系のアイテムだったんだけどそれを探そうと思って一か月旅行組んでたんだけど。台湾を回って探そうと思ったのね。最終的に原住民のものに変わっちゃったから(笑)

 

ぐ:台湾原住民のクリエイティブ雑貨を扱いはじめたのは何がきっかけだったんでしたっけ。

 

あみ:そのずっと原住民すら知らなかったのよ。そもそも台湾歴浅い状態で飛んでるから詳しくないわけぜんぜん。で、まわってて、西、えーとこれ、反時計まわりって言えばいいの?

 

ぐ:ひ、左…?

 

あみ:急に頭悪くなっちゃううちらww桃園スタートして、台中、台南まわり、そっちまわりで回ったから、台東が後半な訳ですよ。出会うところが。台東に行って、台東の宿がドミトリーで、しかもなんか今どきの台北のきれいなドミトリーの、カーテンがシャってしまる個室ではなくて、二段ベッドが部屋の中に2個あって、その上段だったの私。二段ベッドの上段だったから。

 

ぐ:女子寮ですって感じ?

 

あみ:そうそうw普通の二段ベッドなのよ。で、1回部分というか、下の人にはシャっていうカレンダーがあるんだけど、上はないの。天井に着ける工夫もないんだみたいな。その反対側の対角にいるベッドに泊まってたのが、台湾の大学で原住民系の文化を研究している先生がいて、「ハロー」みたいなところから教えてもらったの。

 

ぐ:うんうん。

 

あみ:で、「明日どういうプランなの?」って聞かれて、ノープラン旅1か月だったから、本当何も決めてないんだよね、おすすめありますかって聞いたら、「ちょうど明日豊年祭があるから、台湾の原住民のお祭りが近くであるから見ていきなよ、面白いよ」って言ってくれて、時刻表とか研究のために行ってたから、バスの時刻表とかイベントのポスターの画像とか全部送ってくれて、「あ、これは行くしかない」みたいな。

 

こんだけアテンドしていただいて、行かないとかないじゃん選択肢として。で行ったら、「うわーめっちゃかっこいいんだけど!なんだこりゃ!めっちゃかっこいい!」って。民族衣装もかっこいいし、その日豊年祭の音楽も流れててめっちゃかっこよかったしそれも。語彙力がかっこいいしかないんですけど今。そこでアクセサリーとかも売ってて。めっちゃかわい~みたいな。語彙数かわいいしか増えてないけど今

 

ぐ:かっこいい、かわいいー、右脳に訴える何か。

 

あみ:今まで見てきたアイテムもかっこいいとは思ってたんだけど、表層でかっこいいっていう感じ。

 

ぐ:「これってかっこいいとされてるよね」みたいなね、うんうん。

 

あみ:いやもちろんかっこいいんだけど、「すごい」って思って見てるみたいな。これを取り扱ってたら私カッコいいかもみたいな感じの。それでいいと思ってたんだけど、原住民のアイテムを見たりとか、アートもたまたま似た時期で見るときがあって、心の内側からやべえちょうかっこいいみたいな。これかっこいいみたいな。感情の動くところがちがうみたいな。

 

ぐ:わかるわー。わかるわー。ごめんわかるわー。

 

あみ:語彙力わかるわー。

 

ぐ:語彙力、「かっこいい」「かわいい」「わかるわー」(笑)本当にかっこいい、かわいいものに出会ったときの、全身ワー!みたいな。

 

あみ:毛穴開くみたいな感じ。それがあって、あ、もう私これじゃん!って思ったの。その時に。感情がこんなに動くってことはそれは私がやりたいことなんだと思って、はい、これ、ターゲットここ、みたいな。

 

ぐ:なるほどですねぇ~。それ以来結構、ポップアップストアとか。通信販売とか東京アジアンマーケットの主催とか色々やってるイメージだけど、これまではどんな感じで活動してきたのかな。

 

あみ:基本的に最初オンラインショップ立ち上げました、本当当たり前だけど急にオンラインショップを立ち上げても売れないですよね。

 

ぐ:そりゃそうじゃ。

 

あみ:認知ないからね。そんな急に売れるわけなくて、さてどうしたものかな。で、えーっとそれが9月にお店をオンラインショップをオープンさせたんだけど、翌年の4月の末から5月上旬にかけて、ちょろっと行なわれていた台湾のイベントにちょっとモノを置かせていただく機会があって、それがいわゆるポップアップ系の出店で、そこのつながりでちょこちょこちょこと出店のお話を頂けるようになって、ちょこちょこちょこっていう風に、出店をし始めたみたいな。

 

で、その同じ年に、別の台湾関係ない昔からの友人と、「アジアに関するイベントって何かやりたいよね、小さくてもいいから、音楽とかもかかってて、ご飯も出て、雑貨屋さんとかちょっと並べてっていうのをやりたいよね」っていう話になって、それが東京アジアンマーケットのはしり。

 

ぐ:活動歴としては、ビジネスにしてからは3~4年くらいって感じ?

 

あみ:そういう感じ。

 

離れるときもある

 

ぐ:冒頭に戻ると、正社員と兼業する中で、今って、どれくらい注力できてる?

 

あみ:あーなるほど。えっとね、今、現在で言うと、意識的に注力してなくて。

 

ぐ:うんうん。

 

あみ:会社員の方に、自分の時間も脳体力も精神的なものとか全てをそっちにけっこうコミットさせてる状態に今あえてしてます。急に敬語www

 

ぐ:wwwwやっぱり、Twitterとか見ててもモノをうる人々はやっぱり円・・・円安・・・今円高と円安どっちだっけって急に頭悪くなるっていう。そういうところも来てるって感じ?

 

あみ:うーーんそうだね、それも影響やっぱり受けてるし、あとはあのー、コロナもやっぱりあったからイベントがとにかく激減して、というところもあって。なんか、セーブせざるを得ないところもあったし、とはいえオンラインの方は逆に言うとその、物販がいっぱんできてた、出店できてた頃で言うとオンラインで増えてるの。イベントがない分。そっちは伸びるから伸ばそうとすれば伸びるんだけど、転職しまして。3ヵ月前に。

 

ぐ:おめでとう!!(ぱちぱちぱち)

 

あみ:ありがとう~!!!・・・・楽しくて。

 

ぐ:そこらへんも今日は深掘っていきたいんだけど。

 

あみ:ぐーちゃんにも聞きたい。ぐーちゃんのコミット度もききたいかも。

 

ぐ:私はまさに、意識的にその距離を置いてたのが、去年だったの。

 

あみ:冬眠のとき?

 

ぐ:冬眠かつ仕事が変わって、距離を置いてたんだけど、で、最低限、頼まれた仕事だけやりますみたいな時期があったんだよね。今ですね、流れで職場が変わりまして。

 

あみ:おめでと~!!

 

ぐ:ありがと~!!ちょっと落ち着いたから、使える時間が増えたから、前みたいに勢いよくはできないけど、Podcastやったりとか、記事書いたりとか、できるようになったって感じ。流されて、こう・・・着地してるっていう感覚。一度離れて、近づいて、って感じかなぁ。

 

あみ:なんかさー、うちら多分知り合って、3~4ねんくらいじゃん。確かに、雰囲気違うよね、ぐーちゃん。いい感じに、ピリッとした。別にピリッとしてなかったわけじゃないし。

 

ぐ:ジュニアじゃなくなったって感じ?

 

あみ:知り合った時点でもジュニアじゃなかったと思うんだけど、もっと上でいらっしゃいましたけど、なんか、なんだろう。発言のキレが上がったっていう。

 

ぐ:シャープになった?

 

あみ:元々キレがあるタイプだったけど、なんだろう、言い方が、別にぐーちゃんってふんわりしてるし、めっちゃ優しいし、ポジティブフィードバック多いからそこすっごく大好きで、いつもやわらかい感じがあるんだけど、やわらかい中で芯がある感じが、なんだろう、めっちゃ芯が出てきたというか、我が出てきたんじゃなくて。

 

ぐ:よく研ぎ澄まされた・・・シュウ ウエムラのアイブロウペンシルwwww

 

あみ:例えがわからんwww

 

ぐ:長刀型なんよ!一本一本眉毛書けますみたいな!

 

あみ:いいのかなあその例え・・・w

 

ぐ:とにかく、シャープな芯が出てきたと。

 

あみ:元々芯があったし、芯がある人だなって見てたから、芯があるんだけど、そこを上手い感じていた覆い隠していたふんわり見せてる感じのイメージだったので。

 

ぐ:バレバレてたw

 

あみ:「めっちゃ芯強いじゃんこの子!」みたいな感じだったの。

 

ぐ:子扱いで大丈夫だよw

 

あみ:すごいそこの、なんかこう、いらないふんわりさを

 

ぐ:バウムクーヘンのバウムが~

 

あみ:wwww

 

ぐ:私さ、よく例えがわかりにくいって言われるのwww

 

あみ:言語化うまいのになんでそんなたとえ下手なの!?wwwその辺の見せ方がうまくなったんじゃない?

 

ぐ:自己PR能力が向上したってことかな。バウムクーヘンからwwwシュウ ウエムラのアイブロウになりましたと。

 

あみ:ごめん最後よくわかんなかったwwww

 

会社で台湾のこと言う?言わない?


ぐ:じゃあネタ帳に戻りますと・・・亜美さんは今どんなお仕事をしているのかな!開示可能な範囲で。

 

あみ:今勤めてるのはデザイン会社です。私自身はいわゆるデザイナーではなくて、フロンとオフィス側の仕事と、バックオフィス側の仕事を今やってます。

 

ぐ:二刀流ってこと!?

 

あみ:たしかにw

 

ぐ:やば・・・!

 

ただ、私バックオフィスでずっとやってきてるから、今回フロントオフィスはじめてなんだよね。正社員としてガッツリやっていくのははじめてなんだよね。

 

ぐ:売上を作っていく仕事みたいな。

 

あみ:そうそっち側だよね。

 

ぐ:かっけーな

 

あみ:やべえ。

 

ぐ:語彙力が少年漫画wえっとねー、前に会社をえっと辞めた理由が、売上を作ることをやりたかったって言ってたじゃん。また会社員でも叶えられてるって感じ?

 

あみ:そうなんだよね。だからもう、フロント側だから、ざっくり職種に無理やり落とすと、また営業みたいなところが結局メインになってきて、ずっとバックオフィスの仕事をやっているときに、なんだろう、憧れでもあり、その営業がやりたいわけではなくて、単純に営業をやっている人たちに対する憧れとかがぁ…

 

ぐ:わか~~~~るよぉぉぉぉ~~~!!!

 

あみ:売上を作っていくみたいな人に対するあこがれ?

 

ぐ:「僕たち数字あげてますから!」みたいな。誰も言ってないけどw

 

あみ:会社を颯爽と、お客さんとこいってきまーす!みたいな。

 

ぐ:うちらは「いってらっしゃーい」。わかるそれ・・・

 

あみ:そうそうwwwそこに対する漠然とした憧れと、それに対する、直接は稼げてないっていう、バックオフィスでやってるけど、間接にサポートという意味で間接的に利益にはもちろん貢献しているんだけど、なんとなくの劣等感みたいな。

 

ぐ:うんうん、わかーるよぉぉ

 

あみ:優劣があるわけじゃないんだよ。フロントもバックも別に。直接売り上げを稼げるってすごいよねえ!みたいな。

 

ぐ:まさにそのフェーズに、亜美さんがいて、新しいチャレンジがはじまったということだと思うんだけど。うちらからとする兼業で台湾のことやってるじゃん。会社にその理解というか、どこまで話してる?

 

あみ:フルオープン。

 

ぐ:面接でも「台湾の仕事をしてます」っていう話をしていたってこと?

 

あみ:面接の前というか、あのーなんていうんだろう、求人媒体にほら、登録をしたんですよ。でそこから応募してるんだけど、今の会社に。求人媒体に自分のSNSがなんかこう、うーんと、デザイナーとか、エンジニアの人とか多分いるから、URLを紐づけたりとか、ポートフォリオ的に。だからそういうのができて、けっこう自由にやっていて、面談とかカジュアル面談します、面接しますになる前に、なんか動いている私が見えるのは本当が一番いいなあと思ったの。私がイメージしてもらいやすいかなって。ここであれですよ。

 

ぐ:一緒に作ったYoutubeですね。

 

あみ:あれをぴっと貼っておきまして、それは貼ってあるからその時点で公開してるし、そのプロフィールの中にも個人事業主としてやってますよ、副業するものがあることが前提です、

 

ぐ:そこが条件だと。

 

あみ:それが平日に影響するわけじゃないから、会社で働く時間はフルコミットしますっていうのは書いておいた気がするんだよね一応。個人として。今、副業解禁時代だけど、副業NGとかあるじゃん。

 

ぐ:全然あるよね。

 

あみ:全然バッティングしてなくても書いておいた。最初から見てるから、その時点でフルオープンみたいな。

 

ぐ:心理的安全性高いみたいな。面接の段階では限られてるわけじゃん。入ってからいわゆる仲間的な、同僚にも伝えててた?

 

あみ:伝えて―、なんかうちの会社はフルリモートで仕事してるから、コミュニケーションツールがSlack なのね。新しく入ると自己紹介とかするじゃない。そこに自由項目もあって、で、あのうちの会社採用はデザイナーがデザイン会社だから多いから、ポートフォリオとかも書く欄があるんだけど、私はポートフォリオないから、Notionで自分でまとめているページをぴっと貼っておいて、台湾のこういうことをやってますみたいなのを最初から開示してた。

 

ぐ:それに対する仲間の反応は?

 

あみ:まず「台湾好き」みたいな感じで、ちゃんと認知してもらえて、何かのきっかけ、ちょっとした雑談のきっかけのときに、台湾で美味しいごはん屋さんありますかみたいなのとか、東京の台湾料理屋さんとか。「これってどこで食べられるかなぁ?」とか、そういうのを話に振ってもらえるのが認知してもらえるようになったかも。

 

ぐ:すばらしいー!よかったね。台湾のことを知られてるのと知られてないのとじゃさ、うちらにとって違うよね。

 

あみ:ぐーちゃんは、どっち?

 

ぐ:私はあえてクローズドにしてる。聞かれるんだけど、言ってないというか。別に壁があるわけじゃないんだけど、会社ではけっこうふんわり優しいPRのお姉さんでいたいから、Twitterとかさけっこうさ、シュウ ウエムラのアイブロウみたいな発言をするじゃん。それはちょっと見られるのがはずかしい。お母さんが授業参観に来るみたいな。キャラ違うからなーみたいな。それで言ってないって感じ。

 

あみ:そっかそっか。聞かれるっていうのは、副業やってますかって聞かれるの?

 

ぐ:副業で、ちょっとライターみたいなことやってるんですーテヘペロっていうと、「記事よみたーい」って言われて。

 

あみ:はいはい、そうなりますよね。

 

ぐ:ちょっとはずかしいんでーっていうと、「あ、そっかー」って言ってもらえる。

 

あみ:触れちゃいかんのかなみたいな。まあーたしかに、私、あのぐーちゃんの方のアカウントも、オフィスバージョンのぐーちゃんのアカウントも知ってますけど全然キャラ違うもんね。

 

ぐ:デザインで言うとトンマナ違いはあるかなwwwそんな感じで、台湾のことも受け止めてくれる職場でやりたいことをがんばってるじゃん。気持ち的なコスパどうですか。

 

あみ:気持ちコスパはすごい、めちゃめちゃ高いです。まず、めっちゃ楽しい!すっごい楽しい仕事もん今。会社員のね。だからコスパ高いってことだよね。

 

ぐ:それはさ、台湾のことを夢中で同じ境遇だとしても、同じように思えてたのかな。

 

あみ:スタートが同時だったらってこと?あーーーそうなると、私不器用タイプなのね。同時進行でいろんなことを追いかけられないタイプなのよ。だから、どっちかになってたと思う。

 

ぐ:わかるなぁ~

 

あみ:一緒かぁ

 

ぐ:一緒だなぁ。台湾のことをさ、一回夢中になって、ガーやって。

 

自分の事業のオーナーシップを持つという考え方

 

あみ:1回がっとはじめて、右も左もわからない状態からはじめて、アジマとかも本当にそうで、コロナ禍で開催するとかなるのが本当にわからなかったけど、そこのなんだろう。コロナ禍でいい意味で落ち着いてきてるというか、自分に時間があるというか、自動的に発生したみたいな。人と遊ぶことも一気になくなっちゃったりとか、友達とも会わないし、イベントも減っちゃったし、自動的に時間が増えたところで、台湾のこともそこでもう一回しっかり見直して、仕組化が一回できたんだよね。

 

「こういうことをするんだったら、こういう準備しとけばいいよね」とか「こういう風にやれば1時間でここまでできる」とか、なんかそういうのがそのちょうど去年とか、一昨年の後半ぐらいからしっかりできてたのもあって、なんだろうね、なんかそこが終わったから、その仕組み通りに自分が乗せていけばということもあって、そこでまた余裕ができたんだよね。

 

ぐ:言い換えると、あみ株式会社台湾事業部の概念実証ができた段階というか。

 

あみ:確かに、あみ株式会社っていう概念は常に持ってて、会社員事業部と、台湾事業部が。常にその中で動いているから、時間配分をどっちに置くか、どちらの事業にリソースをどれくらい投下するのかとか考えていて、だから一時台湾に投下をしていたと。で、まああの会社員事業部の方は、当時バイトとかで、運転資金はここで稼いでるみたいな感じ。台湾事業部も赤じゃ困るけど、トントンくらいにしておけば私は回るしみたいな。

 

ぐ:大きなリスクをとりすぎなければ大丈夫みたいな。

 

あみ:雑貨とかで、前で仕入れるけど、いきなり先行投資で仕入れるタイプでもないから、そんな資金のかけかたとか、あとまあ小さくはじめられたんだよね。ランニングコストがかからない状態で小さくはじめられてて、やっていけてるから、そこの回し方の仕組み化とかが終わった段階で心の余裕ができて、てなったときに、ぐーちゃんと動画を作ったじゃん。

 

ぐ:つくったねー。

 

あみ:めっちゃ楽しかったあれー。2週間でできないじゃん。

 

ぐ:それよ

 

あみ:そのときに、あの動画を2週間で、しかも我々2人ともフルタイムで仕事別にしていたにもかかわらず。

 

ぐ:そうだよね

 

あみ:そうなんだよ。にもかかわらず、ちゃんと作って、予定通りにリリースもして、っていうあのぐーちゃんとのやりとり、2週間をプロジェクトで密にガッと進んでいくチーム感みたいなのがほしくなったのよ。自分の人生に。

 

ぐ:なるほど

 

あみ:これが正社員の形でできたら最高だなと思って。

 

ぐ:えーそんな思ってもらえたんだ。嬉しい。

 

あみ:そこが転職っていうのかな、もっかい正社員に戻ろうっていう決め手と、東京アジアンマーケットを物販でお預かりの形でやろうっていうのを決めた結果になりました。

 

忙しさのピークと持続可能性のバランス

 

ぐ:台湾と正社員と兼業してると、両方のバランスを常にさ、よく保てるわけじゃないから、両方なんかこう、タスクがピークみたいなときってあるじゃん。

 

あみ:めっちゃあるー。

 

ぐ:それっていつのことだか思い出してごらん♪

 

あみ:私の忙しさピークが被ったのは去年で、えーっと東京アジアンマーケット2回やったっていうのが、その開催の時とその前の準備段階がもうピークで。忙しかった。

 

ぐ:ピークで忙しいっていうのは、体力的なのか、思考体力なのかっていうとどっちだった?

 

あみ:えーとねー、両方で。両方で忙しいけどがまずあって、開催期間が2回とも、お店を空けてるのが2回あったのね。で、前後準備日と撤収日、6日間確保しないといけないんだよね、そこに。有休使いながら3~4日もらったのかな。そこあてて、やるんだけど、そもそも6日連続いないから、土日挟んでも。その前後に有休はとてもじゃないけど取れなかったの。会社側に負担かかっちゃうから。2週間ぶっ続けて仕事になるわけよ。

 

ぐ:あみ株式会社が休みなしブラック企業になる感じね。

 

あみ:そんな感じだったから、その開催期間中は、もう本当にめっちゃ体力的にしんどいっていうのと、あとその実際はじまる前は、準備とか企画とかなんかどうやったらいい感じのお客さんに来てもらえるかな、楽しんでもらえるかなっていうのをすごく考えるじゃん。そっちの思考体力、脳みその容量が寄りがちになっちゃうんだけどでも、会社の仕事もちゃんとやりたいから、そこのバランスっていうか、要領オーバーの状態がずっと続いちゃうみたいな。消化しきっちゃうみたいな。

 

ぐ:それ2週間はきついねえ。本当にお疲れ様でした。

 

あみ:ありがとうございました、でも楽しかった。

 

ぐ:あの空間にいることがなんか、雑貨もあるし、タイのよくわからない雑貨もあるし、ごちゃごちゃーってあるような、空間にいることがなんか非日常感があって、良かったー。

 

あみ:嬉しい。その非日常感はアジアンマーケットが提供したい空間だったり時間だったりしたからめっちゃ嬉しいそれ。

 

ぐ:音楽でいうと全部見たいアーティストのフェスみたいになって行ってよかったなって。

 

あみ:ちなみにぐーちゃんの、ぐー株式会社のそのピークみたいなどうだったんです?

 

ぐ:去年のね、記憶が飛んでるんだけど、けっこう修羅場だったのが。

 

あみ:修羅場過ぎて飛んだのか(笑)

 

ぐ:コロナワクチンを、何回か、いや2回打ったんだけど。私モデルナだったんですよ。モデルなの2回目で、めっちゃ熱が出てます。出てるんだけど、仕事も一応するし、当時管理職だったから自分のタスクもするし、メンバーの話とかも聴いたりする中で、台湾のそのお仕事を依頼してくれるプロマネの方から、けっこう質問がバンバン飛んできたことがあって、それがけっこう頭を使うというか、ロジカルに考えないといけなくて。熱出てます、会社の仕事もします、台湾からの質問もなるべく正確にロジカルに答えるみたいなのが、コロナ禍ならではなんだけど、全部が燃えてるぅ~♪って感じで、だったかなー。

 

あみ:ぐー株式会社もなかなかのブラックだね(笑)熱出てるのに働かせるっていう。

 

ぐ:「熱出てるんだけど~」みたいな話は台湾の人にもするんだけど、返事をすると平気なものと思われて追加質問が来るっていう。多分台湾の方でも納期がギリギリだったりして、っていうことはけっこうありました。やっぱり期待にこたえたいと思っちゃうんだよね。

 

あみ:わかる、こたえたい。

 

ぐ:「熱だから待ってて」って言うことはできるんだけど、・・・・今思えば待っててもらってもよかったかもしれねえわwwwwなんだけど、その期待に応えたいっていう気持ちが勝っちゃってたね。

 

あみ:期待に応えたいってすっごくわかる。会社とかもそうだもんね。そもそもしてもらえるのがうれしいじゃんね。そしたら、超えたいんだよね。我々ちょっとほしがりだよね。

 

ぐ:ほしがる(笑)それによって得られる評価とかもそうなんだけど、関わる人の明日がプラスになりますように的な精神があるじゃん。

 

あみ:いいよーいいよーわかるよー 期待に応えたいって。

 

ぐ:期待に応えたいっていうのがね、あって、そこ超えるためにブラックにならざるを得ないのはあるかな。

 

あみ:脳内がね。

 

ぐ:今さ、SDGsとかさ、持続可能性が問われてるじゃん。その観点ではよくないので、そろそろ見直さないとな~と思ってはいる、という感じ。

 

あみ:わかる。めっちゃわかる。今は今は脳内体力的にも実際の体力的にもまださ、けっこうできる部分はあるけど、それでもやっぱり20代の頃に比べると落ちてきてるし体力とか。

 

本当にやりたいことに向き合えるなら、兼業でいいじゃない!

 

ぐ:20代の頃から会社員だったと思うけど、ジュニアの時に学べたのってどんなでした?

 

あみ:色々学べた気がするけど、私飲食なのね、最初のスタートが。タイトル忘れちゃったんだけどビジネス雑誌みたいなのが置いてあって。それ読んでたんだけど、その中に書いてあったことで、あの、店長とかオーナーとかから、何か指示とかなんかこうしておいてと言われたときに、違うって思うことがあるかもしれない。

 

でも、それってあなたとその店長クラスの人、オーナークラスの人がそもそも視座違うから、見えてる世界が違うからいきなり反発するんじゃなくって、相手は何を考えてその指示をしたんだろう、みたいなのを1回一呼吸おいて考えようねみたいなのが書いてあって、それを新卒1年目の初期の頃に見れたのが大きくて、常になんか上司に言われたりとか、支持とか評価でフィードバックを受けたときに、いっぱい思うこともあるけど、どういうつもりでそこになったんだろう、みたいな1回ちょっとなんか一呼吸おけるみたいなのとかも、けっこう、ジュニア時代の体験というか知っといてよかったなーと思った。

 

ぐ:いいねいいねー。なんか理不尽なこととかさ、どんなに周りがいい人でも、理不尽な事象起きがちだと思ってて。そこに対する体制があるなしで変わるよね。

 

あみ:ぐーちゃん逆に何かある?

 

ぐ:事象レベルでは学びがあるんだけど、自分主体で考えると、「私、広報PRとかそういう仕事しかできないんだ」っていうのが学びで、なんでかっていうと、最初につとめてた会社がそれなりの会社だったんだけど、辞めるときに引き留めをしてもらえたのね。内心はともわれひきとめてくれるじゃん。で、言われたのが、君は、管理職よりも文章がうまい、みたいに言われたんだよね。

 

あみ:へーーー。

 

ぐ:当時持ってたメインミッションは文章書く仕事じゃなかったんだけど、日々ドキュメントを作るっていう仕事はあったから、そこは評価されたってことは、私はもうこの仕事しかできないんだなって思って、思った記憶がすげえある。

 

いやーー。けっこうさ~、なんだろう~、会社員の仕事と個人事業主の仕事って、全然違うたとえば私だと業界、業種みたいなところでずっとやってるけど、すごいリンクするよね。

 

ぐ:Whatというよりhowがリンクする。

 

あみ:結局同じことなんだよね。数値管理でもいいし、言語化でもなんでもいいし、マインドでもいいんだけど、結局一緒だよねみたいな。

 

ぐ:台湾の仕事、会社の仕事両方の視点から、共通する価値が伸びることで、双方フィードバックしているなと思うかなぁ。

 

あみ:わかる。相互が盛り上がるんだよね。

 

ぐ:この先にこんなことが起きたらいいなあってのはありますか?

 

あみ:あーーそうだね、なんかもう本当に今は、なんかねえ、目の前のことに夢中だし、なんだろう。ネガティブな感じで余裕がないみたいな感じっていうよりは、あえて夢中になりたいってとこもあって、自分の中で想像ができない。どうなるんだろう、出も確実に、絶対つながるし、何がつながるっていうのは今の時点ではわかんないけど、確実につながるっていうことは確信できるって感じ。

 

ぐ:えーなんかじゃあ今後もなんか楽しみだね。生きようって思えたね。

 

あみ:ぐーちゃんは?

 

ぐ:あみさんと一緒で、わからないところもありますけど、つながっているっていう確信はあるよね。新卒の時は伝える広めるってことは全く関係ない仕事をしていて、正社員やめて、経歴ロンダリングして笑、台湾のことやったら、会社でも広報になれた。徐々に一つのなんか方向に向かっていけてる気がするから、会社は頑張りたいし、その経験が、台湾のお仕事とか、活動に、楽しくやっていけたらいなって思ってますって感じ。

 

あみ:なんかさー、コアな部分っていうと、色々職種変わってきてはいるんだけど、今振り返って、現在のその会社員の仕事も含めて考えると、わたしって結局、何かと何かを結び付けたいんだなっていう、仕事なんだよね。橋渡し役になりたいみたいな。結局今の会社での仕事も割とその結び付け役みたいな仕事だから。あ、やっぱり私ってそこが好きなんだみたいなのがある。場所が変わっても一緒。

 

ぐ:そこに価値がついてくるって感じだよね。

 

あみ:アジマをやってみて、クリエイターとお客さんをつなげるときに、ただ売りたいわけじゃない。ただ売って、売上の手数料がほしいわけじゃなくて、そこに価値をお互いに見出してつなげたいみたいな。ってことがやりたい。っていうのがすごいつながっていて、結局同じだったんだみたいな。今の会社にいて、そこの価値を自分がつなげたいみたいなのが結局一緒だなーみたいな。

 

ぐ:つながってるんですね。

 

あみ:ぐーちゃんとかもきっとつながってるよね。

 

ぐ:「情報で明日をよりよくする」っていうのができたらすごくいいなって思ってる。

 

あみ:そのキャッチコピーいいね。「情報で明日をよりよくする」。

 

ぐ:一生使うよw

 

あみ:ちょっと私のキャッチコピーも考えてよw

 

ぐ:というわけでお送りしてきました。タピレコのオフレコ、雑談会ということでございました。

 

あみ:はーい!

 

ぐ:タピレコのオフレコでは、皆さまからのおたよりを募集しています。 #タピレコのオフレコ などで、Twitterでご感想をお寄せください。あみさん今日はありがとうございました!

 

あみ:めっちゃたのしかったー!

 

ぐ:視聴者のみなさんにお伝えしたいことがあれば。

 

あみ:そうですねぇ~~~。兼業でいいじゃない!

 

ぐ:兼業でいいじゃない!私からも兼業でいいじゃない。・・・じゃあ、台湾の挨拶で締めますか!それではーーーー

 

あみ・ぐ:下次見!

台湾の「雨」が見える音楽/AKNIT(タピレコのオフレコ #4)

 

2022年4月24日配信、【タピレコのオフレコ #4  台湾の「雨」が見える音楽】の書き起こしをお届けします。

放送に収まりきらなかった笛岡さんへのインタビュー内容も記載します。

 

 

タピレコのオフレコ #4 台湾の「雨」が見える音楽

 

Spotify有料会員の方は、アプリからお聞きいただくと曲をフルサイズで楽しむこともできます。

ご意見、ご感想をぜひ、Twitter ハッシュタグ #タピレコのオフレコ でお寄せいただけますと幸いです!

 

全文書き起こし

 

「タピレコのオフレコ」は、Tapioca Milk Recordsの中村めぐみによる、アジアと音楽にまつわるストーリーを発信するPodcastです。

 

今日は、台湾在住の日本人の音楽家の方による、台湾の「雨」が見える音楽についてお話していきます。

まずは1曲聴いていただきましょう。AKNIT(アニット) で 「Hakuu」です。

 

 

お送りしたのはAKNIT で 「Hakuu」でした。
「白雨」は、 雲がうすくて明るい空から降る雨、夏に降る夕立やにわか雨のことを言います。

ギターポップを軸に、とてもメロディアスなのですが、音数が多いわけではなく、かといって寂しくない、幸せな祈りのような音楽で、癒しというよりも「なんか今日もやってくかー」と思える、前向きさを感じます。

 

ギター、歌というシンプルな構成だからこそ、時々差し込まれる電子音が情感豊かに響きますね。

 

AKNITは、現在台湾の台北を拠点に活動する日本人の音楽家、笛岡俊哉さんによるソロプロジェクトです。

 

AKNITは、「アニット」と読みます。「A」と「KNIT」を繋げた造語で、ひとつの結び目、編み目のような意味です。哲学者ハイデガーの、ある文章からヒントを得ました。
(笛岡さんコメントより一部抜粋)

 

笛岡さんは、台湾に渡航する以前は日本にお住まいで、2002年からフレンチドリームポップユニットmondialitoの作曲者として活動をスタートしました。

 

以来、スウェーデンの音楽家トーレ・ヨハンソンらとともにワールドカップコンピレーションに参加したり、森田童子のぼくたちの失敗をフランス語で歌った「notre echec」(ノートレシェイ)は、韓国の企業LGのCMに起用されたりなどしています。


台湾の関わりとしては、2007年の魏如萱Waa Weiの1stアルバム『La Dolce Vita 甜蜜生活』のプロデューサーとしても参加しています。2008年に台湾、北京、上海とツアーを行うなど、国際的に活躍をしている音楽家です。


その後2013年ごろに台湾へ渡航し、プロデューサー、エンジニアワークを多数手がけています。プロデューサーとしての活躍としては、台湾には「金曲獎」という、台湾音楽界を挙げたアワードというか式典があり、2021年に行われた第三十二回の「金曲獎」では、メインプロデューサーとして参加した柯泯薰(ミシク)の「Drawing Dialogue」はBest Vocal Recording賞にノミネートされています。

 

はい、私がそんな笛岡さんの音楽と出会ったのは、台湾のStreet Voiceという音楽プラットフォームで、「modern love」という曲にたまたま出会ったときに遡ります。

 

「modern love」はAIの視点から人の世界を見るというコンセプトで、「Hakuu」と同様に少ない音数と、笛岡さんによるボーカルのバランスが発する雰囲気がすごく良くて、たった1曲なんですけど、もう恋に落ちたというか。1日50回くらい聞いていた時期があったんですね。そこからインターネットで検索しまくって、AKNITが日本人の方のプロジェクトということを知るという。

 

そんな出会いのmodern loveも流したいんだけど、Spotifyにないので、今日は流せないのでみんなStreet Voiceで聴いてください。

 

 

このPodcast、Spotifyで流れるのにStreet Voiceに誘導するっていう(笑)

 

で「Hakuu」話を戻すと、とても良いなーと思ったので、笛岡さんに直接、コンセプトやストーリーについて聞いてみました。

 

Hakuuのコンセプトは祈るということがどういうことか、というひとつの側面をストーリーは、ストーリーとしては祈りが時間、地理を越えて、どんなふうに届くか、です。

冒頭に出てくる、「遠くの星の少女」の祈りが地球の人々の涙になって、やがて人が何も感じなくなって、AIが存在として残った世界で、遠くの星の少女の祈りが、過去から、そして未来から届いてくるかもしれない…ということです。

 

はじめは、どこから届いたかもわからないなにか(=遠くの星の少女の祈り)が、地球の人々の涙になり、その地球の人々も祈りが涙になった自覚はないのですが、まだそうした何かが現象として現れる、ある意味では救いがあるような段階です。
そして、やがて人々はその涙すら流さなくなって、何かを感じ取るようなこともなくなり…
人々が居なくなった後、AI(冷たい石の記憶)が存在として残った世界で、あの少女の祈りは過去からまだ届いて、ひょっとしたら、未来から届いてくるのかもしれず…
(笛岡さんコメントより一部抜粋)

 

ちなみに「modern love」と「Hakuu」は同時期に作られた曲で、祈りの概念は「Hakuu」と同等になっており、「modern love」のほうは、その祈りの届きと愛の距離みたいなものが歌詞に反映されていると思います、とのコメントを頂いています。

 

また、「Hakuu」のアレンジやサウンドプロデュースをするにあたり、当時作っていた曲は、エレクトロニカというか、グリッチ音を基本的に入れていましたが、それと、ギターと歌というありきたりな音とのバランスには気を使われたり、なんと、マイクを自作したりなどだいぶ苦労していて、当時使ったマイクは、いまも他の方の歌を録音するために使われていると伺いました。

 

もちろん、一から設計はできないので、回路図はコピーしたものですが、パーツの面で色々試したので、その面で大分苦労しました。

(笛岡さんコメントより)

 

さてそんな笛岡さんですが、自然や季節といったテーマの作品を多く手掛けられています。2019年には、中華圏の季節、24の季節にあわせて24曲制作した「24節気」(にじゅうしせっき)というアルバムをリリースしています。


タイトルは、「大寒」とか「立夏」など、あの、カレンダーに載っているアレです。この放送を収録しているのは4月22日で、「穀雨」という季節です。早速聴いてみましょう。

 

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「地上にあるたくさんの穀物に、たっぷりと水分と栄養がため込まれ、元気に育つよう、天からの贈り物でもある恵みの雨が、しっとりと降り注いでいる頃」という穀雨、今の季節とつながる雰囲気を感じることができるのではないでしょうか。

 

また笛岡さんは昨年、2021年に音響の記述をするというコンセプトのプロジェクト「SONUSGRAPHIA」を発表、宜蘭の海や、台北の雨の音を映像とともに記録した作品をYouTubeから見ることができます。
今日は最後に、「SONUSGRAPHIA」から「TAIWAN RAIN SOUND #1」を聞いてみましょう。これまで台湾に行ったことのある方は、旅行中に急に雨に降られた、という経験をしたのではないでしょうか。その時の香りや湿度、その時の気持ちが、台湾の風景とともによみがえってくると思います。

 

www.youtube.com

 

タピレコのオフレコでは、皆さんからのご意見ご感想をお待ちしています。#タピレコのオフレコ でご感想を頂けたら幸いです。それではまた、お会いしましょう。

 

タピレコのオフレコのオフレコ!

祈りがもたらす涙が雨の音として差し込まれる「Hakuu」、稲穂についた緑の滴すら見える「穀雨」、台湾の等身大の雨を記録した「TAIWAN RAIN SOUND #1」、異なる響きを持つ雨の音がそれぞれ気持ち良いなと思います。笛岡さんの活動は要チェックなのでぜひ話を聞きましょう。

台湾出身バンドマン、Caravanity Tomoさんに日本での活動を聞いてみた!( #タピレコのオフレコ #3 全文書き起こし)

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2022年4月17日配信「#3 台湾出身バンドマン、Caravanity Tomoさんに日本での活動を聞いてみた!(Guest: @tomo331511)」の書き起こしをお届けします。

 

 

タピレコのオフレコ #3 台湾出身バンドマン、Caravanity Tomoさんに日本での活動を聞いてみた!(Guest: @tomo331511)

 

Spotify有料会員の方は、アプリからお聞きいただくと曲をフルサイズで楽しむこともできます。

皆さん、ご意見、ご感想をぜひ、ハッシュタグ #タピレコのオフレコ でお寄せいただけますと幸いです!

 

 

全文書き起こし

 

ーーTapioca Milk Recordsの中村による、アジアと音楽にまつわるストーリーを配信するPodcast、「タピレコのオフレコ」へようこそ~!

 

Tomoようこそ!


ーー今日は初めてゲストさんをお迎えしての収録になりますね。というわけでご紹介します。今日は台湾出身、CaravanityのTomoさんに突撃します。よろしくお願いします!

 

Tomoお願いします。どうもみなさんこんにちは。Caravanityのボーカルギター、Tomoと申します。最近のマイブームは2chのおもしろいスレ集を見ることです。よろしくお願いします!

 

ーー日本語が上手すぎて、めちゃめちゃビビってるんですけど、その辺はおいおい聞いていくとして、まずですね、Caravanityのホームページを拝見しますと、「J-Rock Band from Taiwan」と書かれていますが、どういうバンドなんですか?

 

Tomoそうですね、最初は大学の軽音部で邦楽のコピバンやっていたんですけど、2016~17年からオリジナルやりたいなあってなって、同じくその音楽的に興味が近いベースと一緒にやることになって、そのベースがギターを紹介してくれて、ギターが加わって今の3人体制です。

 

ーーということは、音楽性は邦楽がお好きな方が集まっている感じですか。

 

Tomoそうですね、やっていることは邦楽のそれなんですけど。まずジャンル的に言うと、オルタナティブポップですかね。

 

ーー邦楽のバンドで一番好きなバンドは?

 

Tomoバンプオブチキンが大好きです。

 

ーーどんなところが刺さりますか。

 

Tomo曲のメッセージがストーリーを感じるというか、応援しているけど、そっと背中を支えてくれるというのが。まっすぐな応援じゃないけど、ずっとここにいるよ、というのがいいと思いますね。

 

ーーCaravanityはこれまで4曲のシングルをリリースしていると思うのですが、台湾と日本で曲作りをしているとか。どんな風に音楽を作っていくのでしょうか。

 

Tomo基本的に僕がある程度の曲を固めたデモを作って、「こんなの作ったけどどう?」というのを2人に聞かせて、いいじゃんってなったら、そこから制作に入って、曲の段落、Aメロ、Bメロ、ソロについて話しつつ、ベースとギターを弾いてもらって、全員が満足できるまで繰り返して作っていくという感じですね。

 

ーー結構みなさん満足できるまで何回もやったりするんですか。

 

Tomoそうですね基本的に。クラウドにアップして、こんな感じだけど、どう?みたいな。「もうちょっとこここうすればよかったかな」と言って、やってもらう感じですね。

 

ーー普通にバンドをやっていると、スタジオに入ってその作業を行うじゃないですか。私もちょっとだけバンドをやっていた時代があって。大概みんな揉め始めるじゃないですか。


Tomoあーwwwww

 

ーー揉める過程が、クラウド上だとどうやって揉めるんでしょうか。というか、そもそも揉めるんでしょうか。

 

Tomo揉めますね。それは。普通に、そのメッセージとかで、「ここは何なの!?」「そこ、どうなの!?」「お前そのストリングスいらないだろw」みたいな。

 

ーーTomoさんは言われる方なわけじゃないですか。曲を作るんで。言われたときは何て返すんですか?

 

Tomo:「じゃあ、うーん、ストリングス取るか」「やめるか」みたいな

 

ーー基本は受け入れるんですね

 

Tomo文句言いつつ受け入れますね。結構そのやっぱり、デモは大体僕が作っているので、自分が好きなものになっていくので、2人いい感じに壊してくれる。そこが大事なんですね。そうじゃないと、全部僕が好きなものになってしまうので。

 

ーー確かにー。そこはデモを作った人として一歩引いた立場でやっていくということですね。メンバーのお二人について紹介してもらえますか。

 

Tomoベースは台湾でインディーズバンドをやっているんですけど、ドリームポップみたいなのが多くて、最近も新しいバンドを組んだらしいんですけど。

 

ーーなんていうバンドですか

 

Tomo樹屋町 Tree Neighborです。ドリームポップというか、不思議な雰囲気ですね。吸い込まれるみたいな曲ばっか作っていますね。自分も結構好きですね。深夜とか、街中歩いている時にこれを聞くと、割と感じるっていうか。

 

ーーなるほど、ありがとうございます。

 

Tomoで、ギターの方は、「社畜」。

 

ーー「社畜!笑

 

Tomo基本的に忙しいので、音楽は多分このバンドしかやっていないと思うんですけど。凛として時雨がめちゃめちゃ好きな人なんですね。あとTKさんが好きです。そういうあと、メタルも結構聞いている人ですね。割とその自分とベースと違う方向性の音楽が好きな人ですね。

 

ーーそんなCaravnityから一曲お届けします。

 

TomoCaravanityで、「Gemini」

 

www.youtube.com

 

ーーお聞きいただいたのは、Caravanityで、「Gemini」でした。J-Rockリスペクト感があって、要素ごとに聞いていくと「これ進研ゼミでやったところだ…!」というくらい私たちに親しみにある雰囲気で嬉しかったんですけど。この1曲を選んだ理由を教えてください。

 

Tomo単純に今まで公開した中で、一番キャッチ―で、メンバーで聴きやすいので初めて聴く方には良いと思うのと、あとやっぱりそのメンバーと話すと、これ傑作だなってみんな言ってますので、ぜひ聞いて欲しいなと思いました。ありがとうございます。

 

ーータイトルの「Gemini」は日本語でふたご座という意味で、初夏の生まれ星座になるので、これからの季節にぴったりですね。

 

Tomoぜひぜひ聞いてください。

 

ーーちなみにGeminiに込めた想い、ストーリーはどういうところなんですか?

 

Tomo大人になるにつれて、昔の自由というか、夢を追う、自由に追える気持ちっていうか。自由自在の自分がいなくなっていくので、それをまた探し出したいな、という感じですね。心の中の隠れた自分を、探し出したい。という気持ちです。

 

ーー日々けっこう忙しいし、仕事に忙殺されると、本当に自分がどう思っていたのかとかって、忘れちゃうし、その本当に感じていることはあるんだけど、誤魔化しちゃったりとか、しちゃうなあってことが私もよくあります。


Tomo歌詞に書いてあるんですけど、大人になると踊れなくなるの?みたいな。それが怖いのか、僕も怖いよっていうところですね。なのでその自由に行けなくなる自分がその世界が怖いので、隠れるので、いまの自分を怖がらないで、じゃぁ一緒に前に行こうという気持ちを込めて書いた曲になります。

 

ーーちなみにTomoさんは台湾の台東、原住民族にルーツをお持ちだそうなのですが、子供のころってどんな音楽を聞いていたんでしょうか?

 

Tomo原住民にルーツはありますが、お恥ずかしながらあまり触っていない方なんですよね。年数回実家に帰る程度みたいな感じなんですけど。聞いていたのは本当、普通の当時流行っていたドラマの曲ですね。ぶっちゃけその当時は別にそんな音楽に興味を持っていたわけでもなく。まあピアノは習っていたんですね。であの、親はめちゃくちゃ演歌を聞くんですよ。

 

ーーそれは台湾の演歌ってこと?

 

Tomo日本の演歌です。ドライブとかのときも車でめちゃめちゃ流しますので、それが多分日本語の曲とのファーストコンタクトというか。そこからですね。小学校の時。で、中学校の時はマンガとかアニメとか見始めて、そこからアニソンとかめちゃめちゃ聞きましたね。

 

ーー冒頭から日本人のゲストの方かなっていうくらい、流暢すぎて、日本語が。私もビビり散らかしていたのですが、その勉強した方法とかきっかけとか、どういったところですか。

 

Tomo最初はやっぱ、アニメとかマンガとかに興味があって、で、ゲームも好きなので、日本語を勉強してみようみたいなのもあったんですけど、で、その前にちょうど母はめちゃめちゃ日本語を話せるんですよ。日本語を勉強してみる?と言われて、じゃあやってみようと言って、塾みたいなところに行ってたんですけど、そこから興味が湧いてきて、大学も日本語で勉強しようかな、みたいなのがあって。で、大学に入って勉強していましたね。

 

ーーすごいなーと思って聴いてました。

 

Tomo現地行きましょう、現地。その言葉の国に行きましょう。

 

ーー確かに。今ね、ここ京王線笹塚で収録しているんですけど。具体(笑)

 

Tomo具体ww

 

ーー具体wwあの、東京でね、お住まいで働いていらっしゃるということで。

 

Tomoそうなんですね、ハイ。

 

ーーちなみに台湾にいたころは、台湾のインディーズバンドとかはよく聴いていたんですか?

 

Tomoいやー、ほとんど邦楽を聴いてましたね。邦楽しか目にない、みたいな。

 

ーーバンプは神。

 

Tomoバンプが神で、米津玄師、星野源聴いたりとか。あっ、星野源は結構前から聴いてので古参アピールです(笑)

 

ーー古参は、どこからが古参になりますか。

 

Tomoめちゃめちゃ売れる前の2ndアルバム「ストレンジャー」というアルバムがあるんですけど、星野源さんがフォークをやっていたころのアルバムですね。そこから聴いていて。

 

ーーめっちゃ古参じゃないですか。私は恋ダンスからなので、めっちゃ新参ですねwめっちゃうけるw

 

ーーそんなTomoさんのおすすめの1曲を持ってきてくださったとか。早速聴いていただきましょう。

 

TomoFluxで「傑森史塔森」

 

ーーお聞きいただいのは、FLUXで「傑森史塔森」でした。Tomoさん、すごく踊れるノリノリの曲だと思うのですが、まず、FLUXはどんなバンドなんですか?

 

www.youtube.com


Tomoバンド自体はその、エレクトロロックですね。電子音をめちゃめちゃ取り入れているバンドで、どこかUKっぽさもあって、純粋に聞いて楽しい曲なので、個人的に好きな要素が全部詰まっているバンドですよね。

 

ーー私も電子音楽が好きなので、踊れる感じと、繰り返しのフレーズが。

 

Tomoそうですね、めちゃめちゃ好きなんですよ。

 

ーー台湾のバンドなんですけど、良い意味でらしくないというか。バンプが神、星野源古参のTomoさんがこの曲を知ったきっかけは?

 

Tomo本当に偶然で、Facebookで誰かがラップを乗せた曲を聞いて。すごくかっこいいなって。原曲もかっこいいなと思って。

 

ーーなるほど。今日はCaravanityからTomoさんをお迎えしたわけなのですが、今後の目標などはありますでしょうか。

 

Tomoいっぱい曲を出して、皆様に聞いて欲しいところですね。ペースは遅いんですけど、フォローして応援していただけるとめちゃめちゃ喜びます。僕個人でも、最近というかソロプロジェクトというか、自分で曲も作っていますので、そこもチェックしていただけたらと思いました。

 

ーーCaravanityとTomoさんの情報はSNSでフォローできるのでしょうか?

 

TomoTwitterとインスタをやっております。

Caravanity Twitter:https://twitter.com/crvnt_official
Caravanity Instagram:https://www.instagram.com/caravanity_official/

Tomoさん Twitter:https://twitter.com/tomo331511
Tomoさん Instagram:https://www.instagram.com/crvnt_tomo331511/

よろしくお願いします!

 

ーーみなさんぜひフォローしましょう!

ーーはい、それではタピレコのオフレコ、第三回はTomoさんをゲストにお迎えしました。Tomoさんありがとうございました。

 

Tomo:誘っていただいてありがとうございました!

 

ーー次回またお会いしましょう。台湾の挨拶で締めましょうか。

 

Tomo台湾の挨拶…とは…

 

ーーザイ・・・ジェン・・・

 

Tomoあwwそれですねww

 

ーーじゃあいきますよー!

 

Tomo中村:再見!

 

タピレコのオフレコのオフレコ!

日本語が本当に流暢なTomoさん。出演もご快諾いただき本当にありがとうございました!

  • この日は、レンタルスペースを使っての収録だったのですが、思ったよりもラグジュアリーな空間で本当に驚きました(普段はスナックとして営業しているようです)
  • 編集の都合でカットしてしまったのですが、「実はGeminiは歌詞を一部間違って収録してしまい、後から気づいた」というエピソードも。歌詞の文字データは直っているそうなので、曲を聞きながらどこに間違いがあるかをぜひ探してみてくださいね!
  • ゲスト回楽しいなあと思いました。これからも多くのゲストさんをお迎えできるように頑張ろうかなと!出てくれる方連絡下さい!オンライン収録も可能です。

 

ご意見・ご感想募集中

Spotify有料会員の方は、アプリからお聞きいただくと曲をフルサイズで楽しむこともできます。

皆さん、ご意見、ご感想をぜひ、ハッシュタグ #タピレコのオフレコ でお寄せいただけますと幸いです!次回をお楽しみに!

 

拍謝少年(Sorry Youth)のファンミーティングが帆帆魯肉飯で開催されました

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2022年4月10日(日)、東京都世田谷区の帆帆魯肉飯で、台湾のオルタナティブ・ロックバンド拍謝少年(Sorry Youth)のファンミーティングが開催されました。

今回は当日の様子をレポートするとともに、主催者ROCK MADE inc.の木村さん、開催場所である帆帆魯肉飯の店主 唐澤さんの特別インタビューをお届けします。

 

 

開催概要
日時:2022年4月10日(日)
場所:帆帆魯肉飯 https://www.funfunluroufan.com/(〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋1丁目5−17)
主催:ROCK MADE inc.

 

プログラム
17:00 オープニング
17:30 拍謝少年からのコメント上映
17:40 特別上映 『夢夢夢』沈醉式演唱會(約1時間)
18:40 拍謝少年へのビデオメッセージ撮影
19:00 エンディング


会場の様子


この日は、10名限定の会場がほぼ満員。拍謝少年を深く知る方も、最近知った方も、多様な台湾音楽ファンが集まり、17時ぴったりにオープンしました。

 

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(エントランスの様子。拍謝少年のポスターや作品とともにグッズも並び、イベントの雰囲気を盛り上げた)

 

会場では、帆帆魯肉飯の料理はもちろん、拍謝少年と臺虎精釀 Taihu Brewingのコラボビール「嗨口味」を注文することもできます。

 

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(「嗨口味」と帆帆魯肉飯の涼拌干絲)

 

 

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(「嗨口味」を手にする帆帆魯肉飯店主の唐澤さん、友人のYさん)

 

 

イベント冒頭では、拍謝少年がこの日のために撮影したコメント動画が投影されました。

 

動画の内容は、「嗨口味」を手にした3人が、日本のファンに向けたメッセージを伝えるというもの。「今日はファンミーティングにお越し頂きとてもうれしいです。いま僕たちが日本に行けないのが非常に残念で、本当に皆さんと一緒に過ごしたかったです」という挨拶に続き、メンバーおすすめのレストランについて紹介したり、バンド名の意味を冗談交じりに解説したりすると、会場からは温かな笑い声があがりました。

 

続いて、オンラインライブ『夢夢夢』沈醉式演唱會の放映がスタート。

 

このオンラインライブは2022年2月に行われたもので、3rdアルバム『Bad Times, Good Times / 歹勢好勢』の収録曲を中心に披露。アルバムでもコラボレーションしている濁水溪公社のシャオ・クー(小柯)、Tizzy Bacのチェン・フイティン(陳惠婷)、Jen Jen(余佩真)らがゲストとして登場。豪華な演奏風景に加え、世界観の表現を表現するために作り込まれた映像に引き込まれました。

 

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終盤には、拍謝少年へ向けたビデオメッセージの撮影会を行いました。このビデオメッセージは編集され、拍謝少年に直接届けられます。参加者一人ひとりから「素晴らしいイベントをありがとうございました」「次はライブで会いたいです」など、感謝の言葉と来日ライブを待ち望む声が挙がり、イベントは大成功で幕を閉じました!

 

この日参加した、台中出身・日本在住のリー・ユイさんは、「拍謝少年は台湾の文化を発信しています。彼らの曲を聴くと、台湾に対する愛と、台湾のために頑張ろうという気持ちが湧いてきます。日本人、台湾人が集まり、台湾について話す良い機会になったのではないでしょうか」と話しました。

 


スペシャルインタビュー!コロナ禍でクロスボーダーのファンミーティングを行う意義

ここまでお伝えしたように、本イベントは拍謝少年を中心に音楽ファンが集い、大変温かい場となりました。…というわけで、ここからはタピレコ恒例の(?)突撃取材タイム!主催のROCK MADE inc.の木村さん、会場となった帆帆魯肉飯の唐澤さんにお話を伺いました。

 

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(左:帆帆魯肉飯 店主 唐澤さん/右:ROCK MADE inc. 木村さん)


ーーお二人のこれまでの活動と、拍謝少年との関係性を教えてください。

 

帆帆魯肉飯 店主 唐澤(以下、唐澤):2017年から間借りで魯肉飯屋をはじめ、2020年から三軒茶屋にお店をオープンしました。拍謝少年は、2015年の音楽イベント、Taiwanderful(台ワンダフル)でライブを見て以来、すごく好きになってずっと応援しています。

 

ROCK MADE inc. 木村(以下、木村):僕は以前台湾に留学していて、よくライブハウスによく遊びに行っており、音楽をしている友達が増えました。帰国後、某大手レコード会社でプロモーションまわりの仕事をしていましたが、アーティストの顔を見ながら仕事をしたいなと思い、ROCK MADE inc.へ参画。Scott & Rivers、Rivers Cuomoら海外のアーティストを中心にマネジメント、ブッキングをしています。留学時代に台北の「The Wall」というライブハウスを作ったOrbisと知り合い、そのつながりで拍謝少年のリリースを担当しています。

 

ーーお二人から見た、拍謝少年の魅力は?

唐澤:叙情的でしっかりとした歌メロとオルタナティブでクールなサウンドの組み合わせが魅力的で、とにかく大好きです。また、彼らのライフスタイルや社会的な考え方にも憧れています。

 

木村:台湾の匂いが漂うサウンドや、メンバー3人の可愛らしい人柄も魅力的です。活動歴が長い一方でインディー路線を保ち、DIYで自分たちのやりたいことを実現しているところがカッコいいですね。

 

ーー今日のファンミーティング開催の経緯について教えてください。

 

木村:コロナで来日がむずかしくなった状況下で、昨年は神楽坂のTaihu Tokyoで彼らの日本デビュー盤『Bad Times, Good Times / 歹勢好勢』のプロモーションをするなど、できることをやっていました。そのタイミングでTwitterを見ていたところ、やたら拍謝少年を推してくれている、でもレコードショップではない「帆帆魯肉飯」という人がいることに気づきました。ちょうど三軒茶屋のスタジオでリハーサルがあり、一度行ってみようと。

 

実際にお店を訪問してみると、台湾愛に溢れ、本当に拍謝少年を応援してくれていることがわかりました。そんな唐澤さんと一緒に何が実現できるかを考えた結果、ファンミーティングという形になりました。

 

唐澤:2020年にお店をオープンしてからというもの、「自分の好きなことはやってもいいんだ!」と思いながら、自分にできる全ての推し活をしていたら、見つけてもらえたという認識です(笑)

 

ーー開催にあたり苦労したことについて教えてください。

 

唐澤開催日についてはコロナの様子を見ながら、よく検討しました。もともと3月に計画していたのですが、まん延防止等重点措置の影響もあり、4月の開催になりました。告知のタイミングもむずかしかったですね。

 

木村:メンバーとやりとりをしながら、できること、できないことを模索していく中でできることの線引きをした上で、発表できるタイミングを探っていました。

 

ーー今回、コンテンツが非常に充実していますが、こだわったポイントは?

 

木村:何よりも「メンバーと日本のファンの方をどうやったら繋げられるか」ということを考えました。動画のコメントやオンラインライブの上映、物販の手配など、今できることはやりきったと思います。

 

唐澤:彼らから動画を送ってもらえたり、オンラインライブの動画をシェアしてもらえたり、まさか実現できると思っていなかったことが次々と実現できました。本当に木村さんのお陰ですし、感謝しています。日本のファンのことを覚えてくれているのはうれしかったですね。

 

ーー逆に、実現できなかったことはありましたか。

 

唐澤:ファンの過ぎたる願いですが、オンラインでメンバーと日本の会場をつなげて乾杯をしてみたかったですね(笑)

 

木村:リアルタイムでの「乾杯!」についても検討をしていたのですが、スケジュールとの兼ね合いでどうしても実現ができませんでした。次回にご期待下さい!

 

ーー今後挑戦したいことを教えてください。

 

唐澤:日本に住むみんなで協力して、日本のファンも歌える曲を増やしたいです。台湾のライブに行くと、ファンの人が皆全曲というレベルで合唱しているので、私もそれがやりたくて。1曲は自分でカタカナに起こしたのですが、一人の力では限界があるので、日本在住の台湾の方に教えてもらいながら、皆で歌う場を設けてみたいですね。

 

木村:今はコロナでこういう状況ですが、海外のアーティストも日本へ行きたいと言ってくれていますし、日本の方からは来日してほしいという声も挙がっています。両者がちゃんと出会えるように活動していきたいですね。

 

ーーありがとうございました。

 

番外編!Rock Made.Inc 木村さんおすすめの台湾バンド

SPIT! / SPIT!

透明雑誌のギタリスト、Vinceくんもメンバーのカッコいい女性ボーカルハードコア・パンクバンドで、4月20日に1枚目のアルバムが出ます。日本のレーベルからリリースされるので注目しています。(木村さんより)

 

Podcast「タピレコのオフレコ」配信中

「タピレコのオフレコ」では、拍謝少年(Sorry Youth)のファンミーティングの振り返りや個人的な感想をお伝えしています。ぜひお聴きください!

 

【新譜紹介】イーノン・チェン(Enno Cheng)「⽔逆 Mercury Retrograde」。電子音で描く多面的なコミュニケーション

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必ず訪れる、思い通りにならない、理解できないとき。
私たちは行き詰っているのではなく、ただお互いを探しているだけなのかもしれませんね。

總會有那些不順遂也無法理解的時刻,也許不是卡住了,只是我們還在尋找彼此。

(「⽔逆 Mercury Retrograde」のアルバムタグラインより引用、意訳私。)

 

 

羽田から松山空港行きの航空券を探さないことが日常になった昨今。とはいえ心の支えは依然として台湾での思い出で、ふとした瞬間に頭をよぎります。台湾での出会いが、対話が、感情が、モヤっとする現実の中を生きる心の中で、小さく燃え続けるでしょう。

 

そんな思い出の1シーンとして特に忘れられないのが、2019年の春に開催された音楽フェスティバル、大港開唱 Megaport Festivalで見た女性シンガーソングライター、イーノン・チェン(Enno Cheng) のステージ。当時は運よく入手した取材パスの恩恵で、メインステージの袖で、彼女が歌う横顔をじっと見つめていたっけ。

 

そんなイーノン・チェンが2022年3月4日にリリースした新作アルバム「⽔逆 Mercury Retrograde」を紹介します。

 

「⽔逆 Mercury Retrograde」

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1.⼈如何學會語⾔ How the brain got language? feat.Chunho 

2.新世紀的女兒 Daughters feat.Chunho 

3.Speechless 

4.天已經要光 Before dawn 

5.親愛的 Dear, 

6.Duludilida 

7.最好的距離 Distance feat. deca joins 

8.囡仔汗 Baby sweat album version 

9.做風颱 Silver line 

10.或許就變成書裡的風景The scenery feat. 阿爆(阿仍仍)feat.Chunho album version 

11.無⼈看⾒的所在 In our place 

 

 

2009年のデビュー以来、4作目のアルバムです。「海王星」(2011年)、「PLUTO」(2017年)、「給天王星」(2019年)に続き、天体にちなんで「⽔逆 Mercury Retrograde」とタイトルがつけられています。

「水逆」とは「水星逆行」の略語で、自転/公転の関係で水星が逆行しているように見える期間を言います。西洋占星術では「知性とコミュニケーション」を司ると言われている水星が逆行するということで、トラブルの起きやすい期間とも。

 

イーノン・チェンが今回アルバムのコンセプトとして据えたのは、水星が象徴する「コミュニケーション」。収録されている11曲で、コミュニケーションが持つさまざまな側面を表現しています。歌詞は台湾の標準語(台湾華語)ではなく、台湾語で歌われています。

 

前作「給天王星」に続き電子音が多用されている点もポイントで、台湾語の持つ温かみはそのままに、世界観をシャープにまとめた作品です。

 

2曲目収録の「新世紀的女兒 Daughters」は、日本語で「新しい時代の女の子たちへ」という意味で、さまざまな選択を負うときにも自分との対話を忘れないでというメッセージが込められています。冒頭の多重コーラスは爽やかで胸にすっと届き、空を駆けるようなシンセサイザーの音色で楽曲の世界に引き込まれます。音数は少なく透明感に溢れ、聞く人の背中を押し、心を解放します。

 

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続く3曲目、「Speecheless」は、本作のアルバムプロデューサーChunhoによるインストゥルメント。2曲目で描いた大きな世界観で発散した感情やノイズを、蒸気のように鎮めます。

 

日本語で「夜明け前」を意味する、4曲目「天已經要光 Before dawn」は、冷たい怒りとやり場のない憤りに満ちながら光を見つめる主人公の視点で語られる一人称の曲です。全体的に抑揚は少なく、音程は低く、シリアスな雰囲気です。

 

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8曲目、「囡仔汗 Baby sweat」は、2021年にシングルとしてリリースされている楽曲で、赤ちゃんを見つめる母親の目線、無防備で愛しい存在を見つめる感情が書かれた一曲です。本アルバムの中では比較的電子音は控えめで、ピアノやアコースティックギターの音色とともにイーノン・チェンの温かい歌声を感じることができます。

 

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10曲目の「或許就變成書裡的風景 The scenery」。情報やレッテルに溢れる時代に、「自分という花」を咲かせることについて歌われています。原住民族出身のシンガー阿爆 ABAOとコラボレーションし、3種類の言語が使われ、まさに言語を超えてロマンチックに歌われます。阿爆が参加したことで楽曲にはソウル、R&Bのテイストが加わり、これまでのイーノン・チェンの作品では見られない表現を感じることができるでしょう。

 

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本アルバムにはイーノン・チェンと親交がある南瓜妮歌迷俱樂部のギタリストChunho(何俊葦)がプロデューサーとして参加し、ボーカルプロデューサーにはシンガーソングライタ―であり、ラジオDJとしても活躍するciacia 何欣穗を迎えました。

 

また、彼女の父であり映像監督であるウェンタン・チェン(鄭文堂)、ベテランバンドであるザ・チェアーマン(董事長樂團)のメインボーカルであるウー・ユンチー(吉董)、歌手のツートーピー(豬頭皮)の3名が台湾語の指導にあたり、発音面でも慎重に作りこまれています。

 

deca joins、阿爆 ABAOなど旬なアーティストともコラボレーションした本作は、アルバムコンセプトの通り、様々な隔たりを超えて、優しい距離感でコミュニケーションをする様子を描きます。新しい時代、他人や自分自身との関わり方を築いていける可能性を感じさせる「⽔逆 Mercury Retrograde」は、聞き手の心をニュートラルにさせるでしょう。

 

おすすめは「新世紀的女兒 Daughters」。多重コーラスのところ、真似したくなるー。

台湾にはA-meiもJolinもいるけど、Björkみたいなスターはまだいないー9m88インタビュー

 

この記事は、台湾の現地メディア、Fresh Musicに2020年7月26日に掲載された「我們有了阿妹有了Jolin,但還沒有像Björk的Star — 專訪9m88」を許可を得て翻訳したものです。記載されている情報はすべて当時の情報に基づきます。

 

9m88は、台湾大手カラオケチェーン店「好楽迪」が主催するカラオケコンテストに参加したことがあり、審査員はSweety(*)だった。

 

9m88 インタビュー

BY:老黃瓜  | 写真: 方塊雲吞 + 9m88 Facebook  | 感謝: Cross Ratio Entertainment

 

*注:Sweetyとは、台湾を中心に中華圏の芸能界で活躍する女性歌手グループ。

 

去年の中国語音楽シーンのスーパー新人は9m88で間違いない。ソロアルバムが発行される前から、Leo 王との「あなたの休日に付き合う(原題:陪妳過假日)」を含め、異郷人との「SWAG昼寝(原題:SWAG午覺)」、呉青峰の「Everybody woohoo」、ØZI「B.O.」、蛋堡の「台北ヒップホップ物語(原題:台北嘻哈故事)」などのフィーチャリング作品があり、9m88に対する期待値はすでに最大に到達している。彼女のライブはほとんど売り切れで、鮮やかなミュージックビデオと個性の魅力はすでに、教祖レベルだ。

 

9m88は誠実で率直である人なので、このインタビューもストレートな聞き方で、これまで経験したことだけではなく、他者が彼女に抱いた疑問も並べ、本人はどう考えたかも明らかにした。彼女の落ち着いた返答から、私が見たのは:A Star Is Born

 

ーーファーストアルバムは、制作と編曲をほとんど自分でやるというプレッシャーがあったようですね。どうしてこのやり方を選んだのですか?

 

9m88:適切なプロデューサー、適切なA&R、適切な歌を探してくれる人を見つけるのは簡単ではないですから。時間をかけてリソースを探し続けるより、自分でやってみようと思っていました。だって皆さんが期待してくれて、注目を浴びるようになってから二、三年間経っていたのに、なかなか自分の作品を出すことができなくて、私もかなり焦っていましたから。

 

やり始めた後に、たくさんのことを並行してやらないといけないし、難しいことにもぶつかりました。プロデューサーを探して協力してもらえて、たくさんの人に助けられて、とても感動しました。

 

ーーあなたにとって、一番難しいのはどこでしたか?

 

9m88:一番難しいのは、歌手のマインドセットから、プロデューサーのマインドセットに変換すること。プロデューサーのマインドセットの役割はミュージシャンやマネージャーとコミュニケーションをとることで、たくさんのこと、たくさんの会話をして、音楽以外のことをどうやって進めるか、ちゃんとしたプロセスを推進し、たくさんの細かい調整をしなければなりません。

 

それからミキシングの時は、創作段階と違って、耳をフラットにして聴くことが求められます。私のボーカルを一番目立つところに置くことではなく、音楽のどの部分を目立たさせるか、この考え方はどんどん変わるようになりました。また、マスタリングの時も違って、たくさんの先生や先輩から新しい考え方をもらいました。このプロセスを経て私の耳は前より開いた気がしました。

 

ーーたくさんの人から質問されたと思うけど、アルバムの名前はなぜ「平凡以上(原題:平庸之上)」なの?

 

9m88:たくさんの人は、初めてのアルバムに「誰々の初めてのアルバム」と名付けると思うんだけど、私は、自分に近い名前が欲しかったのです。「平凡以上」という曲を書く前に、このアルバムを「平凡以上」という名前にすることはもう決めていました。私の二十代がそろそろ終わるという気持ちを表しました。私は、早く突き抜けた存在になりたかったけれど、複雑でもがくこともあり、越えたくても越えられない気持ちがありました。

 

そんな自分を慰めるために、私と同い歳の人も歳上か歳下の人も、全ての人が自分の平凡以上を探し続けているから、このタイトルで、自分を制限しないことと、もし突破しても、60点以上で合格しても、もっと向上できる余地があることを伝えたかったのです。

 

「凡庸」というのは、「I am the best」でも「I am the worst」でもない、大きな可能性を秘めた言葉だと思うんです。

 

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私は音楽を聴くとき、とてもリラックスしていますが、自分のやりたいことを追求する時には、自分を疑ってしまうのです。多くの人が、私と同じように感じているでしょう。気になるところやはっきりしないことがあっても、このあいまいさを口にする人は多くなく、たいてい私が困っているか興奮しているのです。でも、私はこのグレーゾーンが好きです。

 

9m88と好楽迪とオーディション番組「超級星光大道」

 

ーーかつてオーディション番組に参加することは、デビューする唯一の方法で、多くの歌手はコンテストに参加していました。これまでそういうコンテストに参加したことはありますか?

 

9m88:ありますよ!最初の2,3回ぐらいは学校で、1回は中学の時、好楽迪のカラオケコンテストです。そしてとても面白かったのは、そのコンテストのプレゼンターはSweetyの、言言と喬喬でした。私は今この業界で働いて、2人に会ったときに、とても面白いと思って彼女たちにこう言ったんです:「Hey、知っていますか?私の初めて参加した正式な歌のコンテストであなたたちはステージの下にいたのよ」。実はあの時、彼女たちはとても若く、15歳か16歳でした。

 

その時私はとても緊張していたけれど、お母さんが私を連れて行ってくれたことにとても喜んでいました。なぜならお母さんは私をコンテストに参加してほしくないと思っていて、スターの夢を持たず、ちゃんと勉強した方がいいと言われていたからです。しかし、その時のコンテストで私が気づいたのは、プロの歌手になるまで、私はたくさんの課題があることで、私には一体プロになれる素質があるか、自問自答していました。

 

テレビ番組では、オーディション番組「超級星光大道」に参加したことがあります。その時の番組はとても人気で、私も参加しに行ったけど、結局続きませんでした。その時はすでに大学に通っており、自分が何をやりたいかはわかっていたですけど、こんな形で夢を叶えたいとは思っていなかったですから、参加し続けるのをやめました。新しいやり方を探そうと思っていました。

 

ーーあなたが「超級星光大道」に参加したことあるなんて!どんな感じだったかを覚えていますか?

 

9m88:オーディション行ったら、スタジオに入って撮影することになったんだけど、逃げてたい気持ちになったのを覚えていますよ。当時はとても臆病で、緊張していました。モニターの前で皆さんに詳しく見られることは、とてもプレッシャーでした!

 

アルバムをリリースした後に、音楽バラエティー番組「聲林之王」に先生として参加していたんですけど、実はとても感動しました。10時間以内に全ての課題を完成させることに対する参加者たちのプレッシャーへの耐性が強いのを見て、とても素晴らしいと思いました。

 

もし私が昔オーディション番組「超級星光大道」に参加したとしたら、トップ5までいけなかったと思います。コンテストに参加する観客たちに見られる資質が必要となり、それらはスタイリッシュか、自分の考え方を持つということとは、違うアプローチだと思います。

 

あの時の歌唱力と考え方では、おそらくトップ5になることは可能ではなかったと思います。もしトップ5ではなく、もっと悪い順位だったら、レコード会社と契約を結べたとしても多分凍結されていたでしょうね、ハハハ。たくさんの参加者にとって、出演したときには人気で熱い視線が注がれても、番組が終わってから成功するのはほんのわずかというのが現実です。

 

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ソーシャルメディアの時代で、スターの定義も変わり続ける。

 

去年の11月、ジョリン・ツァイやレイニー・ヤンのマネージャーとして有名な蒋哥(蔣承縉)は、とあるインタビューで9m88のことを話していた。彼はその時に、台湾の今の流行音楽マーケット、セグメントマーケティングの問題について述べた。

 

例えば、9m88は3000人規模のコンサートを3回開けるが、もっと上に行こうとしたらどうなるの?行けない。なぜなのか?彼女のオーディエンスしか持っていないから。リソースがあるマネージメント会社かレコード会社が彼女を宣伝すれば、メインストリームに行けるはず。

 

これは台湾の新しい世代の若者たちが人気があるのに大成できない原因である。彼らは自分の主張が強すぎるし、このままでいいと満足している。9m88、Leo王は多分「最高品質靜悄悄」がすでにかっこいいと思っているだろうから、なんでもっとプロのパッケージが必要なの?と思うはず。これは正しいか正しくないというのはない、私から見ると、今は、KKBOXでナンバーワンになっても、それはメインストリームではない。昔我々が言ってたナンバーワンが、全ての人がこの歌に詳しいということは、今はあり得ない。

 

このインタビューで語られたことをもとに、9m88にスターの育成について聞いた。

 

ーー蔣哥のコメントにどう感じたかを聞かせてください。リソースのあるマネジメント会社からのサポートが本当に必要?

 

9m88:昔、音楽プラットフォームでのリスニングセッションで、「なんでこのような音楽を作るか」「他の人とのフィーチャリングで、もっと人気な音楽を作りたいのか」「なんであれこれ試してみたの?」「何になりたいの?」と聞かれていました。

 

少し考えてみたら、私は阿妹になりたかった、その結果に至るまでにどういう道を歩むかだけの話なんです。言い換えると、台湾のマーケットには阿妹、Jolinとかのスターはもういるけど、Björkみたいなスターはまだいない。そのようなスタイルになりたい、自分なりに好きなやり方で努力をし続けます。

 

今はソーシャルメディアの時代で、これまでのスターの見え方が変わっていて、多様なスタイルがあってもいい時代になりましたね。完璧な人間にはなれないですけど​、​リアルで自分の考え方があれば、評価してもらえるんです。

 

このような形で発展していけば、新しい道が開かれます。中華圏じゃないところ、例えば、日本、韓国、最終的には英語ができる欧米の国に聴いてもらえるよう、たくさんの努力が必要です。これは中華圏のスター作りの考え方と大きく異なります。

 

一方、リソースとA&Rを強化することで、もっと目標を達成しやすくなることはある意味賛成です。私の役割として、適切なA&Rを持つことは重要ですが、スーパースターを生み出すことに成功した人を探し、その成功体験を私に置き換えることはできないはず。 個性が違うから、表現が違うから、それは不向きだと思います。昔のスターにはロールモデルあるかもしれないですが、Leo王や私に通じるアプローチが自己表現と自己実現は、世間のためのスターとは違うと思います。この考えを理解してくれるパートナーを探すために時間がかかるはず。

 

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フィーチャリング女王の爆誕と期待値とのギャップ

 

ーーあなたはフィーチャリング作品がとても多いのですが、それぞれのコラボレーションのきっかけを教えてください。

 

9m88:それは不思議で、私はLeo王の音楽が好きで、コラボレーションしたかったので、共通の友達を通じて連絡を取りました。中華圏で私のような中低音ボーカルの女性は少し特別で、このスタイルはあの時にそんなに多くないと言われるようになったのは意外でした。

 

その後、たくさんの人からコラボレーションの誘いを頂くようになりました。異鄉人、馬念先,吳青峰からも声をかけてもらいました。実はもっと多くのオファーを頂いたけど、彼らからスタイルや創作の方法など学べることが多かったので、ぜひ一緒に仕事をしたいと思いました。

 

ーーフィーチャリングの作品で皆さんの期待値が上がった分、音楽業界の人を含めて、あなたのファーストアルバムに対して「ちょっと違うんじゃないか」と思った人もいると言われていますよね。

 

9m88:それは同感です。最初に言ったように、初めてのアルバムは相応しいプロデューサーとパートナー見つけられなかった。確かに、マーケット的には、出来が良いアルバムではないけど、私にとっては私の創作のアウトプットと経歴から言うと、とても良いスタートが切れたと思います。私はこれからいろんなスタイルに挑戦できると思います。少し遠くから見ると、この作品を作ったことで満たされ、目標も達成したと思います。

 

13回目のFreshmusic Awardsで、9m88は最優秀新人賞にノミネートされました。成績は今晩の7月31日の10時にFreshmusic音楽雑誌のFacebookとYoutubeにビデオで発表される予定です。

 

翻訳:A-日本在住の台湾人。Twitter: taiwanmusic2 / IG:playasong95

編集:中村めぐみ

「台湾音楽日々」トークイベントありがとうございました!個人的な振り返り!

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タピレコの中の人ですー!

10/30、Taiwan Beatsプレゼンツ「台湾音楽日々」トークイベントにゲストとして出演してきました。

土曜日の夜、お忙しい時間にご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。

100名くらいお申込みいただいていたと聞きました。すご。

当日リアルタイムのご都合が合わなかった方には、これからアーカイブ配信があると聞いています。ぜひご覧いただけましたらと思います!

 

配信サポートをしてくださった日本橋誠品の皆さま、企画協力いただいたHarmony Fieldsさん、そしてTaiwan BeatsのBrien、飛飛さん、デザイナーさん、全方向感謝です!

 

私は初めてのオンライントークイベントへの登壇で至らなかったところが多々あると思うので、そこは率直なフィードバックをぜひ下さい!と改めてお願いするとともに、登壇者のひとりとして、個人的な振り返りをできたらと思うのでお付き合いください~。

 

 

気づき1:タグ付け投稿めっちゃ嬉しい!

今回、実はノートPCでカンペとTwitterを時々チラ見しながら登壇していました!

 

遊んでいたわけではなく、配信に何かあったときにいち早く情報をキャッチしたかったのです!その心配はなかったわけですが、、、!

 

で、めっちゃ嬉しかったのが、タグ付け投稿です!

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、投稿する手間とかを費やしてもらえるのがそもそも嬉しいですし、見てくれてる方がいる…!!っていうのを実感できるのも嬉しかったし、あとは音楽が好きな方の感じ方をシェアしてもらえるのが私にとってはすごい新鮮でした。

本当にありがとうございました!

 

 

こちらはちょっと笑いましたw タピレコ、実在の人物です!笑

 

気づき2:放送中のハプニングはめっちゃ起きる

一般的に本番での予想外のハプニングはよくあると言われているのですが、本当に起きるんだなぁと思いました。私が不慣れだったから予想できていなかったとも言えますが…。

 

で、そこで感動したのが日本橋誠品の配信スタッフさんのフォロー力と気遣い力です。

マイクの調整、現場の装飾、最後のレコード開封の儀でのワチャワチャ、そして精神的なところなど全方向に濃やかなサポートを頂きました。

 

私も本業ではPRイベントに企業広報側として携わる機会が大きいので、参考したいなーと!

あと、日本橋誠品でたくさんお買い物します!!

 

気づき3:プレゼンテーションスキルとトークスキルは別物

トークイベントで求められるスキルへの理解が深まりました。

 

私は普段、起業家のプレゼンテーションや、専門的なセミナーをオンラインで視聴することが多いです。そのため、ベンチマークが頭のネジのぶっとんだ起業家だったり、専門家の方だったりで、「私、上手く話せない…どうしよう…」と相当ビビりちらかしていました。

 

でも実際に登壇してみて、「一人で間を持たせること」が最優先のスキルではないと気づきました。

 

このことに気づいたのは、リハーサル後の出来事です。

私は本業で人の話を聞く機会が多いため、今回のリハーサルでも「なるほど」「たしかに~」など相槌兼茶々を入れがちで、リハーサル中もSonnyさんやエビナさんの話に相槌を打ちまくってました。笑

この動きについて、リハーサル後にHarmony Fieldsさんから「中村さんの相槌よかったですよ!」と、おほめ頂きました。そのおかげでだいぶ心が軽くなりましたねぇ~。本番中にも意識して、ガヤを入れてました(笑)

 

 

トークイベントでは、一人で間を持たせる必要がなかったのですね。テーマに沿って、一緒に登壇する方と楽しくお話し、相槌や話題を広げることで、視聴者の方に楽しく聴いていただけるスキルが必要だと改めて知りました。

 

とはいえまだまだなので、次の機会が(もしあれば)色々研究してみようと思います。あればですが!

 

気づき4:ベネフィットセグメンテーション

ちょっと気が早いかもしれないのですが、台湾の音楽シーンにまつわるコンテンツについても、ベネフィットセグメンテーションを意識していく時期なのかな?と思いました。

 

台湾の音楽関連のイベント(特にコンテンツ系)では、「台湾音楽に興味がある人!」というペルソナがあるようでない状態で進行し、1つのイベントにさまざまなニーズを持った方に集まっていただくことが多いのかなと思っています。それはもちろん否定しないっす。n=いくつですかって話なので。。。

 

今回もどちらかといえば、1.5時間の中に初めて台湾に触れる方向けの情報と、中上級者向けの情報が混ざっていたかも~、と改めて振り返って思います。

 

ただ、台湾の音楽についてのコンテンツもWebや雑誌を中心に少しずつ増えてきていますので、2022年はある程度大掛かりなイベントでもしっかりベネフィットセグメンテーションをしたうえで企画設計しても良いのかなーと思いました。

 

というわけで

初登壇ということで、色々拙い面もあったかなーと思うのですが、改めて皆様ありがとうございました!

 

個人的な話をすると、台湾出身で音楽にお詳しいSonnyさん、そして仲良しのエビナさん @SW_ebina と一緒に登壇でき大変貴重な機会でした!絆深まった~。

 

今回の学びを活動に活かしていけたらと思います。でも目立つの恥ずかしいからしばらくネト充に戻ります…^^;;;

 

最後に、いちばん熱く語らせていただいたポストロックの部、ギターの王さんがVTRにも出演してくれた荒山茉莉の水沒之都を聞いてください!!うおお!それでは再見。 

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Interview:「自分が彷徨う時に、音楽に何回も救われて生まれ変わってきた」ゲシュタルト乙女

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コロナ情勢下で、もどかしい想いで日々を過ごしています。こうした中、台湾のバンドが日本に向けて情報発信をしてくれると、つい目を通してしまうものです。

 

ゲシュタルト乙女のアコースティックライブツアー、「di/verse」が決定したとの連絡を受けたのは、2021年4月。印象的なツアーポスターは、月刊コミックビームにて『緑の歌』を連載中の高 妍(ガオ イェン)さんによるもの。

 

その後コロナ情勢の変化の中で、ツアーを延期にせざるを得なくなるも、変更後のツアー日程が11月6日、7日、27日に決定しました。

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ゲシュタルト乙女は、日本デビューをした当初、「日本語で歌う台湾のバンド」として主に台湾好きの方へ認知されていました。

 

現在は「このバンドめっちゃ良いと思って調べたら台湾のバンドだった!」という声もSNSで多くみられ、日本の音楽ファンに浸透しつつあります。そんなゲシュタルト乙女と久しぶりのインタビューをお楽しみください!

 

 

 

音楽で伝えるイメージと、ロジカルな楽曲づくりで完成する世界

ーーまずは6月4日に公開した「生まれ変わったら」のMVについてお話を聞かせてください。TwitterでMikanさんは、MVの仕上がりがイメージにぴったりと仰っていましたが。

Mikan:元々、(映像作家で、今回MVのディレクターを担当した)アラユさんの作品がとても好きで、安心して全部をお任せると思っていたので、あえて撮影内容について具体的に討論をしませんでした。

 

出来上がったMVをはじめて見たときには、歌詞を書く際にちょうど頭に浮かんだ灰色の樹海のシーンがそのまま映像化されていてとても驚きましたし、不思議だ!と思いました。言葉を交わさなくても音楽で通じる部分もありますね。

 

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ーーありがとうございます。このMVや、歌詞の世界にも表れているように、Mikanさんには独特な世界観があると思います。Kaiakiさんが音楽制作面で心がけていることはありますか。
 
Kaiaki:これまでゲシュがリリースした曲の構成はほぼ僕が自力で作っていて、曲を制作する際に、何点か把握してから制作を進めることがあります。
 
一、メンバーと自分の好みを掴んでどんな曲を作るか、目標を立てる
二、リズムとメロディーを重視する。
三、歌いやすいメロディーにする。日本語のわからない台湾のリスナーでも、メロディーで自分たちの曲を気に入ってもらいたいと思うためです。
四、Mikanの歌声は特別で、台湾のポップスシーンよりも日本の音楽のポップスのスタンダードが合うと思うので、アレンジする際には中高音域に対しての配置を多く時間をかける。
 
こんな感じでしょうか。
 
ーーロジカルだ…。ちなみにMikanさんはJazzmasterを弾かれていますが、このギターを選んだ理由と、よく使うセッティングを聞かせてください。また、バンドアンサンブルの中でKaiakiさんとの対比を出すためにどんな音作りをしているか、そしてヴォーカリストの立場からは自分のギターサウンドとの関係性について何か意識している事があるかお聞きしたいです。

 

Mikan:ジャズマスターの、エレキとアコギの間の音の部分と、気軽に弾いても自分が表したい音を出せるところはとても好きです。

繊細面を持つ多変化な音を描くKaiakiのギターリフはまるでクリームソーダのアイスクリームのように、曲の上層に綺麗に乗せて、私の方はメロンソーダでバックで安定したシュワシュワな音を目指して音作りしてます。

 

ギターの音は自分の歌と被らないようにEQを調整したりしてます。また、ケーブルはKAMINARIのを使って、より透明な音を追求しています。

 

ーーなるほど。ちなみにKaiakiさんは好きなギタリストとかいらっしゃるんでしょうか。「生まれ変わったら」のイントロが衝撃的なので気になりました。

 

Kaiakiyngwie malmsteen、Marty Friedman、guthrie govan、Jimi Hendrixを尊敬してます。

 
ーー「生まれ変わったら」の制作で特に思い出深いことはありますか。
 
Kaiaki:そうですね…。制作については沢山の思い出がありますね。例えば実は「生まれ変わったら」は、リリースの一年前にとっくに完成していたのですが、夢を追いかける途中で傷だらけでも前に進む、切ない雰囲気を作りたくて、リズムや細かい部分はちょっと自分の中に納得できない部分があって、何度も修正しました。
 
ーー皆さんがこだわった結果、歌詞とサウンド、MVひとつひとつの点が、一つの世界を築いていると思います。色あせない魅力を感じています。
 

アコースティックと台湾のレトロな雰囲気が一致

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ーー今回、「di/verse」ポスターに込めたイメージ、想いを教えてください。

 

高 妍:Mikanさんのお誘いで今回ツアーポスターを描かせていただきました。普段、忙しい日々送ってますが、音楽に関わる仕事にはとても憧れていたので、声を掛けていただいた際は本当に嬉しく思いました。また、バンド側とのやり取りの中でもとてもスムーズで完成しまして、とても感謝してます。


ーーメンバーの2人とはどんなやりとりを?

 

高 妍:当時メンバーたちの要望は「台湾のレトロな雰囲気」ということでしたので、ベスパのバイクに乗って花柄のドレスを着た女の子を描きました。背景はトタン建物のような、少し荒涼としたシーンです。

ポスター以外、シンプルな動画MVの制作にも協力しました。その曲の歌詞の冒頭にある「風が君の頬に掠れた」というフレーズが、私にインスピレーションを与えてくれました。女の子に髪の毛がはためくように見せることは素晴らしいと思い、構図が浮かんできました。

 

ーー高 妍さんは、ゲシュタルト乙女以外にも、台湾のインディーズバンドがお好きで、雑誌でも紹介していましたよね。

 

高 妍:台湾では現在コロナウイルスの影響されまして、ゲシュタルト乙女のイベント自体は延期になってしまいましたが、最近は情勢も段々落ち着いて、色んなライブが開催できるようになってきました。音楽好きの一人の観者として、とても楽しみにしてますね。

 

ーーありがとうございます。続いてMikanさんにお聞きします。ツアータイトル《di/verse》の“di”と“verse”の間にスラッシュ“/”を入れた意味は?

 

Mikan:di/verseとは「さまざま、色々」という意味を持つ造語です。diは英語の「分裂、違う個体」との意味、またverseは音楽用語のヴァース(主題)との意味もあります。別々のアーティストたちと交流する際には、ゲシュのすべての曲のように、1曲1曲はそれぞれの世界であり、それぞれ違う個体だけれど、一人ひとりの世界には別々のストーリーがあり、それぞれが曲を解釈することで、誰もがストーリーの主人公になれるという意味を込めました。

 

ーーなるほど。Mikanさんは以前「人に寄り添う楽曲を作りたい」とYouTubeのインタビューで発言していましたが、そう思うようになったきっかけや原体験はありますか。

 

Mikan:自分が彷徨う時に、何回も音楽に救われ、生まれ変わってきました。「いつもゲシュの音楽に救われてる、前に進む力になる」とファンの子がカードやメッセージを送ってくれてます。そんなメッセージを読むたび、強く思いますよね、人に寄り添う楽曲を作りたいって。

 

ーーありがとうございます。同じインタビューで、人と人との距離感について仰っていたと思うのですが、そもそも人と人との距離感を感じるのはどんな時ですか。

 

Mikan:人間が生まれてきて、自分一人の個体として生きて、自分以外の他の生命を認知した時点で、人と人の距離が生まれると思います。一人暮らしし始めた時に、より深く感じますね。

 

ーー因みに、今回のツアーで、ライブ映像をyoutube等にアップする予定はありますか? いま台湾へ観に行けない日本のファンとしては演奏している映像が観れるととても嬉しいのですが…。

 

Kaiaki:今は一旦延期状態なってますので、di/verseのツアー現場映像での撮影も考えておりますが、実は色々変化がありそうでまた確定で動画をアップすると言えないのですが…。

 

ーーツアーの延期は残念ですが、高 妍さんとゲシュのコラボレーションが見られるということでとても楽しみにしています!


これからのゲシュタルト乙女について
 

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ーーこれまで、日本と台湾で音楽活動を展開していますが、音楽ビジネスで似ていると思うところ、異なると思うところを教えてください。
 
Kaiaki:ジャンルかな。台湾人はジャンルを問わず、流行りに乗って話題になってる音楽しか聴かない子がどんどん多くなってます。
日本だとジャンルから分けて聞く人が多いかなと思ってます。


 
Mikan:SNSかな?日本では多くの方がTwitterをやっていて、台湾ならFacebookが多いですね。
告知内容の対象によって出し分けをしていて、ラジオ系の告知はほぼTwitterで告知しておきます。
それから日本と台湾ともかく、海外のファンもよくInstagramを使用しまして、海外ファンのためにたまに英語で告知したりもしてます。
 
 
ーーコロナ禍でも、日本へ積極的に情報発信をしていると思います。コロナ禍が終わったら日本の訪れたい場所、演奏したいライブハウス、その他やってみたい活動を教えてください。
 
Mikan:今年はすごく光栄なことに、北海道AIR-G'FM80.4のスパクル!!cool beats & pop life』の中のコーナー「しゃべりたいわん」を担当することとなりまして、台湾の音楽、文化、グルメなどを紹介する番組を一緒につくっています。まだ北海道行ったことなくて、番組でのお仕事を通して、北海道への愛が溢れてます。コロナが落ち着いたらダッシュで駆け付けたいです!
 
ライブしてみたい箱は下北沢のGarageです!Garageに出演しているのは好きなバンドばかりなので、憧れて自分も出てみたいと思いました。また、隣の「サムライ」でカレーを食べたいです!フェスかサーキットイベントなどにも出たい。


 
Kaiaki:日本の隅から隅まで全部ライブしに行きたいです。FUJIROCKにも出たいですし、夢は武道館!(笑)
 

ーーこれまで何度かメンバーチェンジをしていますが、次にメンバーが増えるとしたらどんな人がいいでしょうか。
 
Mikan:アニメの「僕のヒーローアカデミア」の中のキャラクターで、3年生のミリオ先輩みたいに、強くて、空気を読めて、楽観的な人がいいな!ずっと笑顔で一緒にバンドの未来を迎えられる人!
 
Kaiaki:向上心を持って色んな角度で物事を見ることができて、良いコミュニケーションを取れる人がいいです。もっとも大事なのは、時間をかけて自分のスキルを精進する人がいいなと思います。
 
ーーありがとうございます。早くライブハウスでお会いしたいですね!

プレス資料全文掲載:台湾のインディーズ音楽アワード「金音創作奨」

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台湾のインディーズ音楽アワード「金音創作奨」についてのプレス資料が届きました。全日本語で気合の入った文章、なので余すところなく掲載します。

 

ちなみに長いので三行でまとめると

・11月6日にインディーズ音楽賞、「第12回 金音創作奨」授与式が台湾高雄市の高雄流行音樂中心 Kaohsiung Music Centerで開催されます。

・日本からは東京発台湾行きオリエンタルギタートリオ「東京中央線」、CHAI、
EIKO+ERIKOの作品がノミネートされてますよ

・司会、プレゼンター、審査員長らの関係者は台湾インディーズ音楽シーンで活躍してるすごい人です!みんなチェックしてね!ノミネートリストもね!

 

以上。

 

ちょいちょい初見殺しなのでゆるく解説挟んでいきますね~

 

要約版はナタリーで!

natalie.mu

 

台湾インディーミュージシャンの可能性を広げる祭典 第12回「金音創作獎」ノミネートアーティスト発表 現在の音楽トレンドとなるGIMA

 

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台湾で開催されるインディーズ音楽アワード「金音創作獎」の2021年ノミネートアーティストが発表された。

→発表日は10月7日ですね。

 

2010年に設立され、その独自の視点で音楽クリエイターたちを支えてきたミュージックアワード『金音創作獎 Golden Indie Music Awards』(GIMA)は、今年で12回目の開催となる。 台湾とアジアのミュージシャンの交流も多くなる昨今、日本を代表する音楽プロデューサーの亀田誠治氏は第11回目の審査員を務め、ORANGE RANGEやSuchmosが海外スペシャルゲストとして招かれライブパフォーマンスを行った。

 

このへんのツイートです。

 

亀田さんは2019年に審査員で、2020年はゲストライブのゲストに呼ばれてるっていう。

 

アジア各国を繋ぐGIMAは、アジアインディー音楽シーンの成長にも着目をしている、権威あるアワードである。今年度には、昨年より台湾以外のアジア各国のインディーミュージシャンに贈られる部門として新たに設立された「亞洲創作音樂獎」を含め、音楽ジャンルや言語、各演奏者に対してなど21部門に渡って受賞者が決定される。

 

これ何が「権威ある」かというと、行政のサポートによりスケール大きく開催され、流行音楽のアワード金曲獎とともに台湾の二大音楽賞として扱われている点です。

 

また記事にも触れられている通り、海外プロモーションに力を入れている2019年以降は、よりアジアのインディーを扱う音楽賞として独特の立ち位置を築いているように見えます。

 

今回のノミネート発表では、司会は台湾のインディーズシーンで長年活躍し、過去には日本公演も複数回行い、日本語アルバムもリリースした「旺福 WON FU」のボーカリスト瑪麋 Mamiが担当。 審査員長は第31回金曲奨(Golden Melody Awards)にアルバム賞と原住民語アルバム賞、楽曲賞の三冠に輝いた人気アーティスト阿爆ABAOが担当することが発表され、驚きを与えた。プレゼンターは第11回目でベストシンガーソングライター賞を獲得した許哲珮Peggy Hsu、第8回目でベストシンガーソングライター賞を獲得したEasy Shen、そして第9回目でベストアルバム賞を獲得した新世代のラップアーティスト春艷 Chunyanが務める。

 

阿爆ABAOはパイワン族出身の原住民アーティストで、原住民音楽の保存と進化に取り組んでます。

これ何が「驚き」なのか分析してみたんですけど、実力あるとはいえ比較的新人なので審査員長に抜擢されたのがすごい(台湾的な驚き)

 

あと昨年からの連続性で言うと、阿爆ABAOは昨年の金曲賞もさることながら昨年の金音創作奨で司会でもあり、「kinakaian 母親的舌頭」で最優秀アルバム賞を受賞していますね。

 

因みに賞には直接関係ないんだけど許哲珮はTizzyBacの惠婷と仲良しです。ここタピレコテストに出ます。そんなテストない。

www.youtube.com

 

注目すべき点は、第30回金曲獎(Golden Melody Awards)でインストアルバム賞を受賞した績を持ち、台湾のオーディエンスには既によく知られている東京発台湾行きオリエンタルギタートリオ「東京中央線」の作品が、ベストジャズアルバム賞にノミネートされていること。 そして、竹内まりやのシティポップの名曲「Plastic Love」のカバーをリリースしたことで日本でも徐々に注目され、2019年にはサマーソニックにも出演したソウル・シンガー「9m88」が日本の音楽プロデューサーでもある、DJ MITSU THE BEATS との共作「Tell Me」でベストR&Bソング賞にノミネートされている点だ。 

 

この辺からちょっと難しくなってくるんですが、文脈をざっくり整理すると

 

東京中央線

現地に根差して活動してるマジですごいジャズバンドのお兄さん3人組。台湾の音楽賞受賞たくさん、コラボたくさん。で、ジャズシーンだけではなく原住民アーティスト、原住民バンドのサポート役としても頼られてます。

 

詳しく知りたい人はこのインタビュー記事を読みましょう。

ja.taiwanbeats.tw

 

9m88(ジョエムバーバー)

注目人物。アメリカ帰りのジャズ、R&B系の女性シンガー。アーティスト活動のほか、映画にも出るなど多彩。マネージャーMIAさんもすごいと評判。

 

また、「亞洲創作音樂獎」には、日本からCHAIとピアノユニットのEIKO+ERIKO、韓国からインディーズバンドCADEJO、シンガポールからShye(Trinity Shye-Anne Brown)、ベトナム出身のヒップホップアーティストNodey、NYで活動するコリアン・アメリカンのシンガーAudrey Nunaが、アジア各国からノミネートされており、こちらも目が離せない。

 

ちなみに昨年のノミネート&受賞者はこんな感じで、特に日本のメンツのノミネートは音楽性もさることながら賞自体の知名度向上などのシナジー狙っている感じがしますね。

 

去年の「亞洲創作音樂獎」ノミネートリスト

「19FACT」/空音(日本)

「2ND GALAXY」/Nulbarich(日本)

「FREESUMMER」/CADEJO(韓國)

「The Sailor」/Rich Brian(印尼) ★

「ena mori」/ena mori(菲律賓)

「Enlightenment」/THONAPPLE(韓國)

「SAWAYAMA」/Rina Sawayama(日本)

 

記者会見のメイン会場であるライブハウス「Legacy Taipei」から、「女巫店」、星野源が2011年に初海外公演を行った「海邊的卡夫卡」、さらに「新生命高架橋下スケートパーク」という多くアーティストを育てきたライブ会場が中継で繋がれた。 次世代の音楽の波がどのようなものになるのか、興味が尽きない。

 

中継でつなぐの、台湾のお家芸な感じがしていますがインディーズの賞でここまでやるのはすごく、徹底しているな~という感じです。

 

授賞式は初めて台湾南部の都市、高雄で高雄流行音樂中心で2021年11月6日(土)に開催される。

 

高雄流行音樂中心は2020年一般公開、2021年正式ローンチの音楽ホールですね。新しくて良いのではないでしょうか。

※ちなみに高雄は日本で言う大阪的な立ち位置で、ElephantGymやFIRE.EXなどの人気バンドの出身地。



▆第12回「金音創作獎」ノミネートアーティスト一覧


(アーティスト名 / 〈〉内楽曲名 / 《》内アルバム作品名 )

■  最佳專輯獎(ベストアルバム賞)

《PEDESTAL》/ØZI(製作人:ØZI)
《海女》/漂流出口(製作人:許聖榮、布妲菈•碧海、巫尚•碧海、林肯 )
《GOLDEN 太子 BRO》/血肉果汁機(製作人:許主携)
《Leisurely》/LINION(製作人:鍾濰宇、LINION)
《垂釣島嶼》/藍。掉(製作人:鍾適芳)

 

■  最佳樂團獎(ベストバンド賞)

落日飛車/《SOFT STORM柔性風暴》
SKARAOKE/《Skaraoke Vol.1:十年精選》
血肉果汁機/《GOLDEN太子BRO》
拍謝少年/《歹勢好勢》
落差草原WWWW/《黑夢》
FORMOZA/《超嬰格式化》

 

■  最佳創作歌手獎(ベストシンガーソングライター賞)

ØZI/《PEDESTAL》
巴奈/《愛,不到》
YELLOW黃宣/《浮世擊》
žž瑋琪/《žž》
孫盛希/《出沒地帶》
馬念先/《Mama Jeans and Daddy Shoes》

 

■  最佳新人獎(ベスト新人アーティスト賞)

石青羅林/《青Green》
緩緩/《水可以去任何地方》
žž瑋琪/《žž》
魯千千/《行》
FORMOZA/《超嬰格式化》
wannasleep(李奕賢)/《裸雀》

 

■  最佳樂手獎(ベストプレイヤー賞)

吳政君/《野蓮出庄》/邦哥鼓、非洲水鼓、康加鼓、堂鼓、二胡
阿雞(張瀚中)/《我能告訴你的只是一個故事》/手風琴
KITrust/《黑的韌性》/Synth、Program
鍾玉鳳/《垂釣島嶼》/琵琶、三絃、月琴、沖繩三線、斑鳩琴
陳思銘/《垂釣島嶼》/主唱、共鳴器吉他、12絃吉他、斑鳩琴
若池敏弘/《Yü》/塔布拉鼓、艾斯拉吉琴
魯千千/《行》/鐵琴、木琴
高飛/《顏社煮場秀:Leo王Live at Meowvelous》/鼓手

 

■  最佳現場演出獎(ベストライブパフォーマンス賞)

體熊專科/《Smashing the wall of an endless maze + Revenge is a dish best served cold 》
YELLOW/《YELLOW-2021大港開唱》
血肉果汁機/《GOLDEN 太子 BRO》
Leo王(王之佑) /《Leo王 2021 大港開唱 現場演出》
SKARAOKE /《Skaraoke Vol. 1: 十年精選》

 

■  亞洲創作音樂獎(ベストアジアンクリエイティブアーティスト賞)

《FREEBODY》/CADEJO
《WINK》/CHAI
《days to morning glory》/Shye(Trinity Shye-Anne Brown)
《Whoop it up!》/EIKO+ERIKO
《: -)  》/Nodey
《A Liquid Breakfast》/Audrey Nuna

 

■  最佳搖滾專輯獎(ベストロックアルバム賞)

《海女》/漂流出口
《GOLDEN 太子 BRO》/血肉果汁機
《歹勢好勢》/拍謝少年
《Demo丙》/風籟坊
《超嬰格式化》/FORMOZA

 

■  最佳搖滾歌曲獎(ベストロックソング賞)

〈欲〉/《青 Green》/石青羅林
〈Painting the trail of whisper in every moment captured〉/《Topic 3: 瞬間》/體熊專科
〈海女〉/《海女》/漂流出口
〈美好的事可不可以發生在我身上〉/《更迭》/康士坦的變化球
〈太子哥〉/《GOLDEN 太子 BRO》/血肉果汁機

 

■  最佳民謠專輯獎(ベストフォークアルバム賞)

《野蓮出庄》/生祥樂隊
《垂釣島嶼》/藍。掉
《流浪的Naluwan》/達卡鬧
《我想在城市裡當一個鄉下人》/小米
《不朽的青春》/王榆鈞

 

■  最佳民謠歌曲獎(ベストフォークソング賞)

〈豆腐牯 〉/《野蓮出庄》/生祥樂隊
〈親愛的妳好嗎 Akokey 〉/《akokey 親愛的你好嗎》/謝永泉
〈A -I /哎呀〉/《流浪的Naluwan》/達卡鬧
〈Heaven.zip〉/《Heaven.zip》/LÜCY
〈豐盈與匱乏的孩子〉/《豐盈與匱乏的孩子/回到現在》/來吧!焙焙!

 

■  最佳嘻哈專輯獎(ベストヒップホップアルバム賞)

《市井小明》/呂士軒
《感恩的心》/春艷(余承恩)
《燥熱》/派偉俊
《SKY》/蔡詩芸 Dizzy Dizzo
《裸雀》/wannasleep(李奕賢)

 

■ 最佳嘻哈歌曲獎(ベストヒップホップソング賞)

〈深呼吸 feat. 李權哲〉/《感恩的心》/春艷(余承恩)
〈Let Me Talk〉/《Let Me Talk》/國蛋
〈50元的檳榔〉/《50元的檳榔》/潮州土狗
〈88BARS〉/《88BARS》/熊仔
〈黑〉/《裸雀》/wannasleep(李奕賢)

 

■  最佳電音專輯獎(ベスト電子音楽アルバム賞)

《lipahak ko ‘orip 》/幽法
《黑的韌性》/OVDS
《彼岸》/鹿比∞吠陀
《Simulation Of An Overloaded World》/Sonia Calico
《Archimedes》/Apio,Funguz,陳冠宇

 

■  最佳電音歌曲獎(ベスト電子音楽ソング賞)

〈lipahak ko ‘orip〉/《lipahak ko ‘orip 》/幽法
〈Cheat Death〉/《黑的韌性》/OVDS
〈星星歌〉/《N1-那屋瓦一號作品》/N1-那屋瓦一號作品
〈篝火〉/《彼岸》/鹿比∞吠陀
〈zaljum 水(feat. 阿爆(阿仍仍)/ R.fu)(日出版)〉/Ń7ä

 

■  最佳爵士專輯獎(ベストジャズアルバム賞)

《蒼鷺十三號》/羅妍婷
《孤獨患者的溫柔低語》/林煒翔
《Fly By Light》/東京中央線
《行》/魯千千
《未來島民》/島國未來主義

 

■  最佳爵士歌曲獎(ベストジャズソング賞)

〈Engraved In The Moon〉/《蒼鷺十三號》/羅妍婷
〈繪畫,藥丸,巧克力〉/《孤獨患者的溫柔低語》/林煒翔
〈 Vagabond Dance〉/《Fly By Light》/東京中央線
〈媽媽聊天去〉/《žž》/žž瑋琪
〈行〉/《行》/魯千千

 

■  最佳節奏藍調專輯獎(ベストR&Bアルバム賞)

《PEDESTAL》/ØZI
《Leisurely》/LINION
《出沒地帶》/孫盛希
《致筆友》/郁夫

 

■  最佳節奏藍調歌曲獎(ベストR&Bソング賞)

〈後現代獨白〉/《浮世擊》/YELLOW
〈Oh Girl〉/《Leisurely》/LINION
〈LIMO〉/《LIMO》/鶴 The Crane
〈AI 敢會愛?〉/《AI 敢會愛?》/Robot Swing
〈Tell Me〉/《Tell Me》/9m88

 

■  最佳另類流行專輯獎(ベストオルタナティヴ・ポップアルバム賞)

《SOFT STORM柔性風暴》/落日飛車
《沉靜的提醒》/The Fur.
《Mama Jeans and Daddy Shoes》/馬念先
《根》/舞炯恩(舞炯恩加以法利得)
《回到原點》/Matzka 瑪斯卡

 

■最佳另類流行歌曲獎(ベストオルタナティヴ・ポップソング賞)

〈Candlelight (feat. OHHYUK) 燭光〉/《SOFT STORM柔性風暴》/落日飛車
〈Mountain Dude〉/《Leisurely》/LINION
〈潛伏期〉/《出沒地帶》/孫盛希
〈沙漠玫瑰與駱駝〉/《沙漠玫瑰與駱駝》/林以樂
〈Millions of Years Apart (feat. MANDARK)〉/《Millions of Years Apart》/恐龍的皮


【特別貢獻獎】(特別貢献賞)
吳武璋



というわけで

日本語でプレス資料つくるとかマジすごいしがんばってると思う。

 

ところどころ校正ミスはあるけど、ちゃんとしてる。これは今まで台湾音楽の日本向けプロモーションと少しでも向き合ってきた人たちとは満場一致でしょう。

 

一方で、日本人に背景や文脈を伝えるのはすごく大変だと思うし、そこはすごく苦労したんだろうな…っていうのが見えました。私も苦労すると思う。

 

一点注文してよいなら、中継が見られるか?に触れられると良いと思いました。

ただこれ、いつもの台湾あるあるで、おそらく直前まで調整になると思うので、多分プレス側としては発信できない。ただ、「中継については調整中で、中継できる場合情報はここ」みたいに導線一個敷いておくだけでも、わかりやすさと次に海外オーディエンスが取れる行動が変わってくると思いまする。

 

というわけで中継あるなしなど含め、情報を以下のSNSをチェックしておきましょー!

 

金音創作獎official site


■Facebook: https://www.facebook.com/bamidgima/
■Instagram :https://www.instagram.com/gima_arf/
■YouTube:https://www.youtube.com/c/%E9%87%91%E9%9F%B3%E5%89%B5%E4%BD%9C%E7%8D%8E/featured

 

それでは再見~。

寄稿裏話日記!Qetic「注目の台湾映画・台湾ドラマを彩る音楽4選!NetflixやAmazon Primeで視聴できる作品も 」

中の人こと中村です。こんにちは!

10月1日に、いつもお世話になっているQeticさんで、寄稿記事が掲載されました!

 

注目の台湾映画・台湾ドラマを彩る音楽4選!NetflixやAmazon Primeで視聴できる作品も | Qetic

qetic.jp

 

今回はTAIWAN BEATSのサポートで、一緒に企画を作りました!

せっかくなので、企画の時に考えていたことを書いてみます。

 

 

 

今、台湾の音楽を楽しんでもらう方法ってどんな?

2020年以降、海外の文化を自分事として楽しんでもらう方法を皆が模索していると思います。

もちろん台湾についても例外ではありません。

 

私は、こんな時代になる以前は、台湾に行ってフェスやライブを見るのが好きでした。なのでなるべくライブが良いバンドを紹介したいなあだったり、現場感のあるコンテンツをつくりたいなあだったりがモチベーションで。でもそれは封じられてしまい。つらいね。

 

とはいえ仕事はしないといけないので、何を書こうか考えたときに、

・ホームリスニング向きの音楽を紹介する

・台湾インディーズの新譜を紹介する

・なんかすごい尖ったぶっとんだことやる

など、色々考えたのですが、TAIWAN BEATSと一緒に進める企画として、そしてメディアで広くお知らせするものとしてはちょっと弱いかな~と思った次第だったのです。

 

なかなか良い企画が思いつかない日々が過ぎていきました。

 

迷ったら原体験に立ち戻る

そんな中ヒントになったのは、10年以上前に台湾の映画、「不能說的祕密」を見た経験でした。「不能說的祕密」は、ジェイチョウが監督、主演、主題歌制作など一人数役で作り上げた映画です。

 

www.youtube.com

 

当時台湾に行ったことすらなかったのですが、私はこの映画に夢中になりました。ストーリーや世界観、ヒロイン役のグイ・ルンメイのミステリアスな魅力もさることながら、特に印象に残ったのは、同名の主題歌「不能說的祕密」をはじめとする音楽の魅力でした。

 

DVDで3回見た後、台湾のメル友にOSTを送ってもらい、聖地巡礼ブログを何度も読みました。そして、台湾に初訪問した際、映画に出てくる学校の聖地巡礼をしました。初の台湾旅行が聖地巡礼って…(笑)。今思うとマジで熱量がやばいやつだと思うのですが。

 

そういうわけで、

「映画の力を借りれば、往来がむずかしい今でも音楽の魅力を伝えられるのでは?」

という仮説を立てると同時に、Netflixの加入者数を調べると、2020年9月時点でNetflixの加入者が増加し、500万人を超えているというニュースが見つかりました。

 

Netflixの日本の加入者数が500万人超え、日本発作品の展開も推進 | 日経クロステック(xTECH)

 

これで行こう、と思いました。

 

作品の選定

Taiwan BeatsのBrienおよびQeticさんに相談をすると、企画についてはすぐOKをもらえました。そこからは、作品の選定についてBrienとよく議論を行いました。

 

「Netflixやアマプラで見られる作品」というところまではお互い一致し、私がピックアップしたものと、Brienがピックアップしてくれたもの、台湾のトレンド、そして日本で配信されているものを絞り込んでいくと、10作品弱の候補が出てきました。

 

この時点では、見たことがない作品とある作品の両方。本当は候補作をすべて見た上で何を書くかを決めたほうが良かったとは思うのですが、私は平日はまあまあ仕事をしているので、さらに絞り込みたいと思いました。

 

作品を見ずに音楽を紹介するという手段もなくはなかったのですが、それはしたくなかったのです。

 

最終的に絞り込む基準として、「音楽の魅力を紹介する」という要件を定義すると、

・楽曲自体が重要な役割を果たすもの

・作品のテーマとして音楽が扱われるもの、もしくは音楽アーティストが活躍するもの

 

この2つが見え、最終的に

『時をかける愛』(原題:『想見你』)
『君の心に刻んだ名前』(原題:『刻在你心底的名字』)
『つかみ損ねた恋に』(原題:『我沒有談的那場戀愛』)
『双城故事:彼女たちの二都物語』(原題:『雙城故事』)

 

この4つがトップ候補として上がりました。

 

なお、私は草東沒有派對が好きなので「還願」を入れたかったのですが、「還願」はそもそもゲームなので、周りを説得するロジックが作れず諦めました(笑)

 

編集が大変だ~!(ワチャワチャ)

そういうわけで企画は無事立てられたのですが、大変なのはここからでした(笑)

というのも、私はこれまでに書いた記事は

・アーティストインタビュー

・企画

・イベントと絡めたアーティストプロフィールの紹介

が主で、映画についてお仕事として書いたことがないことに、走り始めてから気づいたのです。そうゆうとこだぞ。

 

なので実際に書き始めてみると、

・どういう構成で書けばいいのか問題

・映画の話題から音楽の話題への橋渡しをどうすればいいのか問題

・俳優の名前をカタカナ表記していいのか問題

・台湾独自の文化をどこまで伝えればいいのか問題

など、さまざまな悩みがいっぺんに襲ってきて、頭の中が沸騰状態でした。映画ライターさんてすごいなと思いましたね。

 

映画レビューサイトなどもたくさん見て、最終的には、

・記事の構成について:無難ではあるが、先にあらすじを紹介する。あらすじの前提整理が必要であれば先にやる。

・映画の話題→音楽の話題について:ネタバレにならない程度にストーリーと音楽の関連性を述べ、特に注目してほしい音楽、出演者に音楽アーティストがいればそこにも触れる

・俳優の名前:基本全部カタカナで、カッコ書きで中文名を入れる

・台湾独自の文化:濃すぎない程度に入れる

このカタチにやりながらまとまっていきました。

 

そういうわけで

映画を紹介する記事が初めてでして、不慣れな点もたくさんありいろんなご意見を頂くと思うのですが、そういうのは欲しいのでどんどんいただけましたらと。

 

qetic.jp

 

因みに記事に取り上げたどの作品も、どの音楽も本当におすすめなのですが、特に刺さってるのは雙城故事のOP、「Love Yourself」です。

 

Save yourself, save yourself
Ain’t nobody gonna save you, if you don’t save yourself

 

StreetVoiceで作曲者Holly Lou 羅維真によるDemo Verが聴けるのですが、そちらも良いので私は何回も聴いています。相変わらず熱量がやばめです。